SSブログ

幻影 -ヒトラーの側で戦った赤軍兵たちの物語- [ロシア]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

ユルゲン・トールヴァルト著の「幻影」を遂に読破しました。

本書の存在を初めて知ったのは、もうカレコレ5~6年前になるでしょうか?
この世界に足を踏み入れた頃、足繁く通っていた神保町の軍事専門の古書店の
「フジ出版社」コーナーにいつも置いてあって、これはなんだろうなぁ・・と
何度か手に取った記憶があります。
当時は「ウラソフ将軍」の名も知らず、純粋なドイツの軍人たちを勉強しようとしていたときですし、
本書も確か1800円位で売っていたような・・。
しかし、それから5年も時が流れると、「独破戦線」も勢いでスタートして、
「ウラソフ将軍」が登場する記事も7件。。オススメのコメントも頂いていたこともあって、
そろそろ読んでみようかな・・と思った時には、5000円以上のプレミア価格が付いてしまいました。
まぁ、今回は帯付きの割と綺麗なものを3000円で購入できましたので、
攻撃高度4000」以来のフジ出版オリジナルの本書を焦らずジックリと楽しみました。

幻影.jpg

序文は「本書の成立史」として、1973年に世に出た原著の歴史が20年以上前に遡り、
1950年のスパイ小説を地で行く展開に、まずは驚かされます。
「東方外国軍課」の長を務めて、当時の参謀総長グデーリアンにも絶大な信用を得、
戦後は米国情報機関(CIA)に協力して、新生ドイツのスパイ組織を築いていた
ラインハルト・ゲーレンから接触を受け、米国が興味を持ち始めた、最終的に100万人もの赤軍兵が
ドイツ側についていた・・という複雑極まる事実を資料してまとめるという依頼です。

ゲーレン機関から現存資料を提供され、生き残りの証人たちも可能な限り集められますが、
1年以上かかって書き上げられたものは、誰も満足するものではなく・・。
そして20年が過ぎ、大きく改革した内容の本書が完成するのでした。

Geheimdienstchef Reinhard Gehlen privat zeigt.jpg

1941年4月20日、ヒトラー総統お誕生日会の様子から始まる本書の最初の主役は
ナチ党機関紙「フェルキッシャー・ベオバハター」の主幹、アルフレート・ローゼンベルクです。
古参でインテリ、ロシア通の国家指導者ではあるものの、ヒトラーからの信頼を筆頭に
党内でも立場を弱くしていた彼に、来るべき「バルバロッサ作戦」が始まった暁には
東方担当大臣として、占領地域を統括するという素晴らしい約束が総統からもたらされます。

Alfred_Rosenberg.jpg

対ソ戦が始まって早くも1ヶ月後にはリトアニアが占領地第1号として、陸軍総司令部から
ローゼンベルクの東方省に引き渡され、続いてルントシュテット率いる南方軍集団によって
ウクライナも・・。しかしローゼンベルクにとっての大きな問題は、
その地域を統治する「国家委員」の存在です。
特にウクライナの国家委員(ウクライナ総督)に選ばれたのは、彼をバカにし、
上司は総統のみを自認する荒くれ者で知られるエーリヒ・コッホ・・。
ウクライナが自立し、ドイツに協力的となることを望むローゼンベルクに対し、
コッホの政策は「鞭」のみでしかありません・・。

Rosenberg  Koch.jpg

そして1942年春の前線・・。
ヒトラーとSSは特別行動隊「アインザッツグルッペン」を編成し、共産党員、ユダヤ人、
パルチザン、またその「疑いのある者」を逮捕し、処刑。
その一方で、新たに「東方外国軍課」を任されたゲーレン中佐はその実情を語ります。
「今日すでに20万人のロシア人が伝令、警備兵、橇手、運搬係としてドイツ軍に参加し、
そのうち1万人はドイツ軍の軍服を身に着けている。この志願補助員「ヒヴィス」は
総司令部、OKH、OKWも知らんことになっているが、
この戦争はロシア人民の協力を得て、初めて勝てるのだ」。

German_Troops_with_HIWIS.jpg

続いて登場するのは参謀本部組織化第二班長の少佐、その名は
グラーフ・シュタウフェンベルクです。
「我々のなすべきことはただ一つ、誠実な援助を与え、ロシア人を蜂起させて
スターリン体制を除き、新ロシア国家をつくって、新しいドイツ=ロシア関係を築くことです」。
そして彼が知恵をめぐらし、最初の志願兵部隊の編制に成功。
それは東部戦線の後方でウロウロしているコサックから成る、騎兵1個旅団で、
司令官にはフォン・パンヴィッツ大佐が任命されます。

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本書ではヒトラー暗殺計画・・的な展開にはなりませんが、このような有名人が突然出てくると、
次には中央軍集団の首席作戦参謀のフォン・トレスコウ大佐も登場・・。
前年の10月に当時の司令官、フォン・ボック元帥からロシア志願兵20万から成る、
「解放軍」の編成プランを立てる許可をもらっていたということですが、
モスクワ攻防戦、そしてフォン・ボック解任という状況がこのプランを埋めてしまいます。。

Henning von Tresckow.jpg

このようなドイツの対ロシア政策と前線での現実という各人の立場と様々な思惑が入り乱れるなか、
いよいよ、蒋介石の軍事顧問を務め、モスクワ前面の第20突撃軍司令官として功績をあげ、
ジューコフらと共に新聞にも名前がよく出る高名なソ連の将軍、
アンドレイ・ウラソフ中将が捕えられたとの連絡が・・。

a.a.Vlasov.jpg

ここから、すでにスターリン体制に対して不審を抱き、対独協力者となったウラソフを司令官とする
「ロシア解放軍(РОА)」を設立し、それをヒトラーに承認させるための一大プロジェクトが
非常に詳しく、またドラマチックに展開していきます。
「万人に憎まれるスターリン体制を打倒し、新政府を樹立して、
ドイツと名誉ある和平を結ばなくてはならぬ。それは諸君次第なのだ」と訴え、
捕虜として捕らわれている同胞の将軍らにも同調するよう説得します。
しかし、ドイツ側の約束・・ヒトラーによる解放軍と祖国の不可侵性の保証が得られません。

もちろんヒトラーは1943年のスターリングラード戦で敗北を喫しても、ロシア解放軍など
人種的にもまったく信用できず、プロパガンダに過ぎないとし、
ヒトラーの従卒元帥カイテルもコレに率先して同意を示します。

Russische Befreiungsarmee.jpg

いくらかは編成されて、祖国の解放のための戦いに思いを馳せ、
今やソ連軍の名将となったロコソフスキーでさえ、彼が赤軍大粛清で味わった屈辱を思い出せば
こちら側につくと確信するウラソフですが、東部戦線が劣勢になった1944年になると、
コサック部隊はユーゴスラヴィアのチトーのパルチザン戦へ投入され、
ロシア解放軍も東部から撤収し、西部戦線で来るべき英米との戦いに回されることに・・。
怒り、そして絶望と無力感に打ちひしがれるウラソフ・・。ドイツ人はロシア人を「傭兵」としか
考えていなかったことを思い知りますが、英米軍はスターリンの仲間であり、西部で戦うことは
スターリンに対して戦うことなのだ・・という理屈を押し付けられるのでした。

roa-vlasov-officers.jpg

このような状況に希望の星となるのは「劣等人種」政策をウリにしていたヒムラーSSです。
もはや人種に関係なく武装SS義勇兵部隊の量産を目指していた本部長のベルガーSS中将
ワルシャワでの傍若無人の鎮圧で悪名高いカミンスキーも出てくる展開。
ウラソフ嫌いのヒトラーからもなんとか承認を得て、ヒムラーもウラソフとの会談を了承しますが、
その日付は1944年7月21日・・。いたずらな運命は、
その前日にそれまでウラソフを助けていたシュタウフェンベルクの爆弾を爆発させてしまいます。

Vlasov.jpg

2ヶ月後、SSだけではなく、予備軍司令官ともなったヒムラーという超大物と
やっと会談することが出来たウラソフ。
それは6時間にも及び、この小説のように書かれた会談の様子は、本書の目玉のひとつですね。
西部戦線では「ドイツ武装SS師団写真史〈1〉」に出てきた第30SS武装擲弾兵師団 「ロシア第2」の
「未知のSS師団が判明した」の話も出てきました。

Heinrich Himmler und General Andrei Andreevich Vlassov.jpg

ようやく光の見えてきたウラソフとロシア解放軍を今度、妨害するのは
同じソ連の分離主義者です。ウクライナ人、ベラルーシ人、カフカス人にコサック・・。
彼らはロシア・・という名の付いた組織に入ることは拒否。
そしてこれらの連中の仲を取り持とうとするのはRSHA(国家保安本部)の
カルテンブルンナーオーレンドルフという2人です。

年も明け、第600歩兵師団と第650歩兵師団の2個師団が編成されたウラソフ軍。
しかし戦線は絶望的でヴァイクセル軍集団を任されて、無能ぶりを曝け出しているヒムラーでさえ、
彼らの状況を気にし、軍集団への合流を命令しますが、
ウラソフ第1師団(第600歩兵師団)長のブンヤチェンコは
ウラソフの命令ではない限りは・・といろいろと文句を付けてはこれを拒絶。

Генерал Власов и бойцы РОА.jpg

それでもなんとか進発したという知らせにロシア人労働者と捕虜も師団に合流すべく立ち上がり、
1万3000の師団は、進むにつれて1万8000に膨れ上がるものの、
戦いは避けつつ、放浪師団と化した様相です。
そして今度はシェルナーの軍集団への合流を求められ、「やる気があるのか」と窘められます。

最終的には米ソ連合軍の狭間で降伏したウラソフ軍。
運命の知れているソ連側ではなく、米軍に投降しようとするウラソフらも、コサックらも含めて
無慈悲にソ連側へ引き渡され、翌年には「裏切り者」として絞首刑に処せられます。

a.a.vlasov moskva 1946.jpg

巻末にはもちろん訳者、松谷健二氏の「あとがき」に加え22ページに及ぶ「人名解説索引」、
そしてビロ~ンと折り畳み式の「ウラソフ軍の動き」を記載した地図のおまけ付き・・。
実にフジ出版らしい、至れり尽くせりで手抜きのない内容です。
特に「人名解説索引」は初めて聞く名も多かったことから、気になった人物を探すうえで
大いに役立ちましたし、おそらく、今後もなにかの機会に参照する気がします。

シュタウフェンベルクが早い段階でロシア人部隊の編制に関わっていたというのも
初めて知った話でしたし、ウラソフの周りのドイツ人たちも同じ意見であったことから
ロシア解放軍としてソ連軍に立ち向かうことを夢見るウラソフを
単純に「夢想家」と呼ぶのは、難しく感じました。
極論で言えば、ロシア人やウクライナ人などで編成される部隊を認めなかったのは
ヒトラーとコッホだけという印象ですから・・。

vlasov_1946.jpg

古い本ですが、自分が知らなかったことがここまで多い本は久しぶりです。
まさに第2次世界大戦における裏面史の「傑作」と呼ぶに相応しい1冊でした。



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コメコン

だうも!
ウラジオストクからそう遠くない街に住むコメコンです。
ご無沙汰しておりましたが、豆にチェックしております。

遂にきましたね〜 イルヂヲン。
ヴィドゲンさんのレビューを読んだら、すぐにでも再読したい気分になりました^^
もはやウロ覚えな記憶でコメントするのはいささか恐縮なのですが、
コッホの罵詈雑言はある意味、芸術の域だなと感心しました。
良心のかけらも無い寅さんという感じでしょうか。
まあ、著者ユルゲンさんのユーモアと、松ちゃんの訳の巧さもあると思いますが、
真面目な戦史を読んで、しばし笑いが止まらなかったのはこれが初めてです。
余談ですが「幻影」の直後に読んだ「最終戦」に出てくる主要人物が、
不運にもコッホだったせいで、感情移入しずらいという思わぬ後遺症にも悩まされました。
確か「ヒトラー・ユーゲント」の著者もコッホさんですよね。
ローゼンベルクにも興味が持てたのですが、さすがに「二十世紀の神話」は遠慮したい気分です^^
捕虜になった時のポンパドールスタイルの髪型、すごく似合ってました。自分も真似したいです。

ウラソフ捕獲以降は、まるで表紙に描かれた兵士の様に、
ドヨ〜ンと白昼夢でも見てるかのような展開が良かったです。
期待を持たされては裏切られ、の連続にウラソフの神経がどこか壊れてしまい、
昼間から酒を飲んで仲間とカードゲームに興じ、女を連れ込み・・・グっときました。
入力するのも口にだすのも難しいシュトリク・シュトリクフェルトとか、
ヘレ、ヘルミッヒ、マルジェイキンなどの脇役陣も印象深いです。
首都陸やヘレは本書いてないんでしょうかね。もし書いてても和訳されませんよね・・・
まじめに映画化してほしいんですが、Vシネや下世話なロシア映画は嫌なので、
「ヒトラー 最後の12日間」の監督にでも撮ってほしいです。
「ウラソフ 最後の1年間」とかいう感じでいいので。

ではまた!
by コメコン (2011-08-14 07:56) 

ヴィトゲンシュタイン

ど~も、コメコンさん。
なんだかハイテンションなコメントありがとうございます。

>良心のかけらも無い寅さんという感じでしょうか。
最高・・。いや~、すごい表現ですねぇ・・。
「二十世紀の神話」も1938年の本がamazonで売ってるんですよね。自分も、ほんの若干気になりますが、この第三帝国関連の本を読み尽くしたら手を出すかも知れません。「独破戦線」の最終回とか・・。

>入力するのも口にだすのも難しいシュトリク・シュトリクフェルトとか
これも・・悩んだんですよね。レビューに書こうかどうか・・。
名前を書くのが大変・・というより、彼らのような脇役みんな書くと、倍のレビューになっちゃうんで、端折った次第です。。

>「ウラソフ 最後の1年間」とかいう感じでいいので。
なるほど・・。ウラソフ役は誰が良いですか??
自分はジェフリー・ラッシュなんて、良いと思いましたけど。。メガネ姿も似合うし・・でもちょっと歳かな?


by ヴィトゲンシュタイン (2011-08-14 10:55) 

コメコン

>「独破戦線」の最終回とか・・。
最終回とか悲しいですが、
最後のチョイスが「イデオロギーのゲップ」だなんて酔狂ですね・・・

>端折った次第です。。
確かに。まとめるのも大変でしょうしね。
あの脇役陣はなにかとロシアと縁があって、
ロシアを愛しちゃってる、ってのも一層切なかったです。

>ウラソフ役は誰が良いですか??
僕はまず監督が誰かで映画を選んでしまうので、
役者はあまり詳しくないのですが、今ググってみたら、
人相で選ぶとジェフリー・ラッシュ、合ってますね^^
ジェレミー・アイアンズなんかも良くないですかね?美男過ぎますかね。
先ほど「ヒトラー 最後の〜」の監督にでも、と書きましたが、
監督は生きてればキューブリックが良かったけど、
テレンス・マリックもいいなぁ。
白昼夢感を出すには最適じゃないでしょうか。
湿地帯で包囲され、約束の救援は無く、餓死体が散乱し、天を覆うハエの群れの中、
ウラソフが反逆を決意するシーンとか、
絶望の中、ウラソフ師団が包囲され皆殺しにされるシーンとか、
圧倒的な映像で撮ってほしいなぁ。「シン・レッド・ライン」大好きです。

おおっと!大陸新幹線ばりの脱線事故ですね。
失礼しました。では。
by コメコン (2011-08-14 11:37) 

ヴィトゲンシュタイン

お~、ジェレミー・アイアンズと来ましたかぁ。
ボクも好きな役者さんです。。

>白昼夢感を出すには最適じゃないでしょうか。
なるほど。この感じがコメコンさんの映画のイメージなんですね。
「シン・レッド・ライン」はロードショー行ったハズですが、残念ながら記憶がちょっと・・。
ついさっきamazonから『時計じかけのオレンジ 製作40周年記念エディション(初回限定生産) [Blu-ray]』のおすすめメールが来ましたが、なんでかっていうと「以前「『フルメタル・ジャケット [DVD]』」をチェックされた方に」ということだそうです。
確かにキューブリックのこの2本を観てると、良い感じの「ウラソフ 最後の1年間」撮ってくれそうですね。
by ヴィトゲンシュタイン (2011-08-14 19:21) 

f.m.

 この本の中で一回名前が出て来るポネジェーリン将軍は「勝利と悲劇」と「モスクワ1941」に出て来るドイツ軍の捕虜になっても協力しなかったにも関わらず、協力したと非難されて挙げ句に銃殺された将軍に間違いなさそうですが、彼の事を知ってから、ヴラーソフより悲劇的なのは彼だと思うようになりました。スターリングラード戦で赤軍の捕虜になってもソ連に協力しなかったシュミット将軍と似ていると思います。
 もし「幻影」を復刊する時は、人名をドイツ語読みからロシア語読み等に変えて(ロシア語から訳された本では「マルイシキン」となっている将軍がいるように。逆にロシア語から訳された「二つの独裁の犠牲者」ではドイツ人のヘレ大佐とカイリング少佐がロシア語読みになっている場合もありますが)、登場人物の写真も掲載してほしいものです。御存知とは思いますが、ゲーレンの本でヘレ大佐が、「鉄十字の騎士」でカイリング少佐(この本では彼は大尉となってますが、どちらが正しいのでしょうか?どちらも彼に取材して書かれているのに)の写真が掲載されているので、この二人がどういう顔をしているのか、知りました。「幻影」でヘレとゲーレンの関係は書かれていますし、カイリングが騎士十字章の受章者と書かれているので、出ていてもおかしくはないにしても。「モスクワ攻防戦」でヴラーソフとゲッペルスと一緒に映っているSS准将はクレーガー博士らしいですが、配置からしてSS准将は通訳らしいのは気がつくので、彼だろうと目星はつきましたが。
 国会図書館でロシア解放軍をテーマにした博士論文が収蔵されているようですが、関西に行かないと読めません。東京には同じ方の書かれた小論が掲載された紀要があって、それは読みました。小論はロシア解放軍が師団として編成されてからオーデル川で赤軍と交戦するまでをドイツ軍の資料をもとに書いたもので、こんなマイナーなテーマを研究している人がいるのだなあ、と思いました。どこかの出版社が博士論文を元にした本を出版しないものか、とも思いましたが。「ハイル・ヒトラー」ならぬ「ガイリ・ヴラーソフ」という言葉があったのは初めて知りました。
 似たような存在の自由ドイツ国民委員会やドイツ将校同盟を題材に書いている人はいないようです。
by f.m. (2014-02-03 00:23) 

ヴィトゲンシュタイン

f.m.さん。こちらにもコメントど~も。

>ロシア解放軍が師団として編成されてからオーデル川で赤軍と交戦するまでをドイツ軍の資料をもとに書いたもので、
は~、こりゃスゴい。ぜひ出版して欲しいですね。
自由ドイツ国民委員会、ドイツ将校同盟についての本はもっと読んでみたいです。特にフォン・ザイトリッツ=クルツバッハには以前から興味がありますので・・。
by ヴィトゲンシュタイン (2014-02-03 08:33) 

f.m.

 自由ドイツ国民委員会とドイツ将校同盟については、かつてのドイツ民主共和国の前史という面でも重要なのに、左翼の先生方でも「反ファシズムの運動」としてでもお書きにならないようで、少なくとも日本語の本は無いようです。「台頭するドイツ左翼」という本でSEDの後継政党PDSが選挙で担ぎ出したハインリヒ・フォン・アインジーデル伯爵という「ビスマルクの曾孫」が出て来ますが、この人は自由ドイツ国民委員会の副会長になった戦闘機乗りです。彼はソ連に嫌気がさして「東ドイツ」から出ていった人なので、DDRの体制とは関係がありません。「看板役者」から「戦犯」になったヴァルター・フォン・ザイトリッツ-クルツバッハ将軍とともにDDRでは、どういう風に書かれていたのか、読んでみたいです。産経の「20世紀特派員2」という本では、産経らしく彼らは食べる為にソ連に協力したかのように書かれていますが、本当はどうなのでしょう?勿論、第6軍参謀長のシュミット将軍のようにソ連に協力しなかった人が一番いいのですが。
by f.m. (2014-02-05 11:15) 

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