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大日本帝国陸海軍〈2〉 軍装と装備 明治・大正・昭和 [軍装/勲章]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

中田 忠夫 著の「大日本帝国陸海軍〈2〉」を読破しました。

3月の「戦時広告図鑑」で気になった、戦時中の各婦人団体の会員章・・。
いろいろと調べていた時に、本書に掲載されていることを知りました。
それ以外にも、各種勲章、徽章類がカラー写真で掲載されているということで、
2010年発刊の大判391ページ、オールカラーの本書を図書館で借りてみました。

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最初に巻末の著者のあいさつを読んでみると、昭和36年に戦争博物館の創設を計画し、
日本軍の軍装、装備品の収集をはじめ、昭和60年頃からは複製品を作成。
博物館は50年経っても完成しませんが、その博物館に展示する実物の資料を主として撮影し、
掲載したものだそうで、著者は上野アメ横のミリタリー・ショップ「中田商店」の代表者でした。

このお店は小学生の頃から怖いながらも、ちょくちょく入っていたところですし、
現在でも通り掛かった際には、軽く覗いていきます。
う~ん。。こんな何十年も経って、そんな方の本を手にすることになろうとは・・。

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最初は「原爆ドーム」と、破壊される前の「広島県立商品陳列所」。
それから原爆の威力で一本足になった「長崎山王神社片足鳥居」の写真から・・。
ふ~む。。長崎原爆資料館には行ったことがありますが、コレは知らなかった。
そして世界各国の軍事博物館の写真が35ページまで続きますが、
ほとんどが昭和46年の撮影なので、「東ドイツ戦没者墓地」とか、
「ソ連軍事博物館」といった名称となっています。

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続いて「明治時代の軍装・装備」で、古くは明治15年頃の海軍の整列写真から、
鮮明で大きな写真が掲載されます。
とは言っても白黒写真ですから、所々でカラーの軍帽と軍服のカラー写真が登場。
特別大演習の集合写真も多く、招待された各国の武官も一緒に写り、
日露戦争時の「陸海軍・第三軍司令部と聯合艦隊司令長官及び其の幕僚」には、
中央に東郷平八郎、隣が乃木希典なのはヴィトゲンシュタインでも判りました。

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昭和の写真の後、「各種帽子」の紹介です。
日本陸軍ヘルメットに、士官の制帽・略帽と実にカラフルですが、
「陸軍航空暴風面」のインパクトは凄いですね。
細かい解説がないのが残念なんですが、革製なのかなぁ??

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表紙のような軍服に外套、陸軍マント、海軍飛行予科練制服、各種靴、
落下傘部隊の制服と装備品、軍用時計に手袋、水筒、ホルスター、ゴーグルと、
まるで商品カタログの如きレイアウトで紹介。
ホルスターだけで28種類もある位です。

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200ページからは「陸海軍募集ポスター」。
先日の「世情を映す昭和のポスター」で紹介したのと同じポスターも含めて20枚。

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雑誌も「開拓団月刊誌」の特集といった趣で、
「拓け満蒙」とか、「開拓画報」、「大陸移民」などの聞いたこともない雑誌がたくさん。。

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234ページから個人的なお楽しみ、「勲章・記章・バッジ」が46ページです。
軍人のみが対象であり、昭和23年に廃止された「金鵄勲章」は、
功一級から功七級までキッチリと・・。
旭日章」や「瑞宝章」も数種類、明治27年28年従軍記章、大東亜戦争従軍記章などなど。

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各兵科ごとの「優等徽章」もデザインが美しくて良いですね。
見張優等徽章、航空優等徽章、機関運転優等徽章、艦砲射撃優等徽章など、
思わずコレクションしたくなります。

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軍人傷痍記章」も旧型のものも掲載され、バッジ類へと進みますが、
ここでは何といっても「支那事変記念バッジ」のデザインが最高です。

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その他、「憲兵バッジ」のような有名なものばかりでなく、実にマイナーなバッジ、
例えば「昭和15年駒込警防団表彰バッジ」とか、
「本郷区防護団連合防空大演習出動記念バッジ」。
「朝鮮師団対抗演習参加記念章」といった戦時中の記念バッジの数々です。

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体力章検定バッジ」も初級、中級、上級と3種類。
例の婦人会バッジも「愛国婦人会特別維持会員」、「満州国防婦人会」といった特殊なものもあり、
「将校婦人会」というのも別にあって、正会員章から特別会員章まで、4種類ありました。

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これが終わると、肩章などの階級章です。
なかでも「Japanese Army Rank Insignia」はわかりやすいですね。
調べてみると、1945年の英陸軍作成のポスターのようです。
この少佐の顔つきが絶妙・・。
米軍が作ったポスターだったら、メガネに出っ歯だな。。

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出ました。「赤十字服装」。
黑い制服に白の看護衣、南方用のグリーンの看護衣に、看護衣袴まで。。
「看護婦編上靴」はモロに「はいからさんブーツ」って感じで、なぜかソソラレるのです。

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各婦人会のタスキのなかには「愛国子女団」というのもあって気になります。
「祝入営」ってタスキもなんか恥ずかしい・・。
いまやタスキなんて、駅伝か、結婚式の2次会の新郎くらいしかしませんしねぇ。

「七五三」向けの軍服は大正・昭和初期にデパートで売られていたそうです。
かなり本格的なつくりで、結構なお値段だったんでしょう。

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ヴィトゲンシュタインの知る限りでは、ドイツでは子供用は作られてなかったと・・。

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第2次大戦時代は物資不足で子供用軍服の販売は中止されますが、
昭和19年~20年の終戦間際になると、物資不足はもっと深刻です。
桑の皮で作った作業服に、紙製ケース、水筒が竹製なのはしょうがないにしても、
ヘルメットまでが竹製・・。

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いや~、途中でも書きましたが、さすがミリタリー・ショップの本だけあって
まさに商品カタログのようで、パラパラ眺めているだけでも楽しめました。
こりゃ「大日本帝国陸海軍〈1〉」もかなり気になりますね。

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ドイツ軍装備大図鑑: 制服・兵器から日用品まで」の著者が、
「日本軍装備大図鑑」も出していますが、読んでいないために比較はできないものの、
ここまで細かい品々が掲載されているかは疑問です。
あちらは1万円ですが、本書は各3800円と値段も抑え目ですし、古書価格も安くなっています。
個人的には軍装や装備品よりも、勲章、徽章類をターゲットに読みましたが、
あえて不満を書くとすれば、説明書きがほとんどないことでしょうか。







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