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失われた勝利 [回想録]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

エリッヒ・フォン・マンシュタイン著の「失われた勝利」をついに読破しました。

一年半ほど前に8000円で購入(1980年の発売当時で定価6500円!)しましたが、
このびっちりで600頁オーバーの大著をじっくりと読む時間がなかなか取れずにいました。

内容は1939年のポーランド戦争に始まり、
1944年の東部戦線南方軍集団司令官解任までに
限定した「一軍人の著述」となっています。

失われた勝利.JPG

あまりにも有名なフランス侵攻計画立案の経緯からバルバロッサ作戦、
クリミヤのセヴァストポリ要塞攻略、スターリングラードの第6軍救出作戦、
ハリコフの戦いにクルスクの大戦車戦、さらにはチェルカッシィ包囲突破戦と
いわくつきの戦役/会戦がこれでもか!と目白押しです。
これらの作戦を指揮または、携わっていたということに
改めてマンシュタインが「知将」、「最高の戦術家」と云われる所以であると認識しました。
各章がメインディッシュ並のボリュームと豪華さで(マンシュタイン曰く「概要に留める」)、
すぐにお腹いっぱいになってしまい一気読みなど、とても出来ません。

von Manstein.JPG

個人的には詳細な本が出版されていないため、以前から知りたいと思っていた
「セヴァストポリ要塞攻略」が大変満足いくものでした。
砲身長30メートルに及ぶ「列車砲ドーラ」に対するマンシュタインの意見など
非常に興味深いものでした。

Dora.jpg

A軍集団参謀長時代の回想では司令官であるルントシュテット元帥との
楽しいエピソードもあり、また自身の副官、運転手、息子の死については、
あえて読者に断りを入れてから哀悼の意を述べています。

さらには、この回想録のもうひとつの重要なテーマである、
ヒトラーとの確執については後半になるにしたがって頻繁に登場します。
というより、南方軍集団司令官となってからは、ソ連軍に対する軍集団の指揮より
対ヒトラー戦に心血を注いでるかのようです。

Von_manstein_hitler.jpg

とにかく有名な本で高価、かつ手に入りづらいですが、一読の価値があります。
1999年に「失われた勝利―マンシュタイン回想録<上・下>」として再刊されています。
でも、これも高いんですよね~。







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