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ラスト・オブ・カンプフグルッペ [戦記]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

高橋慶史 著の「ラスト・オブ・カンプフグルッペ」を読破しました。

カンプフグルッペとは「戦闘団」のことですが、本来は戦線などの状況により
特別編成された部隊のことを指します。
しかし、ここで登場する(特に)ドイツ軍の戦闘団は、
師団として崩壊してしまったがための戦闘団であり、各連隊や大隊、中隊の生き残りの
寄せ集めという、大戦末期の戦闘団が主役です。
12章から成るこの本は他にも戦闘団ではないにしろ、ルーマニアやブルガリアという
日本では殆ど知られていない戦車師団などが紹介されており、非常に勉強になりました。

ラスト・オブ・カンプフグルッペ.JPG

そんな知られざる戦闘団のかなりマニアックな戦史といえますが、
グデーリアン先生に始まり、エーベルバッハやマントイフェル将軍
Dr.フランツ・ベーケ少佐伯爵シュトラハヴィッツ大隊長といった
有名な機甲戦のプロフェッショナル達も所々に登場します。

映画「遠すぎた橋」(原作では「遥かなる橋」)で有名なマーケット・ガーデン作戦における
ドイツ側の戦いも2章あり、あちらがお好きな方にも興味深いのではないでしょうか?
特に第9SS戦車師団「ホーエンシュタウフェン」の戦いでは、姉妹師団である
第10SS戦車師団「フルンツベルク」のハインツ・ハルメル師団長の存在が光ります。

Heinz Harmel.jpg

海軍歩兵師団の章では「パウケンシュラーク作戦」として、
U-123でアメリカ沿岸を荒らし回ったことで有名なUボート艦長である
ラインハルト・ハルデゲン少佐が「第6海軍擲弾兵連隊第1大隊長」という
凄い話も出てきました。
このパウケンシュラーク作戦を扱った「ドラムビート」も近々、読破予定です。

U-123 Hardegen.jpg

個人的に楽しめたのは、アメリカ軍の「血のバケツ」師団こと第28歩兵師団の戦いで、
ヒュルトゲンの森での戦闘でドイツ軍に血だらけにされ、
休養と再編成のために下がった地点が、アルデンヌ攻勢(バルジの戦い)の
ドイツ軍の突破地点であったという「ツキの無さ」が紹介されています。

この「血のバケツ師団」のヒュルトゲンの森での戦闘は、映画になっていたようで
「プライベート・ソルジャー」という訳のわからん邦題のDVDを買ってしまいました。。
でもタイトルから想像するよりは、ずっと面白い映画でしたね。




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