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Uボート [戦争映画の本]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

ロータル=ギュンター・ブーフハイム著の「Uボート」をやっと読破しました。

あの、映画「U・ボート」の原作です。
2年前に購入したものの、ノンフィクションのUボートものばかり読んでいたので
すっかり本棚でお休みになっていました。
いま、読了後にDVDでディレクターズ・カット版も久しぶりに見直したところです。

Uボート.JPG

この映画をはじめて観たのがいつだったかは憶えていませんが、
「ネバーエンディング・ストーリー」をロードショーで観た時に「コレがあの監督の映画?」
とビックリした記憶があるので、だいぶ昔になりますね・・。
それ以来、TVシリーズ版も含めて、何度となく観ては「脱力感に襲われる」という
大好きな映画です。
良い映画の要素にはサントラも大いに関連しますね。
この映画のテーマ曲も大好きです。



映画も長いですが、この原作もボリュームたっぷりです。
ストーリーやメインとなるエピソードにほとんど違いはありません。
その分、主人公の従軍記者の少尉が艦長や機関長との会話のなかで、
Uボートに関する詳細な情報が語られます。
主人公は艦橋の見張りにも就き、それが4時間交代で、重い双眼鏡を持つ手の辛さなど
映画ではわからない心境も語られます。

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また水兵たちの会話というか「猥談」の出てくる頻度は半端じゃありません。
映画でも後半、地中海への作戦命令がもたらされたシーンで
「ジブラルタル海峡は処女のように狭いんだぞ!」というやり取りが出てきますが、
数倍ドギツイ表現が随所に登場してきます。
特に魚雷を装填するときの「掛け声?」はあまりにバカバカしくて
思わず、ニヤリとしてしまいました。

das-boot9.jpg

登場人物の細かい違いとしては、映画では能力いま一つでたまに艦長に生意気なクチを聞く
操舵長が原作では非常に優秀だったり、ヒトラー・ユーゲントあがりの「先任」が
原作では徹底的な嫌われ者で、最後には中立国であるスペイン籍の船を
誤って撃沈しそうになり、顎をガクガクさせてしまったりと、まぁ、軽い悪役です。

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「幽霊」の仇名の機関兵曹長ヨハンは映画でも爆雷攻撃を受けている際に
「キレて」しまったことで非常に印象的ですが、
この「キレて」しまうのは別の機関兵だったりします。
登場人物が多いので、映画ではヨハンになるのは正しい選択でしょうね。
そう言えば、「キレて」しまったことを艦長に謝りに行くシーンでヨハンが着ていたのが
「ヴィットマン」のUボートジャケットと言われるものにソックリです。

dasboot1.jpg

この「幽霊」ヨハン。原作では前半に1度だけ艦橋に上がってくる場面があります。
このときの「次席」の機関員に対するあざけるようなコメントは最高です。
この本で一番お気に入りのシーンですね。

Willenbrock_u96.jpg

また勉強になったところでは、タンカーを撃沈したものの乗組員の救助が
命令により禁止されているという場面で、「撃墜した航空士は救助するべし」
との命令が一方であったということです。
これは「尋問で情報を引き出す」ための処置だそうですが、いままで読んだ
Uボートものには書かれていなかった話のように思います。

Heinrich_Lehmann-Willenbrock.jpg

最後に、この原作では艦名も艦長の名もわからないまま終わってしまいます。
しかし、著者のブーフハイムがこの当時、乗艦していたのが「U-96」であり
ときの艦長が柏葉騎士十字章を拝領する「ハインリヒ・レーマン・ヴィレンブロック」
であったというのは、ワリと知られた話のようですね。

Heinrich Lehmann-Willenbrock on the set with Jürgen Prochnow.jpg










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