鉄の棺 ―U-Boot死闘の記録― [Uボート]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
ヘルベルト・ヴェルナー著の「鉄の棺」を読破しました。
Uボート艦長の回想録というのはあまり多くはありません。
撃沈されたUボートの数、損害率は凄まじく、生き残った人が少ないからでもあるようです。
この本の著者ヴェルナーはUボート・エースとして名を馳せた有名艦長ではないですが、
一般的なUボートものとは一味違う感覚で、Uボート戦を再現しています。
1940年海軍学校を卒業し、Uボートへ見習い将校として勤務に着きます。
当時はUボート全盛の時であり、前半では次席将校、先任将校(副官)として
貨物船をガンガン沈めていきます。
しかし伝説化した大エースのクレッチマーが撃沈されたというニュースが
新人の彼らの動揺を誘うように、アメリカの参戦、連合軍のレーダー、制空権、
船団方式の強化等により立場はあっという間に逆転してしまい、
多数のUボートが本のタイトルの如く「鉄の棺」と化していきます。
その対駆逐艦との攻防も凄まじく、
名作映画「Uボート」を思い出しながら読める人にはさらに恐ろしい。。
実はこの人、なかなか艦長にはならなくて、
後半でやっとこさ旧式のUボート「U953」の艦長になる次第です。
しかし時は連合軍のノルマンディ上陸も近く、Uボート艦隊は全滅の危機的状況であり、
体当りでの玉砕命令まで出される始末。
ベテランのUボート乗りが激減していく一方、
必然的に若く経験不足の将校でも艦長とならざるを得ませんでした。
ストーリーは①哨戒任務、②帰港してパーティ、③港みなとに女との出会い、
という繰り返しパターンですが、あれだけロマンスがあるのはさすが海の男と言えるでしょう
(勿論、いつ戦死するかもという状況も大きいですが・・)。
一応、正式な恋人もいるのですが、土地土地でとっかえひっかえやってるので、
本土空襲のニュースで女性を心配するシーンがあっても
どこの誰を心配しているのかが良くわかりません。
まぁ、わざわざページを戻って再確認する必要までは無いと思いますが・・。
また、司令官デーニッツに対する想いも一般的に言われるUボート乗りとは
微妙に温度差があるように思えます。
これは、デーニッツがUボート艦隊指令から海軍総指令、
最後はヒトラーの後継者へとUボートから離れていったことと比例していくようです。
特筆すべきは終戦後が語られるエピローグの数ページです。
捕虜となった収容所からの脱走、裏切り、逮捕、フランス外人部隊への強制入隊、再び脱走・・と
ヘタすればこれだけでも一冊書けるだけの冒険紀行です。
ヴィトゲンシュタインのは旧版のフジ出版社ですが、中央公論新社から現在、再刊されています。
ヘルベルト・ヴェルナー著の「鉄の棺」を読破しました。
Uボート艦長の回想録というのはあまり多くはありません。
撃沈されたUボートの数、損害率は凄まじく、生き残った人が少ないからでもあるようです。
この本の著者ヴェルナーはUボート・エースとして名を馳せた有名艦長ではないですが、
一般的なUボートものとは一味違う感覚で、Uボート戦を再現しています。
1940年海軍学校を卒業し、Uボートへ見習い将校として勤務に着きます。
当時はUボート全盛の時であり、前半では次席将校、先任将校(副官)として
貨物船をガンガン沈めていきます。
しかし伝説化した大エースのクレッチマーが撃沈されたというニュースが
新人の彼らの動揺を誘うように、アメリカの参戦、連合軍のレーダー、制空権、
船団方式の強化等により立場はあっという間に逆転してしまい、
多数のUボートが本のタイトルの如く「鉄の棺」と化していきます。
その対駆逐艦との攻防も凄まじく、
名作映画「Uボート」を思い出しながら読める人にはさらに恐ろしい。。
実はこの人、なかなか艦長にはならなくて、
後半でやっとこさ旧式のUボート「U953」の艦長になる次第です。
しかし時は連合軍のノルマンディ上陸も近く、Uボート艦隊は全滅の危機的状況であり、
体当りでの玉砕命令まで出される始末。
ベテランのUボート乗りが激減していく一方、
必然的に若く経験不足の将校でも艦長とならざるを得ませんでした。
ストーリーは①哨戒任務、②帰港してパーティ、③港みなとに女との出会い、
という繰り返しパターンですが、あれだけロマンスがあるのはさすが海の男と言えるでしょう
(勿論、いつ戦死するかもという状況も大きいですが・・)。
一応、正式な恋人もいるのですが、土地土地でとっかえひっかえやってるので、
本土空襲のニュースで女性を心配するシーンがあっても
どこの誰を心配しているのかが良くわかりません。
まぁ、わざわざページを戻って再確認する必要までは無いと思いますが・・。
また、司令官デーニッツに対する想いも一般的に言われるUボート乗りとは
微妙に温度差があるように思えます。
これは、デーニッツがUボート艦隊指令から海軍総指令、
最後はヒトラーの後継者へとUボートから離れていったことと比例していくようです。
特筆すべきは終戦後が語られるエピローグの数ページです。
捕虜となった収容所からの脱走、裏切り、逮捕、フランス外人部隊への強制入隊、再び脱走・・と
ヘタすればこれだけでも一冊書けるだけの冒険紀行です。
ヴィトゲンシュタインのは旧版のフジ出版社ですが、中央公論新社から現在、再刊されています。