ヒトラーの死を見とどけた男 -地下壕最後の生き残りの証言- [回想録]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
ローフス・ミッシュ著の「ヒトラーの死を見とどけた男」を読破しました。
5年間に渡り、ヒトラーの総統護衛部隊員として最後まで総統地下壕で任務についていた
SS隊員(ライプシュタンダルテ)の回想録です。
映画「ヒトラー 最後の12日間」について「所詮は映画であり大袈裟に描かれている」
と語るように、数少なくなった当事者としての責任からも当時を振り返っています。
とはいっても、そのヒトラー最後の数日はあくまで最後の章で語られる程度です。
それよりも個人的には前半のライプシュタンダルテへのなんとも呆気ない入隊の過程や
ポーランド侵攻作戦により重傷を負い、その後、モーンケ大尉(当時)の気遣いによって、
総統護衛部隊(後方部隊)へ配属となったいきさつ、
そしてヒトラーに初めて話しかけられるという「恐怖体験」の方が新鮮で楽しめました。
また開戦当時の総統官邸の様子やその警備体制などは、
この本以外ではなかなか知ることの出来ない貴重な情報だと思います。
普段のヒトラーの態度も「私はヒトラーの秘書だった」で書かれているように
非常に家庭の父親的なものであったとして、ちょっとした楽しいエピソードも書かれています。
興味深いところではスターリングラードで苦戦中のパウルス将軍がヒトラーに撤退を求めたところ、
2人の話し合いでは一度了解したものの、その後ゲーリングの「撤退は許さん」発言によって
ヒトラーもそちらに傾いていったと証言しています。
最近の「ヒトラーの素顔本」という意味では「ヒトラー・コード」という
もっとボリュームのある本がありますが、本書においては、それよりも
「総統護衛部隊」の生活と、その運命に翻弄される若者という見方で読むべきでしょう。
この観点で言えば倍のボリュームが欲しいくらいです。
ローフス・ミッシュ著の「ヒトラーの死を見とどけた男」を読破しました。
5年間に渡り、ヒトラーの総統護衛部隊員として最後まで総統地下壕で任務についていた
SS隊員(ライプシュタンダルテ)の回想録です。
映画「ヒトラー 最後の12日間」について「所詮は映画であり大袈裟に描かれている」
と語るように、数少なくなった当事者としての責任からも当時を振り返っています。
とはいっても、そのヒトラー最後の数日はあくまで最後の章で語られる程度です。
それよりも個人的には前半のライプシュタンダルテへのなんとも呆気ない入隊の過程や
ポーランド侵攻作戦により重傷を負い、その後、モーンケ大尉(当時)の気遣いによって、
総統護衛部隊(後方部隊)へ配属となったいきさつ、
そしてヒトラーに初めて話しかけられるという「恐怖体験」の方が新鮮で楽しめました。
また開戦当時の総統官邸の様子やその警備体制などは、
この本以外ではなかなか知ることの出来ない貴重な情報だと思います。
普段のヒトラーの態度も「私はヒトラーの秘書だった」で書かれているように
非常に家庭の父親的なものであったとして、ちょっとした楽しいエピソードも書かれています。
興味深いところではスターリングラードで苦戦中のパウルス将軍がヒトラーに撤退を求めたところ、
2人の話し合いでは一度了解したものの、その後ゲーリングの「撤退は許さん」発言によって
ヒトラーもそちらに傾いていったと証言しています。
最近の「ヒトラーの素顔本」という意味では「ヒトラー・コード」という
もっとボリュームのある本がありますが、本書においては、それよりも
「総統護衛部隊」の生活と、その運命に翻弄される若者という見方で読むべきでしょう。
この観点で言えば倍のボリュームが欲しいくらいです。
ドイツ海軍魂 -デーニッツ元帥自伝- [回想録]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
カール・デーニッツ著の「ドイツ海軍魂」を読破しました。
デーニッツといえばUボート、Uボートといえばデーニッツというほど
Uボート艦隊指令としてあまりにも有名なデーニッツ回想録の第一部です。
そんな訳でヴィトゲンシュタインも第一次大戦時代にデーニッツがUボート艦長であった
という程度のことしか知りませんでした。
この本では自身の生い立ちからじっくり振り返り、海軍への入隊~第一次大戦勃発時の
少尉での巡洋艦「ブレスラウ」の通信長、そしてUボート艦長としての戦闘記録は何か
とても貴重なものを読んでいるような気にさせられます。
ちなみに表紙の写真は1917年、U39における仕官(デーニッツ)による模範的な?見張りの図です。
敗戦後、捕虜生活から再び海軍に戻り、水雷艇艇長を経て、
巡洋艦「エムデン」の艦長となります。
その間にも北海海軍司令部の参謀長も務めるなど
いわゆるUボート一筋ではなかったことが良くわかりました。
また、ヒトラー政権以前が回想の舞台となっており
奥さんとの出会いや英語を磨くためのイギリス滞在のエピソード等
プライベートな話もあって、一個人の成長(青春)の記録的内容となっています。
しかしこの凄いタイトルの本ですが、もちろん廃刊なので古書価格も凄くなっています。
続く後半の第二部は「10年と20日間」に収められています。
まだ未読ですが、近々じっくり読破する予定です。とても楽しみです。
カール・デーニッツ著の「ドイツ海軍魂」を読破しました。
デーニッツといえばUボート、Uボートといえばデーニッツというほど
Uボート艦隊指令としてあまりにも有名なデーニッツ回想録の第一部です。
そんな訳でヴィトゲンシュタインも第一次大戦時代にデーニッツがUボート艦長であった
という程度のことしか知りませんでした。
この本では自身の生い立ちからじっくり振り返り、海軍への入隊~第一次大戦勃発時の
少尉での巡洋艦「ブレスラウ」の通信長、そしてUボート艦長としての戦闘記録は何か
とても貴重なものを読んでいるような気にさせられます。
ちなみに表紙の写真は1917年、U39における仕官(デーニッツ)による模範的な?見張りの図です。
敗戦後、捕虜生活から再び海軍に戻り、水雷艇艇長を経て、
巡洋艦「エムデン」の艦長となります。
その間にも北海海軍司令部の参謀長も務めるなど
いわゆるUボート一筋ではなかったことが良くわかりました。
また、ヒトラー政権以前が回想の舞台となっており
奥さんとの出会いや英語を磨くためのイギリス滞在のエピソード等
プライベートな話もあって、一個人の成長(青春)の記録的内容となっています。
しかしこの凄いタイトルの本ですが、もちろん廃刊なので古書価格も凄くなっています。
続く後半の第二部は「10年と20日間」に収められています。
まだ未読ですが、近々じっくり読破する予定です。とても楽しみです。
失われた勝利 [回想録]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
エリッヒ・フォン・マンシュタイン著の「失われた勝利」をついに読破しました。
一年半ほど前に8000円で購入(1980年の発売当時で定価6500円!)しましたが、
このびっちりで600頁オーバーの大著をじっくりと読む時間がなかなか取れずにいました。
内容は1939年のポーランド戦争に始まり、
1944年の東部戦線南方軍集団司令官解任までに
限定した「一軍人の著述」となっています。
あまりにも有名なフランス侵攻計画立案の経緯からバルバロッサ作戦、
クリミヤのセヴァストポリ要塞攻略、スターリングラードの第6軍救出作戦、
ハリコフの戦いにクルスクの大戦車戦、さらにはチェルカッシィ包囲突破戦と
いわくつきの戦役/会戦がこれでもか!と目白押しです。
これらの作戦を指揮または、携わっていたということに
改めてマンシュタインが「知将」、「最高の戦術家」と云われる所以であると認識しました。
各章がメインディッシュ並のボリュームと豪華さで(マンシュタイン曰く「概要に留める」)、
すぐにお腹いっぱいになってしまい一気読みなど、とても出来ません。
個人的には詳細な本が出版されていないため、以前から知りたいと思っていた
「セヴァストポリ要塞攻略」が大変満足いくものでした。
砲身長30メートルに及ぶ「列車砲ドーラ」に対するマンシュタインの意見など
非常に興味深いものでした。
A軍集団参謀長時代の回想では司令官であるルントシュテット元帥との
楽しいエピソードもあり、また自身の副官、運転手、息子の死については、
あえて読者に断りを入れてから哀悼の意を述べています。
さらには、この回想録のもうひとつの重要なテーマである、
ヒトラーとの確執については後半になるにしたがって頻繁に登場します。
というより、南方軍集団司令官となってからは、ソ連軍に対する軍集団の指揮より
対ヒトラー戦に心血を注いでるかのようです。
とにかく有名な本で高価、かつ手に入りづらいですが、一読の価値があります。
1999年に「失われた勝利―マンシュタイン回想録<上・下>」として再刊されています。
でも、これも高いんですよね~。
エリッヒ・フォン・マンシュタイン著の「失われた勝利」をついに読破しました。
一年半ほど前に8000円で購入(1980年の発売当時で定価6500円!)しましたが、
このびっちりで600頁オーバーの大著をじっくりと読む時間がなかなか取れずにいました。
内容は1939年のポーランド戦争に始まり、
1944年の東部戦線南方軍集団司令官解任までに
限定した「一軍人の著述」となっています。
あまりにも有名なフランス侵攻計画立案の経緯からバルバロッサ作戦、
クリミヤのセヴァストポリ要塞攻略、スターリングラードの第6軍救出作戦、
ハリコフの戦いにクルスクの大戦車戦、さらにはチェルカッシィ包囲突破戦と
いわくつきの戦役/会戦がこれでもか!と目白押しです。
これらの作戦を指揮または、携わっていたということに
改めてマンシュタインが「知将」、「最高の戦術家」と云われる所以であると認識しました。
各章がメインディッシュ並のボリュームと豪華さで(マンシュタイン曰く「概要に留める」)、
すぐにお腹いっぱいになってしまい一気読みなど、とても出来ません。
個人的には詳細な本が出版されていないため、以前から知りたいと思っていた
「セヴァストポリ要塞攻略」が大変満足いくものでした。
砲身長30メートルに及ぶ「列車砲ドーラ」に対するマンシュタインの意見など
非常に興味深いものでした。
A軍集団参謀長時代の回想では司令官であるルントシュテット元帥との
楽しいエピソードもあり、また自身の副官、運転手、息子の死については、
あえて読者に断りを入れてから哀悼の意を述べています。
さらには、この回想録のもうひとつの重要なテーマである、
ヒトラーとの確執については後半になるにしたがって頻繁に登場します。
というより、南方軍集団司令官となってからは、ソ連軍に対する軍集団の指揮より
対ヒトラー戦に心血を注いでるかのようです。
とにかく有名な本で高価、かつ手に入りづらいですが、一読の価値があります。
1999年に「失われた勝利―マンシュタイン回想録<上・下>」として再刊されています。
でも、これも高いんですよね~。
回想の第三帝国 [回想録]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
アレクサンダー・シュタールベルク 著の「回想の第三帝国」を読破しました。
無名の陸軍中尉の回想録です。しかも上下巻の大作。
上巻はまず、この中尉の幼少の頃からの生い立ちです。御坊っちゃんです。
バイオリンを嗜み、パーペン元首相とも仲良しです。
そしてナチ嫌いから国防軍へ入隊します。
(兵士はナチ党への入党が免除されていた)
騎兵から始まり、参謀畑をウロウロする話に終始しますが、
ここはグッと堪えて読み進めましょう。
なんと、あのトレスコウ少将(最近、公開された「ワルキューレ」のケネス・ブラナー)が
叔父さんという展開です。
そしてマンシュタイン元帥付き補佐となって下巻へ続く。。。
そして下巻は一気にヒートアップしていきます。
なんといってもスターリングラード後のマンシュタインにベッタリくっついてます。
ヒトラーとマンシュタインのやり取りは全てを生々しく網羅。
特に夜中に2人で寝転がりながらヒトラーを電話で説得する話は最高です。
ヒトラーのマンシュタイン解任後も補佐を勤めます。
これにより、終戦までのマンシュタインが何を考え、
何をしていたのかが客観的に披露されています。
「失われた勝利」と併せて読んだらどうなることやら?
また、トレスコウ叔父さんとは当然、ヒトラー暗殺計画でガッチリ絡んでおり、
これも主題のひとつです。
「反ヒトラー派将校の証言1932-1945」という副題に偽りなし。
ほとんどの関係者が処刑ないし、自殺を遂げており、重要な証言となっています。
この本はすでに廃刊となっていますが、古書で購入可能です。
しかし、下巻は異様な高値となっています。。。
ヴィトゲンシュタインは神保町の古書店で上下巻セット3000円で購入できました。
アレクサンダー・シュタールベルク 著の「回想の第三帝国」を読破しました。
無名の陸軍中尉の回想録です。しかも上下巻の大作。
上巻はまず、この中尉の幼少の頃からの生い立ちです。御坊っちゃんです。
バイオリンを嗜み、パーペン元首相とも仲良しです。
そしてナチ嫌いから国防軍へ入隊します。
(兵士はナチ党への入党が免除されていた)
騎兵から始まり、参謀畑をウロウロする話に終始しますが、
ここはグッと堪えて読み進めましょう。
なんと、あのトレスコウ少将(最近、公開された「ワルキューレ」のケネス・ブラナー)が
叔父さんという展開です。
そしてマンシュタイン元帥付き補佐となって下巻へ続く。。。
そして下巻は一気にヒートアップしていきます。
なんといってもスターリングラード後のマンシュタインにベッタリくっついてます。
ヒトラーとマンシュタインのやり取りは全てを生々しく網羅。
特に夜中に2人で寝転がりながらヒトラーを電話で説得する話は最高です。
ヒトラーのマンシュタイン解任後も補佐を勤めます。
これにより、終戦までのマンシュタインが何を考え、
何をしていたのかが客観的に披露されています。
「失われた勝利」と併せて読んだらどうなることやら?
また、トレスコウ叔父さんとは当然、ヒトラー暗殺計画でガッチリ絡んでおり、
これも主題のひとつです。
「反ヒトラー派将校の証言1932-1945」という副題に偽りなし。
ほとんどの関係者が処刑ないし、自殺を遂げており、重要な証言となっています。
この本はすでに廃刊となっていますが、古書で購入可能です。
しかし、下巻は異様な高値となっています。。。
ヴィトゲンシュタインは神保町の古書店で上下巻セット3000円で購入できました。