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狐の足跡 -ロンメル将軍の実像- [ドイツ陸軍]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

ディヴィッド・アーヴィング著の「狐の足跡」を読破しました。

「ヒトラーの戦争」等でも賛否両論の評価を受けるアーヴィングのロンメル伝記です。
著者のアーヴィングはロンメルの夫人へ宛てた手紙や戦闘日誌を中心に
様々な文書と戦後の関係者へのインタビューからこの本を構成しています。

狐の足跡.JPG

上巻では生い立ちから第1次大戦での活躍によってプール・ル・メリット章を受章、
ヒトラーとの出会いとポーランド侵攻、そして北アフリカへと展開していきます。
貴族階級の出身でもなく、背が低いなど若い頃の帝国陸軍時代のコンプレックスは
元帥になっても変わらぬことのない、パワーの源であるようにさえ感じます。
北アフリカでは戦術をめぐり、部下の師団長との衝突/解任や
ソ連侵攻を知らさせていなかった等、一般的なイメージより人間としての
苦悩が良く表わされています。

Rommel&Kesselring.jpg

そして下巻ではあまり知られていないイタリア防衛の任(北イタリア司令官)に就きますが
北アフリカでの盟友、南方軍総司令官のケッセルリンクとは仲たがい気味になっていきます。
ツィタデレ作戦の陰でロンメルが何をしていたのか・・?初めて知りました。

その後、西方におけるB軍集団司令官として、上官である西部方面総司令官ルントシュテットとも
意見の食い違いを見せながらも連合軍上陸を阻止すべく、フランスの海岸を
溢れるアイディアとエネルギーによって、改造?していきます。
しかし、本国へ帰国している僅かなスキにDディを向かえ、すべては後手後手となり、
さらにはシュタウフェンベルクによる、ヒトラー暗殺未遂事件が発生します。
この時期、ロンメルの参謀長であったシュパイデル将軍がクーデターの一味だったことで、
ロンメルの運命は決まってしまいます。
特にこの下巻においてはヒトラー暗殺計画へのロンメルの関与があったのかどうかが
大きな焦点となっています。

Rundstedt&Rommel.jpg

ロンメルに否定的と言われている本書ですが、決してそのようなことはなく、
逆に「砂漠のキツネ」と呼ばれた超人的な英雄が、実は人間味溢れる叩き上げの軍人であり、
父親または夫であるという、当然の内容であると思います。





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