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ドキュメント ロンメル戦記 [ドイツ陸軍]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

リデル・ハートの「ロンメル戦記」を読破しました。

タイトルに「ドキュメント」とあるように、リデル・ハート「著」でなく
リデル・ハート「編」という一風変わった表現です。
これはロンメルの残した膨大な戦闘日誌と手紙をリデル・ハートが「編集」したものであり
ハート自身はあくまで、間違い等の訂正をするに留めていて、
強いて言えばロンメル「著」とも言えなくもありません。

ロンメル戦記.JPG

ロンメルは第1次大戦の経験から歩兵戦術の論文を発表し
(同じく歩兵出身のヒトラーからは高く評価されてたそうな・・)、
この第2次大戦においても本を著す予定であったことから、日々、戦闘記録を残し、
また、カメラ好きで有名なところもそのためであったようです。

1940年5月のフランス侵攻における第七戦車師団長としての記録から始まりますが、
その詳細な戦闘記録からは決して楽な戦いではなかったことが良くわかります。
そして当然大部分を占めるアフリカ戦線での記録は「砂漠のキツネ」や「狐の足跡」を
読んでいたにしても新鮮で生々しく、喜びと苦悩が伝わってきます。

Fritz_Bayerlein.jpg

戦闘記録の失われている期間は当時、アフリカ軍団参謀長を務めたバイエルライン将軍
当時の資料と記憶から補填しています。
しかし、これはこれでかなり面白く、特にロンメルが搭乗した鹵獲車両の通称「マンモス」が
英軍陣地に紛れ込んでしまい・・・という有名な逸話の続きがあり、
ロンメルがニュージーランド軍の野戦病院に入って行き、「なにか必要なものは?」と聞いた挙句
「イギリス軍の衛生材料を届けてやるから」と約束をして、なんら妨げられることなく立ち去った・・・
という信じられないような話が登場します。

Mammoth.jpg

他にも辛い退却戦の最中にスターリングラードで包囲されているパウルス将軍に対し
「彼のほうがよほど辛いだろう」と心配(対している敵軍の違い)する辺りはとても印象に残りました。

rommel0.jpg

度々「補給問題」を理解していないロンメルは「名将」ではないという意見も聞きますが、
この本を読むと決してそのような単純なことではないことがわかりました。
イタリア側から勲章を授与される度に「こんな勲章より、師団を送ってくれよ・・」等と愚痴っています。

この「ロンメル戦記」定価800円となっています。40年近く前の発刊とはいえ、安くないですか?
まぁ今なら文字の大きさから上下巻となって、やっぱり6000円位になるかも知れませんね。。



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