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ヒトラー最後の戦闘 [戦記]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

コーネリアス・ライアン著の「ヒトラー最後の戦闘」を読破しました。

有名な本です。
著者のライアンも「史上最大の作戦」と「遥かなる橋」で有名です。
1945年3月から第三帝国の崩壊までをベルリンの一般市民から
ヒトラーを中心としたドイツ軍、連合軍側もスターリンにはっぱをかけられる
ジューコフとコーネフのベルリンを目指した競争、チャーチルとモントゴメリーの英軍に
ルーズベルト、アイゼンハワー、パットンの米軍に至るまで、
空爆に苦しむベルリン市民の日常から激しい東西両戦線の攻防、
連合国の政治的駆け引きまでをダイナミックに描いています。

ヒトラー最後の戦闘.JPG

しかしなんといっても物語の中心はヒトラーに翻弄されるドイツ軍の将軍たちであり
それはSS全国指導者ヒムラーのヴァイクセル軍集団司令官の座を解任し、
防御戦の達人ハインリーチ上級大将(この本では元帥)を後任に据えるため呼び出した
グデーリアン陸軍参謀総長のヒトラーに対する怒り爆発から始まります。

Heinrici.JPG

一方、西の英米軍に対するエルベ川の戦線を守るため、
誰も知らない第12軍の司令官として若き将軍ヴェンクが任命されますが、
とても正規の一個軍とは呼べるような代物ではない有様。

Guderian&Wenck.jpg

陥落間近となったベルリンも防衛軍司令官に任命されたライマン中将が紛争しますが
ベルリンのガウライターを兼ねるゲッベルス宣伝大臣との摩擦によって解任され
ヴァイクセル軍集団隷下の第56装甲軍団長を務めていたヴァイトリンク大将が後任となります。

Hellmuth Reymann.jpg

そのヴァイクセル軍集団もジューコフ怒涛の攻撃をブッセ大将の第9軍が
ゼーロウ高地で凌ぐもののやがては包囲され、
師団を抽出されて弱体化したマントイフェル大将率いる第3装甲軍も撤退を余儀なくされます。

Hasso von Manteuffel.jpg

フェリックス・シュタイナーSS大将のシュタイナー軍集団も命令に反し、
むやみに動くことはせず、上官であるハインリーチとも口論となります。
このような絶望的な防衛戦のなかで
本書の主役であるハインリーチは総統司令部と対立し
カイテルやクレープスというヒトラーのイエスマン達とも戦い続けます。

Felix Steiner.jpg

邦題こそ「ヒトラー最後の戦闘」ですが、
「ハインリーチ最後の戦闘」とも言えるほどの格好良さです。
でもまぁ、それじゃ売れませんわな。。





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