鉄十字のエースたち [ドイツ空軍]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
レイモンド・F. トリヴァー著の「鉄十字のエースたち」を読破しました。
エーリッヒ・ハルトマン伝「不屈の鉄十字エース」の著者による一冊で、
ガーランドの章に始まり、メルダース、シュタインホフ、マルセイユ、
さらにハルトマン、バルクホルン、ラルというスーパー・エースたちの軌跡を描きます。
「誰が最高か?」は撃墜数や東部戦線/西部戦線で評価されがちですが、
時期や状況によっての様々な変化や
個人個人の飛行技術、射撃技術、相手が戦闘機か4発重爆か、
また、人間性や騎士道精神、敢闘精神など評価観点は多種に渡るため、
この本では誰もが甲乙つけがたい素晴らしいエースたちとして扱われています。
友人でもあったガーランドとメルダースは、その戦闘機パイロットとしての能力もさることながら
共に若き戦闘機隊総監として奮闘し、ガーランドはブレスト艦隊のドーヴァー海峡突破作戦の
空軍支援の責任者としての活躍ぶりも描かれ、
またメルダースについても、もし彼が終戦まで生き残っていたなら
ルフトヴァッフェは違う姿になっていたのではないかと高く評価されています。
第52戦闘航空団の僚友として、共に300機撃墜という世界1位と2位のエース、
ハルトマンとバルクホルンも読み応えがあります。
また、第3位のギュンター・ラルも同様で大変勉強になります。
なかでもマルセイユの章では、1日で英連邦戦闘機17機を撃墜というとんでもない記録について
公式文書から、その戦闘行動を詳細かつ迫力をもって解説します。
正直、この部分を読むためだけでも、この本を探す価値があるでしょう。
弱冠22歳で散ったマルセイユは、当然、撃墜数こそ30位と他のエースには及びませんが、
なにか特別なものを持っている気がします。
もちろん戦後は「撃墜王アフリカの星」という映画にもなっています。
ルフトヴァッフェに興味のある方は必ず読んでおくべき一冊でしょう。
著者の トリヴァー米国空軍大佐は戦後、彼らと親交が深く(当然メルダースとマルセイユを除く)
まさに友人たちの伝記を嬉々として書いているというような雰囲気で、とても好感が持てます。
ただ残念ながら、原書にある夜間戦闘機隊と
Me163ロケット戦闘機(コメート)の章が割愛されているという悲しい現実があり、
ぜひ完全版として再刊してもらいたいものです。
レイモンド・F. トリヴァー著の「鉄十字のエースたち」を読破しました。
エーリッヒ・ハルトマン伝「不屈の鉄十字エース」の著者による一冊で、
ガーランドの章に始まり、メルダース、シュタインホフ、マルセイユ、
さらにハルトマン、バルクホルン、ラルというスーパー・エースたちの軌跡を描きます。
「誰が最高か?」は撃墜数や東部戦線/西部戦線で評価されがちですが、
時期や状況によっての様々な変化や
個人個人の飛行技術、射撃技術、相手が戦闘機か4発重爆か、
また、人間性や騎士道精神、敢闘精神など評価観点は多種に渡るため、
この本では誰もが甲乙つけがたい素晴らしいエースたちとして扱われています。
友人でもあったガーランドとメルダースは、その戦闘機パイロットとしての能力もさることながら
共に若き戦闘機隊総監として奮闘し、ガーランドはブレスト艦隊のドーヴァー海峡突破作戦の
空軍支援の責任者としての活躍ぶりも描かれ、
またメルダースについても、もし彼が終戦まで生き残っていたなら
ルフトヴァッフェは違う姿になっていたのではないかと高く評価されています。
第52戦闘航空団の僚友として、共に300機撃墜という世界1位と2位のエース、
ハルトマンとバルクホルンも読み応えがあります。
また、第3位のギュンター・ラルも同様で大変勉強になります。
なかでもマルセイユの章では、1日で英連邦戦闘機17機を撃墜というとんでもない記録について
公式文書から、その戦闘行動を詳細かつ迫力をもって解説します。
正直、この部分を読むためだけでも、この本を探す価値があるでしょう。
弱冠22歳で散ったマルセイユは、当然、撃墜数こそ30位と他のエースには及びませんが、
なにか特別なものを持っている気がします。
もちろん戦後は「撃墜王アフリカの星」という映画にもなっています。
ルフトヴァッフェに興味のある方は必ず読んでおくべき一冊でしょう。
著者の トリヴァー米国空軍大佐は戦後、彼らと親交が深く(当然メルダースとマルセイユを除く)
まさに友人たちの伝記を嬉々として書いているというような雰囲気で、とても好感が持てます。
ただ残念ながら、原書にある夜間戦闘機隊と
Me163ロケット戦闘機(コメート)の章が割愛されているという悲しい現実があり、
ぜひ完全版として再刊してもらいたいものです。
鷲は舞い降りた [完全版] [戦争映画の本]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
ジャック・ヒギンズ著の「鷲は舞い降りた」を何度目かの読破しました。
まぁとんでもない名作です。映画も有名ですが、この原作の方が数倍素晴らしい!
まさに冒険小説の金字塔です。
チャーチル誘拐のためにイギリスへドイツ空挺部隊が乗り込むという設定もさることながら
登場人物たちの個性が見事です。
クレタ島の戦いを含む百戦錬磨の降下猟兵の隊長に柏葉騎士十字章のシュタイナ中佐。
作戦計画者でストーリーテラーにアプヴェーアのラードル中佐。
そして、その筋のマニアには一番人気の北アイルランドの闘士デヴリン。
映画ではそれぞれマイケル・ケイン、ロバート・デュヴァル、
そして今や息子のほうが有名な?ドナルド・サザーランドが演じていますが
こちらもなかなか素晴らしい。ただ原作では皆もう少し若いですかね・・・。
ストーリーは有名なので割愛します。
ご存じない方はとりあえず読むことを強くお勧めします。
個人的にはユダヤ人少女を救ったことから懲罰部隊送りとなっているシュタイナ中佐に
ラードル中佐とデヴリンが会いに行くシーンが大好きです。
降下猟兵たちからゲシュタポと勘違いされ、挑戦的な態度を取られるラードル中佐がコート脱ぐと
そこには冬季東部戦線従軍章と首元には騎士十字章が・・。降下猟兵たちは目を真ん丸くして・・。
残念ながら映画にはこのシーンがありません。
まぁ、勲章の説明が必要ですからしょうがないですね・・。
他にも原作のみに登場するシュタイナ中佐の父、シュタイナ少将のゲシュタポによる拷問、
「SS-イギリス自由軍」のプレストン少尉とデヴリンの繰り広げる2人アイルランド紛争など
映画しかご覧になっていない方でも新鮮に、かつ深く楽しめること請け合いです。
続編として無理やり感ありありの「鷲は飛び立った」がありますが
まぁ、この話はやめておきましょう。
何はともあれ、「これを読まずに死ねるか!」的一冊です。
ジャック・ヒギンズ著の「鷲は舞い降りた」を何度目かの読破しました。
まぁとんでもない名作です。映画も有名ですが、この原作の方が数倍素晴らしい!
まさに冒険小説の金字塔です。
チャーチル誘拐のためにイギリスへドイツ空挺部隊が乗り込むという設定もさることながら
登場人物たちの個性が見事です。
クレタ島の戦いを含む百戦錬磨の降下猟兵の隊長に柏葉騎士十字章のシュタイナ中佐。
作戦計画者でストーリーテラーにアプヴェーアのラードル中佐。
そして、その筋のマニアには一番人気の北アイルランドの闘士デヴリン。
映画ではそれぞれマイケル・ケイン、ロバート・デュヴァル、
そして今や息子のほうが有名な?ドナルド・サザーランドが演じていますが
こちらもなかなか素晴らしい。ただ原作では皆もう少し若いですかね・・・。
ストーリーは有名なので割愛します。
ご存じない方はとりあえず読むことを強くお勧めします。
個人的にはユダヤ人少女を救ったことから懲罰部隊送りとなっているシュタイナ中佐に
ラードル中佐とデヴリンが会いに行くシーンが大好きです。
降下猟兵たちからゲシュタポと勘違いされ、挑戦的な態度を取られるラードル中佐がコート脱ぐと
そこには冬季東部戦線従軍章と首元には騎士十字章が・・。降下猟兵たちは目を真ん丸くして・・。
残念ながら映画にはこのシーンがありません。
まぁ、勲章の説明が必要ですからしょうがないですね・・。
他にも原作のみに登場するシュタイナ中佐の父、シュタイナ少将のゲシュタポによる拷問、
「SS-イギリス自由軍」のプレストン少尉とデヴリンの繰り広げる2人アイルランド紛争など
映画しかご覧になっていない方でも新鮮に、かつ深く楽しめること請け合いです。
続編として無理やり感ありありの「鷲は飛び立った」がありますが
まぁ、この話はやめておきましょう。
何はともあれ、「これを読まずに死ねるか!」的一冊です。
スターリングラード -運命の攻囲戦 1942~1943- [戦記]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
アントニー・ビーヴァー 著の「スターリングラード」を再度読破しました。
イギリス人の著者が1998年に発表したノンフィクションで
スターリングラードにおける攻防を独ソ双方から描いています。
ソ連崩壊後、新たに発表された資料を用いていることも大きな特徴で
このおそらく最も有名な包囲戦の最新の戦史と言えるでしょう。
内容はドイツ軍のロシア侵攻作戦である「バルバロッサ作戦」前夜から始まっているため、
第6軍が如何にスターリングラードで包囲されるに至ったかが、初心者でも理解できるでしょう。
ただ、1章のなかで独ソが頻繁に入れ替わるので、
ある程度の人名や部隊名を理解していないと混乱してしまうかもしれません。
しかし、大きな観点ではヒトラー対スターリンの意地の張り合いという構図、
軍レベルでは攻める第6軍司令官のパウルス将軍対スターリングラード防衛を任されたチュイコフ将軍、
そして両軍の名も無き一兵士が故郷に宛てた手紙まで、広く平等にカバーしています。
やがてジューコフの仕掛けた「ウラノス作戦」により、ドイツ軍が一転包囲されることとなる一方、
マンシュタインによる「冬の嵐作戦」が発動され、第6軍救出に向かいます。
この辺りではマンシュタインの副官であったシュタールベルク中尉も登場し、
叔父のトレスコウ少将とシュタウフェンベルク大佐が中心であった
ヒトラー暗殺を目論むグループとマンシュタインとの関係にメスを入れています。
著者のビーヴァーはヒトラーやゲーリング以外には客観的な見方をしているとは思いますが、
なぜかマンシュタインにはかなり批判的で、彼の回想録を引用しつつ「卑怯者」扱いしています。
ソ連側ではジュード・ロウが演じたことでも有名なスナイパー、ヴァシーリ・ザイツェフが登場。
ウラル山麓の出身なので、イギリス人ぽい顔じゃなくてゴメンナサイ・・・。
エド・ハリスが演じたケーニッヒ少佐との戦いについては、確証が無く、
ソ連のプロパガンダであった可能性を示唆しています。
今回読み直してみて、やはりパウルスとその参謀長であったシュミット将軍、
そして包囲当初からヒトラーの死守命令に異を唱えていた、
第51軍団長のフォン・ザイトリッツ・クルツバッハ大将など
包囲された第6軍内部の首脳(将軍たち)の団結と軋轢の様子を
個人的にはもう少し詳しく知りたい気がしました。
ここら辺りを詳細に書かれている書物をご存知の方がいらしたら、ぜひご教授ください。。
アントニー・ビーヴァー 著の「スターリングラード」を再度読破しました。
イギリス人の著者が1998年に発表したノンフィクションで
スターリングラードにおける攻防を独ソ双方から描いています。
ソ連崩壊後、新たに発表された資料を用いていることも大きな特徴で
このおそらく最も有名な包囲戦の最新の戦史と言えるでしょう。
内容はドイツ軍のロシア侵攻作戦である「バルバロッサ作戦」前夜から始まっているため、
第6軍が如何にスターリングラードで包囲されるに至ったかが、初心者でも理解できるでしょう。
ただ、1章のなかで独ソが頻繁に入れ替わるので、
ある程度の人名や部隊名を理解していないと混乱してしまうかもしれません。
しかし、大きな観点ではヒトラー対スターリンの意地の張り合いという構図、
軍レベルでは攻める第6軍司令官のパウルス将軍対スターリングラード防衛を任されたチュイコフ将軍、
そして両軍の名も無き一兵士が故郷に宛てた手紙まで、広く平等にカバーしています。
やがてジューコフの仕掛けた「ウラノス作戦」により、ドイツ軍が一転包囲されることとなる一方、
マンシュタインによる「冬の嵐作戦」が発動され、第6軍救出に向かいます。
この辺りではマンシュタインの副官であったシュタールベルク中尉も登場し、
叔父のトレスコウ少将とシュタウフェンベルク大佐が中心であった
ヒトラー暗殺を目論むグループとマンシュタインとの関係にメスを入れています。
著者のビーヴァーはヒトラーやゲーリング以外には客観的な見方をしているとは思いますが、
なぜかマンシュタインにはかなり批判的で、彼の回想録を引用しつつ「卑怯者」扱いしています。
ソ連側ではジュード・ロウが演じたことでも有名なスナイパー、ヴァシーリ・ザイツェフが登場。
ウラル山麓の出身なので、イギリス人ぽい顔じゃなくてゴメンナサイ・・・。
エド・ハリスが演じたケーニッヒ少佐との戦いについては、確証が無く、
ソ連のプロパガンダであった可能性を示唆しています。
今回読み直してみて、やはりパウルスとその参謀長であったシュミット将軍、
そして包囲当初からヒトラーの死守命令に異を唱えていた、
第51軍団長のフォン・ザイトリッツ・クルツバッハ大将など
包囲された第6軍内部の首脳(将軍たち)の団結と軋轢の様子を
個人的にはもう少し詳しく知りたい気がしました。
ここら辺りを詳細に書かれている書物をご存知の方がいらしたら、ぜひご教授ください。。