Uボート戦士列伝 -激戦を生き抜いた21人の証言- [Uボート]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
メラニー・ウィギンズ著の「Uボート戦士列伝」を読破しました。
Uボート乗組員の戦記といえば、クレッチマーの「U99」やヴェルナーの「鉄の棺」等に
代表されるように、艦長を中心としたものというのがほとんどですが
本作は1990年代まで存命していたUボート乗組員にインタビューを行い、
当時の日記や資料などをもとに構成した21篇から成る戦記です。
開戦当初、撃沈した小さな貨物船に乗っていたブタがこちらに泳いで来ると、
幸運を呼ぶ動物ということから名前をつけて、住み着いた機関室で
哨戒中、王子様のように大切に扱った・・など
(もっともその前の2頭は食べてしまったとのことですが・・)
小さな逸話がふんだんです。
終戦後はほとんどの「Uボート戦士」が捕虜となったため、
収容所での生活の話も多く、長く収容所に収監されていた
有名なクレッチマー救出におけるUボート作戦の様子も書かれています。
また、一般にUボート物では、洋上での艦長同士の交流は
和気藹々の友好的なものと決まっていますが、
宝剣付き柏葉騎士十字章拝領者であるヴォルフガンク・リュートと
人気のない艦長とのいざこざも恐らくこの本以外では知りえないことでしょう。
日本人にとっては、日本の潜水艦との交流も非常に珍しく興味深い内容です。
ただ、1篇あたりにもう少しボリュームが欲しいということも否めません。
メラニー・ウィギンズ著の「Uボート戦士列伝」を読破しました。
Uボート乗組員の戦記といえば、クレッチマーの「U99」やヴェルナーの「鉄の棺」等に
代表されるように、艦長を中心としたものというのがほとんどですが
本作は1990年代まで存命していたUボート乗組員にインタビューを行い、
当時の日記や資料などをもとに構成した21篇から成る戦記です。
開戦当初、撃沈した小さな貨物船に乗っていたブタがこちらに泳いで来ると、
幸運を呼ぶ動物ということから名前をつけて、住み着いた機関室で
哨戒中、王子様のように大切に扱った・・など
(もっともその前の2頭は食べてしまったとのことですが・・)
小さな逸話がふんだんです。
終戦後はほとんどの「Uボート戦士」が捕虜となったため、
収容所での生活の話も多く、長く収容所に収監されていた
有名なクレッチマー救出におけるUボート作戦の様子も書かれています。
また、一般にUボート物では、洋上での艦長同士の交流は
和気藹々の友好的なものと決まっていますが、
宝剣付き柏葉騎士十字章拝領者であるヴォルフガンク・リュートと
人気のない艦長とのいざこざも恐らくこの本以外では知りえないことでしょう。
日本人にとっては、日本の潜水艦との交流も非常に珍しく興味深い内容です。
ただ、1篇あたりにもう少しボリュームが欲しいということも否めません。
大西洋の脅威U99 -トップエース クレッチマー艦長の戦い- [Uボート]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
テレンス・ロバートソンの「大西洋の脅威U99」を再度、読破しました。
第2次大戦中、全海軍における最高の撃沈トン数を誇る大エース、サイレンス・オットーこと
オットー・クレッチマーの戦いの記録です。
興味深いのは、当時ウィンストン・チャーチルをして「Uボートは卑劣な悪漢」と言わしめた
そのUボートの最高のエース、即ち「卑劣極まる大悪漢」であるクレッチマーの物語を
終戦からたった10年後にその敵国が発表したということです。
訓練生時代には、後に戦艦ロイヤルオーク撃沈して一躍名をはせるギュンター・プリーンや
同じくエースとなったヨアヒム・シェプケがおり、個性もまちまちな彼らは仲間として、
時にはライバルとして開戦初期に大きな戦果を挙げていきます。
特にクレッチマーは夜の闇に紛れて、浮上したまま船団内に突入し、
「一雷一隻」という文字通りの独自の戦術を編み出したことで、Uボート戦術に革命を起こし
(クレッチマー行進曲まで出来る始末)、Uボート指令デーニッツにも高く評価され、
司令部任務を打診されますが、彼は断り続けます。
やがて1941年3月の運命の哨戒において、U47のプリーンとU100のシェプケが撃沈されますが、
U99のクレッチマーはなんとか生き延び、英国の捕虜となります。
特にシェプケの戦死は壮絶で、何度読んでも胸が痛くなります。。
後半は捕虜収容所での生活が描かれますが、なにか映画「大脱走」のドイツ版という雰囲気です。
Uボート戦記としては入門編とも言えるもので、この道を志す人は必ず一読すべきでしょう。
テレンス・ロバートソンの「大西洋の脅威U99」を再度、読破しました。
第2次大戦中、全海軍における最高の撃沈トン数を誇る大エース、サイレンス・オットーこと
オットー・クレッチマーの戦いの記録です。
興味深いのは、当時ウィンストン・チャーチルをして「Uボートは卑劣な悪漢」と言わしめた
そのUボートの最高のエース、即ち「卑劣極まる大悪漢」であるクレッチマーの物語を
終戦からたった10年後にその敵国が発表したということです。
訓練生時代には、後に戦艦ロイヤルオーク撃沈して一躍名をはせるギュンター・プリーンや
同じくエースとなったヨアヒム・シェプケがおり、個性もまちまちな彼らは仲間として、
時にはライバルとして開戦初期に大きな戦果を挙げていきます。
特にクレッチマーは夜の闇に紛れて、浮上したまま船団内に突入し、
「一雷一隻」という文字通りの独自の戦術を編み出したことで、Uボート戦術に革命を起こし
(クレッチマー行進曲まで出来る始末)、Uボート指令デーニッツにも高く評価され、
司令部任務を打診されますが、彼は断り続けます。
やがて1941年3月の運命の哨戒において、U47のプリーンとU100のシェプケが撃沈されますが、
U99のクレッチマーはなんとか生き延び、英国の捕虜となります。
特にシェプケの戦死は壮絶で、何度読んでも胸が痛くなります。。
後半は捕虜収容所での生活が描かれますが、なにか映画「大脱走」のドイツ版という雰囲気です。
Uボート戦記としては入門編とも言えるもので、この道を志す人は必ず一読すべきでしょう。
鉄の棺 ―U-Boot死闘の記録― [Uボート]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
ヘルベルト・ヴェルナー著の「鉄の棺」を読破しました。
Uボート艦長の回想録というのはあまり多くはありません。
撃沈されたUボートの数、損害率は凄まじく、生き残った人が少ないからでもあるようです。
この本の著者ヴェルナーはUボート・エースとして名を馳せた有名艦長ではないですが、
一般的なUボートものとは一味違う感覚で、Uボート戦を再現しています。
1940年海軍学校を卒業し、Uボートへ見習い将校として勤務に着きます。
当時はUボート全盛の時であり、前半では次席将校、先任将校(副官)として
貨物船をガンガン沈めていきます。
しかし伝説化した大エースのクレッチマーが撃沈されたというニュースが
新人の彼らの動揺を誘うように、アメリカの参戦、連合軍のレーダー、制空権、
船団方式の強化等により立場はあっという間に逆転してしまい、
多数のUボートが本のタイトルの如く「鉄の棺」と化していきます。
その対駆逐艦との攻防も凄まじく、
名作映画「Uボート」を思い出しながら読める人にはさらに恐ろしい。。
実はこの人、なかなか艦長にはならなくて、
後半でやっとこさ旧式のUボート「U953」の艦長になる次第です。
しかし時は連合軍のノルマンディ上陸も近く、Uボート艦隊は全滅の危機的状況であり、
体当りでの玉砕命令まで出される始末。
ベテランのUボート乗りが激減していく一方、
必然的に若く経験不足の将校でも艦長とならざるを得ませんでした。
ストーリーは①哨戒任務、②帰港してパーティ、③港みなとに女との出会い、
という繰り返しパターンですが、あれだけロマンスがあるのはさすが海の男と言えるでしょう
(勿論、いつ戦死するかもという状況も大きいですが・・)。
一応、正式な恋人もいるのですが、土地土地でとっかえひっかえやってるので、
本土空襲のニュースで女性を心配するシーンがあっても
どこの誰を心配しているのかが良くわかりません。
まぁ、わざわざページを戻って再確認する必要までは無いと思いますが・・。
また、司令官デーニッツに対する想いも一般的に言われるUボート乗りとは
微妙に温度差があるように思えます。
これは、デーニッツがUボート艦隊指令から海軍総指令、
最後はヒトラーの後継者へとUボートから離れていったことと比例していくようです。
特筆すべきは終戦後が語られるエピローグの数ページです。
捕虜となった収容所からの脱走、裏切り、逮捕、フランス外人部隊への強制入隊、再び脱走・・と
ヘタすればこれだけでも一冊書けるだけの冒険紀行です。
ヴィトゲンシュタインのは旧版のフジ出版社ですが、中央公論新社から現在、再刊されています。
ヘルベルト・ヴェルナー著の「鉄の棺」を読破しました。
Uボート艦長の回想録というのはあまり多くはありません。
撃沈されたUボートの数、損害率は凄まじく、生き残った人が少ないからでもあるようです。
この本の著者ヴェルナーはUボート・エースとして名を馳せた有名艦長ではないですが、
一般的なUボートものとは一味違う感覚で、Uボート戦を再現しています。
1940年海軍学校を卒業し、Uボートへ見習い将校として勤務に着きます。
当時はUボート全盛の時であり、前半では次席将校、先任将校(副官)として
貨物船をガンガン沈めていきます。
しかし伝説化した大エースのクレッチマーが撃沈されたというニュースが
新人の彼らの動揺を誘うように、アメリカの参戦、連合軍のレーダー、制空権、
船団方式の強化等により立場はあっという間に逆転してしまい、
多数のUボートが本のタイトルの如く「鉄の棺」と化していきます。
その対駆逐艦との攻防も凄まじく、
名作映画「Uボート」を思い出しながら読める人にはさらに恐ろしい。。
実はこの人、なかなか艦長にはならなくて、
後半でやっとこさ旧式のUボート「U953」の艦長になる次第です。
しかし時は連合軍のノルマンディ上陸も近く、Uボート艦隊は全滅の危機的状況であり、
体当りでの玉砕命令まで出される始末。
ベテランのUボート乗りが激減していく一方、
必然的に若く経験不足の将校でも艦長とならざるを得ませんでした。
ストーリーは①哨戒任務、②帰港してパーティ、③港みなとに女との出会い、
という繰り返しパターンですが、あれだけロマンスがあるのはさすが海の男と言えるでしょう
(勿論、いつ戦死するかもという状況も大きいですが・・)。
一応、正式な恋人もいるのですが、土地土地でとっかえひっかえやってるので、
本土空襲のニュースで女性を心配するシーンがあっても
どこの誰を心配しているのかが良くわかりません。
まぁ、わざわざページを戻って再確認する必要までは無いと思いますが・・。
また、司令官デーニッツに対する想いも一般的に言われるUボート乗りとは
微妙に温度差があるように思えます。
これは、デーニッツがUボート艦隊指令から海軍総指令、
最後はヒトラーの後継者へとUボートから離れていったことと比例していくようです。
特筆すべきは終戦後が語られるエピローグの数ページです。
捕虜となった収容所からの脱走、裏切り、逮捕、フランス外人部隊への強制入隊、再び脱走・・と
ヘタすればこれだけでも一冊書けるだけの冒険紀行です。
ヴィトゲンシュタインのは旧版のフジ出版社ですが、中央公論新社から現在、再刊されています。
Uボート、出撃せよ [Uボート]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
アレクサンドル・コルガノフ著の「Uボート、出撃せよ」を再度、読破しました。
初の騎士十字章受章者である、ギュンター・プリーン大尉の有名なU-47のスカパフロー潜入、
そして英国戦艦ロイヤルオークを撃沈の物語です。
デーニッツUボート指令より、作戦の検討を命ぜられ、プリーン自らが決断し、
出撃するところから話は始まります。
狭い水道に特殊な潮の流れ、さらに半分沈んだ船舶がスカパフローへの進入を妨げます。
そして、見事ロイヤルオークを撃沈するも、帰港においても英国駆逐艦との攻防、
突然の機雷原の遭遇と決死の航行となります。
翻訳がかなりクダケていて、先任から機関長、水兵にいたるまで
バイエルン弁まるだしでの会話がまるで、冒険映画を観ているように感じます。
特にラスト、母港まで先導するべき哨戒艇を逆にU-47が先導することとなるシーンや
有名な牡牛のペイントのシーンでは思わず大笑いしてしまいます。
U-47とプリーンはその後1941年に撃沈されてしまいますが、
この本ではスカパフローにおける爽快な物語に閉じているため、
古い戦争映画を観たような気分になります。
と思っていたら、やっぱりありました!1958年の西ドイツ映画「U47出撃せよ」です。
内容はほぼ一緒で、現在でもDVDで購入可能ですよ。
なお、この本のほうは既に廃刊のようです。
また以前は「U47、スカパ・フローへ突入せよ」のタイトルでした。
アレクサンドル・コルガノフ著の「Uボート、出撃せよ」を再度、読破しました。
初の騎士十字章受章者である、ギュンター・プリーン大尉の有名なU-47のスカパフロー潜入、
そして英国戦艦ロイヤルオークを撃沈の物語です。
デーニッツUボート指令より、作戦の検討を命ぜられ、プリーン自らが決断し、
出撃するところから話は始まります。
狭い水道に特殊な潮の流れ、さらに半分沈んだ船舶がスカパフローへの進入を妨げます。
そして、見事ロイヤルオークを撃沈するも、帰港においても英国駆逐艦との攻防、
突然の機雷原の遭遇と決死の航行となります。
翻訳がかなりクダケていて、先任から機関長、水兵にいたるまで
バイエルン弁まるだしでの会話がまるで、冒険映画を観ているように感じます。
特にラスト、母港まで先導するべき哨戒艇を逆にU-47が先導することとなるシーンや
有名な牡牛のペイントのシーンでは思わず大笑いしてしまいます。
U-47とプリーンはその後1941年に撃沈されてしまいますが、
この本ではスカパフローにおける爽快な物語に閉じているため、
古い戦争映画を観たような気分になります。
と思っていたら、やっぱりありました!1958年の西ドイツ映画「U47出撃せよ」です。
内容はほぼ一緒で、現在でもDVDで購入可能ですよ。
なお、この本のほうは既に廃刊のようです。
また以前は「U47、スカパ・フローへ突入せよ」のタイトルでした。