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ヒトラーの特攻隊 [ドイツ空軍]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

三浦耕喜 著の「ヒトラーの特攻隊」を読破しました。

日本人の著者による、今年の新刊ノンフィクションです。ちょっとビックリしました。
ルフトヴァッフェの「特攻」作戦について、新聞社のベルリン支局特派員という経歴から
生存している関係者にインタビューを行い、一冊の本に仕上げました。
ドイツの特攻作戦については、初耳というわけではありませんでしたが、
コレが一冊の本として日本で発売されるということが、なにかスゴイですね。

特攻隊.JPG

終戦間近、連合軍のドイツ本土爆撃を止める手立ては既になくなりつつあるとき、
参謀将校で剣柏葉騎士十字章を持つ、ハヨ・ヘルマン空軍大佐は
日本のカミカゼ特攻のニュースからヒントを得て、爆撃機への体当たり戦法を立案します。

具体的にはジェット戦闘機Me-262が爆撃機編隊に突入し、編隊を混乱させたところを
特攻機である旧型メッサーシュミットBf-109が体当たりするというもので、
一応、パイロットは直前に「パラシュート脱出する」という戦術でした。

実際、この特攻作戦は数回実施され、いくらかの戦果は挙げたものの、
この時期、焼け石に水であり、ジェット戦闘機の登場や特攻作戦も
連合軍に対してそれほどの精神的ダメージも与えることも出来なかったようです。

興味深かったのは、立案者のヘルマン大佐が自らこの特攻隊の指令となり
作戦を実行したのに対して、ゲーリングやヒトラーが後ろ向きで
なかなか許可しなかったというところですか。
師団レベル以上の数万人単位の戦死には強いですが、
個人レベルの戦死には弱かったと云われてますね。
また、生還したパイロットの回想もあるので、
彼等の当時の気持ちも理解でないものではありません。

ハヨ・ヘルマン.JPG

ボリュームはそれほどありませんので、一気読みです。
値段的にも妥当ですね。



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コメント 6

IZM

こんにちは、ヴィトゲンシュタインさん。
こちらの本、今ワタクシ挑戦中です。
WW2にはまった理由が特攻隊だったので、この事実を知った今年の初め、この本購入を決めました。ちょうど良く、ドイツのTVでドキュメントの放送もされ、本に登場していない実行したパイロット達二人のインタビューが見れまして、CGで再現された作戦の全貌を見て、めまいがしたほどです。
でも、それを見たおかげで、「飛行機の揺れくらいで動揺しちゃいけないな」、とそれまで飛行機の揺れが怖かったワタクシでしたが、克服できるようになりました。WWww 変な話ですが。
この作戦を支持したハンナライチュが気持ち悪いです。
ゆっくり本を読みたいと思いつつも最近はまった編み物に没頭していて、なかなか進みません(涙
では、まだ残暑が厳しいことと思いますが、お体に気をつけて。
by IZM (2010-08-19 18:18) 

ヴィトゲンシュタイン

IZMさん。こんばんわ。

コレは最初の頃のレビューなので、非常に恥ずかしいですねぇ。
しかし、そちらでドキュメントの放送があったというのは羨ましい・・。
NHKでやってくれないかなぁ。
そういえば、先週、NHKでシンドラーのリストのドキュメンタリーを
やっていたようで(見逃し・・残念・・)、その直後から数日間、
我がショボイblogのアクセス数が異常に増えて、ちょっと驚きました。

IZMさんのblogは元気が出るので、日々、こっそりと訪れていますが、
最高の出来でビックリした、ドラえもんのアクリル携帯クリーナーに、
「素晴らしい!」とかコメントするのはキャラ的にどうかな~・・
と自重しています。

でもおかげさまで特攻隊ネタなどの日本の戦記にも、
最近興味が出てきました。。
特に小野田さんの「たった一人の30年戦争」は、子供の頃、
ニュースで良く見た話だけに、近々、読んでみようと思っています。


by ヴィトゲンシュタイン (2010-08-19 20:28) 

IZM

これは最初の頃のレビューなのですか。
シンドラーの本のレビューも、面白かったですよ!NHK効果はすごいでしょうね、全国区ですもの!

アクリルたわしネタを読んでいただけているとは、恐縮です。Ww

エルベのドキュ番組、さわりだけですがテキストに起こしてあるので、良かったら。。。。
http://blogs.yahoo.co.jp/berlin415270/9058155.html
それまで日常的に不愉快な思いをする事が多々あっても、ドイツ人すごいと思った事がなかなかなかったのですが、この番組見てつい「ドイツ人すごい!!!」と思ってしまいました。

「たった一人の30年戦争」は超オススメです。つい開くと読みふけってしまう本です。
by IZM (2010-08-19 22:10) 

IZM

読み終わりましたー。ヴィトゲンシュタインさんの仰るとおり、ボリュームがあるわけではないので、もっと早くに読めたはずなんですが。。。
上手く最近の事までまとめてあり、ドイツに住んでて感じた違和感とか疑問点などにも触れてて、良かったですねえ。
まあ、作戦が1回きりだったためなのでしょうか、わりと出撃の場面があっさりと書かれているなあという印象でした。
指揮官ハヨヘルマン氏のインタビューもと興味深く読んじゃいました。
by IZM (2010-09-14 06:46) 

ヴィトゲンシュタイン

いや~、IZMさんのブログのレビュー見ました。
相変わらず見事です。もっと勉強させていただきます。

そんなこんなで、自分も「特攻」=戦死前提攻撃・・をキーワードに、過去に読んだ本を思い出してみましたが、ドイツ軍で純粋な「特攻」というのは???

陸軍で「特攻」と言うと、いわゆる日本軍の「バンザイ突撃」がそれに当たるのかも知れませんが、純粋な戦術とは思えないですし、ヨーロッパではドイツ軍よりも、ソ連の専売特許のようなイメージもあります。。。

海軍では1人乗りや2人乗りのUボート、というか、ネガーなどを以前、紹介しましたが、アレも日本の「回天」のような「決死」ではないですよねぇ。
あぁ、こんなこと書いてたら「人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊」が観たくなってきました・・。ラスト、若き、松方弘樹が「天皇陛下ばんざぁ~い!!!」と散っていきます。

by ヴィトゲンシュタイン (2010-09-14 23:50) 

IZM

レビュー読んで頂けたとは、光栄です!ギュンターグラスの告白は、当時ドイツ国内で上から下への大騒ぎだったのが記憶に新しいです。

自分が今何でこんなに特攻ものばかり読んだり調べたりしているのか、正直良くわかんないんですがWw あまりに強烈過ぎる戦術で、脳裏と心にぐっさり突き刺さったからなのでしょうね。
エルベ特攻の隊員達は当時の軍からも、戦後の国民からもほとんど評価されていないという意味では、異端ですよね。
by IZM (2010-09-15 18:41) 

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