続ラスト・オブ・カンプフグルッペ [戦記]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
高橋慶史 著の「続ラスト・オブ・カンプフグルッペ」を読破しました。
前作「ラスト・オブ・カンプフグルッペ」もなかなか楽しく勉強できた一冊でしたが、
この続編も負けず劣らずマニアックな戦闘団が盛り沢山です。
あの前作では東ヨーロッパ諸国の戦車部隊やアメリカ軍が登場しましたが、
本書は完全なドイツ戦闘団に特化してしているのが大きな違いですかね。
まずは「第1スキー猟兵師団」という、いきなりマニアックな部隊からです。
ドイツ軍最初のスキー猟兵大隊は1941年暮れ、モスクワ前面で行き詰っている際に、
クルーゲ元帥の発案で編成されたそうです。
確かに、当時「バルバロッサ作戦」は電撃戦によって冬までにはソ連を降伏させる・・
という大本営の希望もあって、冬季戦の装備は何もなしということでしたね。
そして戦局が長引くにしたがって、連隊から旅団、師団と拡大していきますが、
冬季戦のスペシャリストである彼らが本来行うべき夏季訓練は行われることなく、
補充兵として夏の各戦線にばら撒かれ、冬を迎える頃にはただの消耗した歩兵部隊に
成り下がってしまったという、実に笑えない部隊です。
その編成当初の戦闘記録には凄い部隊が登場します。
なんと「パラシュートを使わない」ソ連軍降下兵1000名で、10mの低空から
積雪のなかへ降下ならぬ「落下」をするという前代未聞の作戦で、
案の定、足を骨折する者など負傷者を多数出し、見事、失敗に終わったそうです。
ケーニッヒスティーガーなどの重戦車大隊と協同作戦を行った、
騎兵旅団の章では、さすがに将校たちの名前は強烈です。
フライヘア、バロン、グラーフ、プリンツ・ツーといった貴族出身がひしめいています。
「第210突撃砲旅団」の章では、あのスコルツェニーSS中佐の
「シュヴェット要塞」の戦闘の様子が詳細に解説されています。
本書は他にも「SS第35警察擲弾兵師団」の章でも
ディルレヴァンガーが主役級の扱いで出てきたり、
「SS第32義勇兵擲弾兵師団 1月30日」の章でも
(ちなみに「1月30日」はドイツ語で「ドライツィヒテ・ヤヌアー」と発音するようです)
ロシア解放軍のウラソフ将軍が登場したりと、
主役の部隊を知らなくても楽しめる内容となっています。
これは、これらの弱小マイナー部隊がけっして単独で戦っている訳ではないことに
起因していることもあるので、違和感はありません。
特に重傷を負ったディルレヴァンガーSS少将に代わり司令官を務めた
シュメンデスSS少将という人物の経歴は凄いものです。
もともと保安警察出身で「第4SS警察装甲擲弾兵師団」の師団長であった彼は、
「反撃すべし」という総統命令を拒否したことから、ヒムラーによって解任された挙句、
懲罰として「囚人部隊」である、この「ディルレヴァンガー旅団」に送還されていたそうです。
その警官あがりのシュメンデスが雑多な囚人部隊を率いて、最後まで果敢な防衛戦を
行った末にソ連軍に投降し、1952年に死亡したということです。
いや~、なにか大好きなコンザリク著の「極限に生きる」を彷彿とさせますね。
個人的なお気に入りの章はドイツ海軍の小型戦闘部隊である「K戦隊」です。
1人~2人乗りのいわゆる小型U-ボートである「ゼーフント(あざらし)」や「ビーバー」、
人間魚雷「ネガー(黒ん坊)」の詳細な戦闘記録です。
ドイツ海軍の誇る、戦艦ティルピッツが英国の「X艇」にしてやられたことから
このような兵器の開発が進み出したということですが、
ノルマンディ戦にかなりの数が投入されていたという戦記もさることながら、
「ゼーフント戦隊」指揮官がUボート艦長としてリュートと並び、宝剣付柏葉騎士十字章を持つ
アルブレヒト・ブランディ中佐という、これまたビックリする話が出てきました。
「呪われた海」やデーニッツの「10年と20日間」にもそこまで書いていなかった気が・・。
これらの兵器は日本の「回天」という玉砕特攻の人間魚雷とは違い、
乗員が生還することを前提としたものですが、やっぱり読んでいるうちに
鶴田浩二、松方弘樹、梅宮辰夫主演の映画「人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊」を
どうしても思い出してしまいました。。。
「カンプフ・オブ・ヴァッフェンSS」はまだ未読ですが、これも読んでみたいですね。
高橋慶史 著の「続ラスト・オブ・カンプフグルッペ」を読破しました。
前作「ラスト・オブ・カンプフグルッペ」もなかなか楽しく勉強できた一冊でしたが、
この続編も負けず劣らずマニアックな戦闘団が盛り沢山です。
あの前作では東ヨーロッパ諸国の戦車部隊やアメリカ軍が登場しましたが、
本書は完全なドイツ戦闘団に特化してしているのが大きな違いですかね。
まずは「第1スキー猟兵師団」という、いきなりマニアックな部隊からです。
ドイツ軍最初のスキー猟兵大隊は1941年暮れ、モスクワ前面で行き詰っている際に、
クルーゲ元帥の発案で編成されたそうです。
確かに、当時「バルバロッサ作戦」は電撃戦によって冬までにはソ連を降伏させる・・
という大本営の希望もあって、冬季戦の装備は何もなしということでしたね。
そして戦局が長引くにしたがって、連隊から旅団、師団と拡大していきますが、
冬季戦のスペシャリストである彼らが本来行うべき夏季訓練は行われることなく、
補充兵として夏の各戦線にばら撒かれ、冬を迎える頃にはただの消耗した歩兵部隊に
成り下がってしまったという、実に笑えない部隊です。
その編成当初の戦闘記録には凄い部隊が登場します。
なんと「パラシュートを使わない」ソ連軍降下兵1000名で、10mの低空から
積雪のなかへ降下ならぬ「落下」をするという前代未聞の作戦で、
案の定、足を骨折する者など負傷者を多数出し、見事、失敗に終わったそうです。
ケーニッヒスティーガーなどの重戦車大隊と協同作戦を行った、
騎兵旅団の章では、さすがに将校たちの名前は強烈です。
フライヘア、バロン、グラーフ、プリンツ・ツーといった貴族出身がひしめいています。
「第210突撃砲旅団」の章では、あのスコルツェニーSS中佐の
「シュヴェット要塞」の戦闘の様子が詳細に解説されています。
本書は他にも「SS第35警察擲弾兵師団」の章でも
ディルレヴァンガーが主役級の扱いで出てきたり、
「SS第32義勇兵擲弾兵師団 1月30日」の章でも
(ちなみに「1月30日」はドイツ語で「ドライツィヒテ・ヤヌアー」と発音するようです)
ロシア解放軍のウラソフ将軍が登場したりと、
主役の部隊を知らなくても楽しめる内容となっています。
これは、これらの弱小マイナー部隊がけっして単独で戦っている訳ではないことに
起因していることもあるので、違和感はありません。
特に重傷を負ったディルレヴァンガーSS少将に代わり司令官を務めた
シュメンデスSS少将という人物の経歴は凄いものです。
もともと保安警察出身で「第4SS警察装甲擲弾兵師団」の師団長であった彼は、
「反撃すべし」という総統命令を拒否したことから、ヒムラーによって解任された挙句、
懲罰として「囚人部隊」である、この「ディルレヴァンガー旅団」に送還されていたそうです。
その警官あがりのシュメンデスが雑多な囚人部隊を率いて、最後まで果敢な防衛戦を
行った末にソ連軍に投降し、1952年に死亡したということです。
いや~、なにか大好きなコンザリク著の「極限に生きる」を彷彿とさせますね。
個人的なお気に入りの章はドイツ海軍の小型戦闘部隊である「K戦隊」です。
1人~2人乗りのいわゆる小型U-ボートである「ゼーフント(あざらし)」や「ビーバー」、
人間魚雷「ネガー(黒ん坊)」の詳細な戦闘記録です。
ドイツ海軍の誇る、戦艦ティルピッツが英国の「X艇」にしてやられたことから
このような兵器の開発が進み出したということですが、
ノルマンディ戦にかなりの数が投入されていたという戦記もさることながら、
「ゼーフント戦隊」指揮官がUボート艦長としてリュートと並び、宝剣付柏葉騎士十字章を持つ
アルブレヒト・ブランディ中佐という、これまたビックリする話が出てきました。
「呪われた海」やデーニッツの「10年と20日間」にもそこまで書いていなかった気が・・。
これらの兵器は日本の「回天」という玉砕特攻の人間魚雷とは違い、
乗員が生還することを前提としたものですが、やっぱり読んでいるうちに
鶴田浩二、松方弘樹、梅宮辰夫主演の映画「人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊」を
どうしても思い出してしまいました。。。
「カンプフ・オブ・ヴァッフェンSS」はまだ未読ですが、これも読んでみたいですね。
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