ゲーリング -第三帝国の演出者ー [ヒトラーの側近たち]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
レナード・モズレー著の「ゲーリング」を読破しました。
ゲーリングといえば、ある意味ナチス第三帝国の象徴(一般的イメージのひとつ)でもあり、
それは道楽者、大言壮語、モルヒネ中毒、権力欲、見栄っ張りなどのキーワードに事欠きません。
また、第三帝国関連の数々の著書に登場しますが、常に悪役としてであり、
なかにはかなり辛らつなものも珍しくありません。
この本はそんなゲーリングの伝記であり、著者はイギリスの新聞社のベルリン特派員で
個人的にもゲーリングと面識があり、この伝記を書くにあたっては、ゲーリングの2番目の妻や
義理の息子、ガーランドやミルヒ、シュペーアなどの協力を得ています。
上巻は彼の生い立ちから始まり、第一次世界大戦での活躍、敗戦後の放浪と続き
最初の妻となるカーリンとの出会いが大恋愛と発展します。
時同じくして運命的なヒトラーとの出会い、そして病弱な妻を支えながら
ナチ党のために全力を傾けていきます。
しかし、その成功の陰で最愛の妻の死が訪れます。
続く下巻はポーランド侵攻からニュルンベルク裁判における絞首刑前日の服毒自殺までの
彼の絶頂期からその謎の最後までをゲーリングを中心に第三帝国の攻防を描いてます。
個人的な読みどころは、上巻部分のリヒトホーフェン編隊指揮官に任命される過程や
モルヒネ中毒との闘い、そして妻・カーリンとの愛と死というそれほど知られていない
青年期の部分です。
これらの出来事は良くも悪くも、最後まで彼の人生に大きな影響をもたらしていたと感じます。
肯定的でも否定的でもない、非常に良く出来た伝記ではないでしょうか。
レナード・モズレー著の「ゲーリング」を読破しました。
ゲーリングといえば、ある意味ナチス第三帝国の象徴(一般的イメージのひとつ)でもあり、
それは道楽者、大言壮語、モルヒネ中毒、権力欲、見栄っ張りなどのキーワードに事欠きません。
また、第三帝国関連の数々の著書に登場しますが、常に悪役としてであり、
なかにはかなり辛らつなものも珍しくありません。
この本はそんなゲーリングの伝記であり、著者はイギリスの新聞社のベルリン特派員で
個人的にもゲーリングと面識があり、この伝記を書くにあたっては、ゲーリングの2番目の妻や
義理の息子、ガーランドやミルヒ、シュペーアなどの協力を得ています。
上巻は彼の生い立ちから始まり、第一次世界大戦での活躍、敗戦後の放浪と続き
最初の妻となるカーリンとの出会いが大恋愛と発展します。
時同じくして運命的なヒトラーとの出会い、そして病弱な妻を支えながら
ナチ党のために全力を傾けていきます。
しかし、その成功の陰で最愛の妻の死が訪れます。
続く下巻はポーランド侵攻からニュルンベルク裁判における絞首刑前日の服毒自殺までの
彼の絶頂期からその謎の最後までをゲーリングを中心に第三帝国の攻防を描いてます。
個人的な読みどころは、上巻部分のリヒトホーフェン編隊指揮官に任命される過程や
モルヒネ中毒との闘い、そして妻・カーリンとの愛と死というそれほど知られていない
青年期の部分です。
これらの出来事は良くも悪くも、最後まで彼の人生に大きな影響をもたらしていたと感じます。
肯定的でも否定的でもない、非常に良く出来た伝記ではないでしょうか。
ポケット戦艦 -アドミラル・シェアの活躍- [ドイツ海軍]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
T・クランケ著の「ポケット戦艦」を読破しました。
ポケット戦艦としてグラーフ・シュペー号と共に有名なアドミラル・シェア号の戦記です。
第2次大戦初期の通商破壊作戦において大西洋からインド洋まで航海し、
無事、数々の戦果を挙げたシェアの海洋冒険ものです。
著者である艦長のテオドール・クランケ大佐のチェスのような戦術をもって、
英海軍の裏の裏を突きながら、戦果を重ねていきます。
開戦初期ということもあって、艦長から一水兵に至るまで、皆、騎士道精神の持ち主であり、
国籍様々な捕虜(イギリス人、オランダ人、ノルウェー人、インド人などなど・・)の扱いにも
興味深い洞察力と可能な限り快適な居住を提供しようとする努力とあいまって、
微笑ましくも感動的ですらあります。
この本の大部分は艦上での生活におけるエピソードの積み重ねであり、
赤道を越える際の伝統的な赤道祭の大イベントから日々の食事に関わるちょっとしたエピソード
などが散りばめられて飽きることがありません。
ともかく、戦史にありがちな悲惨な展開もなく、海の男たちの冒険という色合いで
読み終わった暁には「卵」を食べたくなること請け合いです。
T・クランケ著の「ポケット戦艦」を読破しました。
ポケット戦艦としてグラーフ・シュペー号と共に有名なアドミラル・シェア号の戦記です。
第2次大戦初期の通商破壊作戦において大西洋からインド洋まで航海し、
無事、数々の戦果を挙げたシェアの海洋冒険ものです。
著者である艦長のテオドール・クランケ大佐のチェスのような戦術をもって、
英海軍の裏の裏を突きながら、戦果を重ねていきます。
開戦初期ということもあって、艦長から一水兵に至るまで、皆、騎士道精神の持ち主であり、
国籍様々な捕虜(イギリス人、オランダ人、ノルウェー人、インド人などなど・・)の扱いにも
興味深い洞察力と可能な限り快適な居住を提供しようとする努力とあいまって、
微笑ましくも感動的ですらあります。
この本の大部分は艦上での生活におけるエピソードの積み重ねであり、
赤道を越える際の伝統的な赤道祭の大イベントから日々の食事に関わるちょっとしたエピソード
などが散りばめられて飽きることがありません。
ともかく、戦史にありがちな悲惨な展開もなく、海の男たちの冒険という色合いで
読み終わった暁には「卵」を食べたくなること請け合いです。
ドイツ空軍のエースパイロット/エーリッヒ・ハルトマン [ドイツ空軍]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
「ドイツ空軍のエースパイロット/エーリッヒ・ハルトマン」を読破しました。
「不屈の鉄十字エース」こと、東部戦線で史上最多の撃墜数352機で
ダイヤモンド剣柏葉付き騎士十字章拝領者のエーリッヒ・ハルトマン写真集です。
士官候補生時代から東部戦線での貴重な写真。
10年余のソ連での収容所生活の写真も僅かながら掲載されており、
帰国後の新生ドイツ空軍~退役後までをカバーしています。
戦後も当時の仲間とのショットが数多くありますが、
ガーランドや盟友バルクホルンがすっかり中年太り化しているのに対し、
ハルトマンは二十歳の頃から体型がほとんど変わりません。
顔も皺こそ増えたものの、ベイブの愛称どおりの童顔を保っています。
また、「不屈の鉄十字エース」の作者であるアメリカ軍のトリヴァー大佐とのショットでは
国を超えた親密さも伺えます。
ま、出来ればこのようなカラー写真も欲しかった気もします。
最初の10ページほどにハルトマンの人生が概略的に説明されているので、
これだけでも良いかも知れませんが、
やはり「不屈の鉄十字エース」と平行して読み進めるのがオススメです。
「ドイツ空軍のエースパイロット/エーリッヒ・ハルトマン」を読破しました。
「不屈の鉄十字エース」こと、東部戦線で史上最多の撃墜数352機で
ダイヤモンド剣柏葉付き騎士十字章拝領者のエーリッヒ・ハルトマン写真集です。
士官候補生時代から東部戦線での貴重な写真。
10年余のソ連での収容所生活の写真も僅かながら掲載されており、
帰国後の新生ドイツ空軍~退役後までをカバーしています。
戦後も当時の仲間とのショットが数多くありますが、
ガーランドや盟友バルクホルンがすっかり中年太り化しているのに対し、
ハルトマンは二十歳の頃から体型がほとんど変わりません。
顔も皺こそ増えたものの、ベイブの愛称どおりの童顔を保っています。
また、「不屈の鉄十字エース」の作者であるアメリカ軍のトリヴァー大佐とのショットでは
国を超えた親密さも伺えます。
ま、出来ればこのようなカラー写真も欲しかった気もします。
最初の10ページほどにハルトマンの人生が概略的に説明されているので、
これだけでも良いかも知れませんが、
やはり「不屈の鉄十字エース」と平行して読み進めるのがオススメです。
失われた勝利 [回想録]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
エリッヒ・フォン・マンシュタイン著の「失われた勝利」をついに読破しました。
一年半ほど前に8000円で購入(1980年の発売当時で定価6500円!)しましたが、
このびっちりで600頁オーバーの大著をじっくりと読む時間がなかなか取れずにいました。
内容は1939年のポーランド戦争に始まり、
1944年の東部戦線南方軍集団司令官解任までに
限定した「一軍人の著述」となっています。
あまりにも有名なフランス侵攻計画立案の経緯からバルバロッサ作戦、
クリミヤのセヴァストポリ要塞攻略、スターリングラードの第6軍救出作戦、
ハリコフの戦いにクルスクの大戦車戦、さらにはチェルカッシィ包囲突破戦と
いわくつきの戦役/会戦がこれでもか!と目白押しです。
これらの作戦を指揮または、携わっていたということに
改めてマンシュタインが「知将」、「最高の戦術家」と云われる所以であると認識しました。
各章がメインディッシュ並のボリュームと豪華さで(マンシュタイン曰く「概要に留める」)、
すぐにお腹いっぱいになってしまい一気読みなど、とても出来ません。
個人的には詳細な本が出版されていないため、以前から知りたいと思っていた
「セヴァストポリ要塞攻略」が大変満足いくものでした。
砲身長30メートルに及ぶ「列車砲ドーラ」に対するマンシュタインの意見など
非常に興味深いものでした。
A軍集団参謀長時代の回想では司令官であるルントシュテット元帥との
楽しいエピソードもあり、また自身の副官、運転手、息子の死については、
あえて読者に断りを入れてから哀悼の意を述べています。
さらには、この回想録のもうひとつの重要なテーマである、
ヒトラーとの確執については後半になるにしたがって頻繁に登場します。
というより、南方軍集団司令官となってからは、ソ連軍に対する軍集団の指揮より
対ヒトラー戦に心血を注いでるかのようです。
とにかく有名な本で高価、かつ手に入りづらいですが、一読の価値があります。
1999年に「失われた勝利―マンシュタイン回想録<上・下>」として再刊されています。
でも、これも高いんですよね~。
エリッヒ・フォン・マンシュタイン著の「失われた勝利」をついに読破しました。
一年半ほど前に8000円で購入(1980年の発売当時で定価6500円!)しましたが、
このびっちりで600頁オーバーの大著をじっくりと読む時間がなかなか取れずにいました。
内容は1939年のポーランド戦争に始まり、
1944年の東部戦線南方軍集団司令官解任までに
限定した「一軍人の著述」となっています。
あまりにも有名なフランス侵攻計画立案の経緯からバルバロッサ作戦、
クリミヤのセヴァストポリ要塞攻略、スターリングラードの第6軍救出作戦、
ハリコフの戦いにクルスクの大戦車戦、さらにはチェルカッシィ包囲突破戦と
いわくつきの戦役/会戦がこれでもか!と目白押しです。
これらの作戦を指揮または、携わっていたということに
改めてマンシュタインが「知将」、「最高の戦術家」と云われる所以であると認識しました。
各章がメインディッシュ並のボリュームと豪華さで(マンシュタイン曰く「概要に留める」)、
すぐにお腹いっぱいになってしまい一気読みなど、とても出来ません。
個人的には詳細な本が出版されていないため、以前から知りたいと思っていた
「セヴァストポリ要塞攻略」が大変満足いくものでした。
砲身長30メートルに及ぶ「列車砲ドーラ」に対するマンシュタインの意見など
非常に興味深いものでした。
A軍集団参謀長時代の回想では司令官であるルントシュテット元帥との
楽しいエピソードもあり、また自身の副官、運転手、息子の死については、
あえて読者に断りを入れてから哀悼の意を述べています。
さらには、この回想録のもうひとつの重要なテーマである、
ヒトラーとの確執については後半になるにしたがって頻繁に登場します。
というより、南方軍集団司令官となってからは、ソ連軍に対する軍集団の指揮より
対ヒトラー戦に心血を注いでるかのようです。
とにかく有名な本で高価、かつ手に入りづらいですが、一読の価値があります。
1999年に「失われた勝利―マンシュタイン回想録<上・下>」として再刊されています。
でも、これも高いんですよね~。
”グロースドイッチュランド”師団写真史 [ドイツ陸軍]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
トーマス マックギール著の「”グロースドイッチュランド”師団写真史」を読破しました。
国防軍のエリート部隊であった、グロース・ドイッチュラントの歴史をその母体となる部隊から
連隊、機甲歩兵師団、そして戦車師団へと変貌を遂げていく様を
宣伝小隊の専属記者による多数の写真で追いかけています。
有名な伯爵シュトラハヴィッツやラングカイト大佐、
後期の師団長であるマントイフェル将軍などの重要人物は
経歴も含めて特別に述べられています。
個人的に気に入った人物では、突撃砲大隊を率いて、騎士十字章、柏葉章と受章した
ペーター・フランツ大尉です。
まさに戦争映画の主人公のようなベビーフェイスで
特に柏葉章受章後の師団での閲覧式の模様は素晴らしい連続写真で
部下を含め、誇りに満ちた表情が非常に印象的です。
師団史としても時系列で整理されて書かれており、理解しやすいものとなっています。
但し、序文で述べられているように、あくまで写真集であることから、写真のないもの、
例えばクルスクでの戦車戦などは、ほんのちょっぴりの扱いとなっています。
それでも師団の歴史を扱ったものとしてはベストだと思います。
トーマス マックギール著の「”グロースドイッチュランド”師団写真史」を読破しました。
国防軍のエリート部隊であった、グロース・ドイッチュラントの歴史をその母体となる部隊から
連隊、機甲歩兵師団、そして戦車師団へと変貌を遂げていく様を
宣伝小隊の専属記者による多数の写真で追いかけています。
有名な伯爵シュトラハヴィッツやラングカイト大佐、
後期の師団長であるマントイフェル将軍などの重要人物は
経歴も含めて特別に述べられています。
個人的に気に入った人物では、突撃砲大隊を率いて、騎士十字章、柏葉章と受章した
ペーター・フランツ大尉です。
まさに戦争映画の主人公のようなベビーフェイスで
特に柏葉章受章後の師団での閲覧式の模様は素晴らしい連続写真で
部下を含め、誇りに満ちた表情が非常に印象的です。
師団史としても時系列で整理されて書かれており、理解しやすいものとなっています。
但し、序文で述べられているように、あくまで写真集であることから、写真のないもの、
例えばクルスクでの戦車戦などは、ほんのちょっぴりの扱いとなっています。
それでも師団の歴史を扱ったものとしてはベストだと思います。