詳解 武装SS興亡史 -ヒトラーのエリート護衛部隊の実像- [武装SS]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
ジョージ・H・スティン著の「武装SS興亡史」を読破しました。
「武装SSに関する学術研究書」とされる一冊で、著者のはしがきでは
「本書を読むにあたっては、ナチの体制の基本的性格とヨーロッパにおける
戦争の概要を熟知しておいて頂きたい」と前置きされています。
個人的には、更に武装SS-38個の師団名のうち、
半分は知っている程度の知識があれば、より楽しめると思います。
武装SSの創設からを時系列に、そしてここがこの本の素晴らしい所ですが、
系統立てて解説しており、武装SS=エリート部隊という短絡的なものではなく
例えば当初はゼップ・ディートリッヒ率いる「ライプシュタンダルテ」のみがエリートであり、
いわゆる特務部隊の「ドイチュラント」、「ゲルマニア」、「デア・フューラー」の各連隊、
そして髑髏部隊(トーテンコップ)はそれぞれ入隊基準が違い、
その装備面からも、部隊ごとにエリート部隊であるか否かを明確にしています。
それらの基準は武装SSの拡大とともに変化してゆき、外国人義勇兵部隊が
増設されるにつれ、まずは「本国ドイツ人」中心の師団かどうかが
エリート師団の基準となっていきます。
もともとヒトラー個人の警護部隊として創立されたこともあり、
ヒトラー自身は武装SSの拡大には消極的(少数精鋭のエリートのイメージや
国防軍との対立回避)だったようですが、
SS全国指導者ヒムラーにとってはSSの地位拡大向上の観点からも、
なんとかヒトラーを騙し騙し、新たな部隊の創設を認めさせていきます。
そしてある意味、本書の主役である親衛隊本部長で新隊員の募集と
徴兵の責任者であるゴットロープ・ベルガーSS大将の人材確保術が功を奏し、
外国人義勇兵の獲得へと発展していきます。
それは「武装SSの発展はヒムラーよりベルガーに負うところが大きい」とされているほどです。
特にロマンチックなほどにゲルマン民族やアーリア人種に拘っていたヒムラーですから
ベルガーから提出された東欧人からなる部隊創設案も当初は拒んでいたそうで、
しかし、結局はイスラム教徒主体の第13SS武装山岳師団「ハントシャール」など
アーリア人によるエリート部隊から、なんでもありの武装SSという最終形を迎えます。
ちなみに、このベルガーの手腕によって創設された第12SS師団「ヒトラー・ユーゲント」ですが、
よりによってベルガーは自分を師団長にと、ヒムラーに直訴したそうです。
第2のゼップ・ディートリッヒを狙ったそうですが、あえなくヒムラーに却下されたとな・・。
マイナーな部隊についても驚くほど詳細で、悪名高いディルレヴァンガーやカミンスキー旅団、
捕虜からなるSSイギリス自由軍(「鷲は舞い降りた」のプレストン少尉ですね)
まで書かれています。
最後には武装SSには必ずつきものの、犯罪行為とその責任について言及し
戦犯として裁かれたクルト・マイヤーとヨッヘン・パイパーなどを取り上げています。
強制収容所の髑髏部隊や特別行動隊(アインザッツグルッペン)と武装SSの関係も掘り下げ、
また、パウル・ハウサーSS上級大将やフェリックス・シュタイナーSS大将の回想録も
参考文献として抜粋されています(読んでみたい!)。
素晴らしい本で「武装SSの研究者が必ず目を通す、古典的名著」は過言ではありません。
ジョージ・H・スティン著の「武装SS興亡史」を読破しました。
「武装SSに関する学術研究書」とされる一冊で、著者のはしがきでは
「本書を読むにあたっては、ナチの体制の基本的性格とヨーロッパにおける
戦争の概要を熟知しておいて頂きたい」と前置きされています。
個人的には、更に武装SS-38個の師団名のうち、
半分は知っている程度の知識があれば、より楽しめると思います。
武装SSの創設からを時系列に、そしてここがこの本の素晴らしい所ですが、
系統立てて解説しており、武装SS=エリート部隊という短絡的なものではなく
例えば当初はゼップ・ディートリッヒ率いる「ライプシュタンダルテ」のみがエリートであり、
いわゆる特務部隊の「ドイチュラント」、「ゲルマニア」、「デア・フューラー」の各連隊、
そして髑髏部隊(トーテンコップ)はそれぞれ入隊基準が違い、
その装備面からも、部隊ごとにエリート部隊であるか否かを明確にしています。
それらの基準は武装SSの拡大とともに変化してゆき、外国人義勇兵部隊が
増設されるにつれ、まずは「本国ドイツ人」中心の師団かどうかが
エリート師団の基準となっていきます。
もともとヒトラー個人の警護部隊として創立されたこともあり、
ヒトラー自身は武装SSの拡大には消極的(少数精鋭のエリートのイメージや
国防軍との対立回避)だったようですが、
SS全国指導者ヒムラーにとってはSSの地位拡大向上の観点からも、
なんとかヒトラーを騙し騙し、新たな部隊の創設を認めさせていきます。
そしてある意味、本書の主役である親衛隊本部長で新隊員の募集と
徴兵の責任者であるゴットロープ・ベルガーSS大将の人材確保術が功を奏し、
外国人義勇兵の獲得へと発展していきます。
それは「武装SSの発展はヒムラーよりベルガーに負うところが大きい」とされているほどです。
特にロマンチックなほどにゲルマン民族やアーリア人種に拘っていたヒムラーですから
ベルガーから提出された東欧人からなる部隊創設案も当初は拒んでいたそうで、
しかし、結局はイスラム教徒主体の第13SS武装山岳師団「ハントシャール」など
アーリア人によるエリート部隊から、なんでもありの武装SSという最終形を迎えます。
ちなみに、このベルガーの手腕によって創設された第12SS師団「ヒトラー・ユーゲント」ですが、
よりによってベルガーは自分を師団長にと、ヒムラーに直訴したそうです。
第2のゼップ・ディートリッヒを狙ったそうですが、あえなくヒムラーに却下されたとな・・。
マイナーな部隊についても驚くほど詳細で、悪名高いディルレヴァンガーやカミンスキー旅団、
捕虜からなるSSイギリス自由軍(「鷲は舞い降りた」のプレストン少尉ですね)
まで書かれています。
最後には武装SSには必ずつきものの、犯罪行為とその責任について言及し
戦犯として裁かれたクルト・マイヤーとヨッヘン・パイパーなどを取り上げています。
強制収容所の髑髏部隊や特別行動隊(アインザッツグルッペン)と武装SSの関係も掘り下げ、
また、パウル・ハウサーSS上級大将やフェリックス・シュタイナーSS大将の回想録も
参考文献として抜粋されています(読んでみたい!)。
素晴らしい本で「武装SSの研究者が必ず目を通す、古典的名著」は過言ではありません。
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