SSブログ

擲弾兵 -パンツァーマイヤー戦記- [武装SS]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

クルト・マイヤー 著の「擲弾兵」を再度、読破しました。

武装SSの戦士のなかでも最も有名なうちの1人、「クルト”パンツァー”マイヤー」の戦記です。
「ライプシュタンダルテ」の古参である彼のポーランド侵攻、オランダ~フランスの電撃戦、
バルカンを経てロシアでの壮絶な戦い、
更には「ヒトラー・ユーゲント師団」における過酷なノルマンディでの防衛戦、
そして捕虜から戦犯、やがて釈放までを「パンツァーマイヤー」というより
別名の「韋駄天マイヤー」というべきスピード感を持って、一気に読ませます。

擲弾兵.JPG

中隊長、または大隊長であるにも関わらず、自らオートバイの先頭に立って突撃する様は
非常に迫力ある描写で、これに匹敵する戦記はそうそうありません。
次々と倒れていく戦友や部下たちの中で、フーゴ・クラース中隊長も何度も負傷しますが、
暫くすると何事もなかったかのように中隊に復帰していて、まさに鬼神のようです。
「バンド・オブ・ブラザース」の武装SS版といった印象で読んでしまいました。

HugoKraas2.jpg

ヒトラー・ユーゲント師団では連隊長として、一転、壮絶な防衛戦を繰り広げますが
ライプシュタンダルテ時代からの戦友「フリッツ・ヴィット」師団長の死の場面では
「顔を覗くことはしなかった。顔はなかったのだ・・」。

Meyer&Witt,&Wünsche.jpg

そして亡きヴィットの後任として師団長となると「ヒットラー・ユーゲント 第12SS戦車師団史」の
著者であるフーベルト・マイヤー作戦参謀も頻繁に登場してきます。
他にもマックス・ヴュンシェやヨッヘン・パイパーなどの盟友たちも随所に、
また、ヴィットマンの最後の出撃の様子も語られます。

Meyer&Witt,&Wünsche2.jpg

武装SS以外にも、第五装甲軍司令官エーベルバッハ大将をはじめ、
ロンメル、ルントシュテット両元帥なども登場し、読者を飽きさせません。

Heinrich_Eberbach.jpg

後半は捕虜として、「極悪非道なSSの顔」としての死刑判決に立ち向かいます。
捕虜の殺害というのは個人的にドイツ側、連合軍側の双方に起こったことだと思いますが、
それがどこまで責任があるのかが焦点になるのでしょう。

Kurt Meyer中佐.jpg

「武装SSの名誉回復」という位置づけで書かれた本であるのは良く知られていますが、
もちろん、この本で武装SSのすべての真実が語られている訳ではありません。
あえて書いていないことはあるにしろ、嘘八百という印象は受けません。
とにかく、最前線における戦記としては、第一級だと思います。



nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 1

ルーツィエ

ヴィトさま、ご無沙汰いたしております。先日ヴィトさまのツイッターを拝見していて、こちらの御本の事がございました。『ヘタな戦争小説より血沸き肉躍る・・・というね』とおっしゃっていらっしゃいましたので、すぐにこちらののブログを拝読いたしました。私も、なんだか今血沸き肉躍る戦記をとても読みたくなっているのです。ヴィトさまがこれほど激賞なさる戦記ですから、いやが上にも期待が高まります!!さらに、私の崇高なる憧のロンメル閣下も登場されるとか、これはもう、ますます読まねばなりません。(笑)ということで、今、密林にて購入いたしました。手元に届いて読むのが楽しみです。素敵な御本の紹介をしてくださってありがとうございます。
ツイッターもいつも楽しく拝見しています。
by ルーツィエ (2016-10-27 16:38) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。