ナチ独逸ミリタリー・ルック 制服・制帽から勲章・ワッペン・徽章まで [軍装/勲章]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
第二次世界大戦ブックス〈別巻 1〉の「ナチ独逸ミリタリー・ルック」を読破しました。
勲章・徽章好きで第二次世界大戦ブックス好きのヴィトゲンシュタインですが、
本書は以前から古書店で見かけていたものの、なぜかビニールカバーに入っていて
中身の確認ができないことから、手を出していなかったものです。
しかし、写真タップリのオールカラーということが判明し、しかも綺麗な古書が300円・・、
ということで慌てて購入。早速、読んでみました。
最初に登場するのは、目玉焼き勲章こと、「ドイツ十字章」が1ページのカラー写真で。。
「1級鉄十字章と騎士十字章との中間の勲章で、金と銀の2等級に分かれていた」と
キャプションもちゃんとしています。
その左のページには「国家労働奉仕団(RAD)の短剣とスポーツ服のワッペン」と
いきなりマニアックな現物写真・・。全く展開が読めませんから、
ページをめくるのも緊張します。。
すると「第1次大戦参戦者連合会の腕章」に「陸軍予備役軍人バッジ」、
「鉄兜団名誉章」といった見たことも聞いたこともない品々が・・。
次の「腕章」というのは今まで細かく気にしたことがありませんでしたが、
本書では1ページにまとめて、種類別に掲載しています。
金の紋様が入っている一目見て豪華なものがガウライターなどの政治指導者用。
上下に黒線が入っているのがSS隊員用。線なしのただの赤が一般党員用。
一番下がヒトラー・ユーゲント用です。
戦争に貢献した発明に与えられたという「フリッツ・トート博士記念名誉徽章」も
1944年1月8日のトート博士の2周忌に制定され、金、銀、黒鉄の3等級あると書かれ、
う~ん。コレは結構、勉強になるなぁ。
ゲシュタポの恐怖の「認識票」の次にはコイン各種です。
コインは以前に「ヒトラー・コイン」を紹介しましたが、
本書にはそれにプラス、「ゲーリング・コイン」も出てきました。
これは空軍で技術的功績のあった者に送られたそうですが、知りませんでしたね。
他にも「1940年のフランス占領記念コイン」なるものも・・。これは、どレアです。。
続いて短剣シリーズ。SA(突撃隊)にヒトラー・ユーゲント、3年間勤務したSS隊員が貰えた短剣。
国家政治教育機関、ナチ赤十字社の短剣もありますが、彼らは何のために??
勲章付きの当時の制服もカラー写真で紹介します。
先任地区指導官の茶色の制服に、SAの先任中隊指揮官、武装SSダス・ライヒ分隊指揮官。
それからSD大尉まで。
警察関係の記章各種も地方保安警察官の袖章に、防火警察・消防隊員の袖章、
国家保安警察都市警察官の袖章などをまとめて掲載。
バリエーションの多さも理解できます。
選挙と党大会記念バッジは、1933年の「リッペの選挙バッジ」というコレまたレアなものも・・。
選挙の度にバッジ作っていたなんて、ナチ党はマメですねぇ。。
記念バッジは「労働記念日バッジ」、「国家体育記念日バッジ」と、
ちょっと知られたものもありますが、ズバリ、「不明」となっているバッジも・・。
メッサーシュミットにハインケル、ポルシェ博士といった経済と社会に貢献した人物に与えられた
「労働功労賞」というのも初めて見ました。
オリンピックにも1936年のベルリン大会の組織者に与えられた
「1級ドイツ・オリンピック功労賞」というがあったんですね。
冷凍肉勲章と揶揄された「東部戦線従軍徽章」と一緒に写っているのは
太西洋防壁建設に従事した者に与えられた「ドイツ西部防衛線従軍徽章」です。
その他、「1級ドイツ鷲勲章」に、「ドイツ労働戦線」のバッジ、「母親名誉十字勲章」も3等級揃いで。
まだまだ、スペイン内戦に参加した「スペイン十字章」に、各種年功章。
これは「SS隊員の12年勤続年功章」や「8年勤続年功章」、警察官の「25年勤続年功章」です。
制帽も出てきました。
茶色の政治指導官の制帽も実物で、4階級は縁取りで区別されていたそうです。
地方警察官の帽子にSA、空軍将校、陸軍将校の制帽、略帽に
ヘルメットでは陸軍の1916型と1935型の前に、
空軍と民間防衛隊のヘルメットが出てくるところが本書の気の抜けないところです。
もちろん、アフリカ軍団の防暑帽も。
中盤20数ページは政治指導者などの制服姿がカラーイラストで紹介されます。
コートを着たバージョンから夏季の白服、パレード用など細かいバリエーションで
ここまで細かくする必要があるのかと、ちょっと思いました。
ただ、SA水上部隊勤務服などは、聞いたこともありませんので、
その紺色(ネイビーブルー?)の制服に茶色の襟章の組み合わせは斬新です。
同じようにナチ自動車協会(NSKK)の中隊指揮官の制服も、
黒に金の襟章・・と、SSとはまったく違うカッコ良い色合いで新鮮ですし、
空軍の前身である「ナチ航空協会(NSFK)」の制服は、空軍のブルーグレーなのに
襟章はSAやSSの階級章というありそうでない、不思議な組み合わせです。
ヒトラー総統旗やナチ党旗などもイラストで進みますが、
「SSアドルフ・ヒトラー連隊旗」の下には、「SSユリウス・シュレック連隊旗」が・・。
はぁ~ん。。こんな連隊があったんですか。。シュレックは元ヒトラーの運転手ですが、
一応、SSの初代指導者だったからなんでしょうね。
外国人義勇兵の部隊マーク(袖章)から現物カラー写真に戻りました。
これらは武装SSではなく、国防軍所属の部隊で、
ウラソフのロシア解放軍「POA」やスペインの「青師団」、コサックにアルメニア人部隊。
ここまで海軍は無視されていましたが、「海軍の徽章各種」でやっと紹介されます。
「Uボート章」は当然ながら、「駆逐艦乗組員戦功章」に「特務士官の肩章」などなど・・。
ヴィトゲンシュタインの好きな「大海艦隊戦功章」と「仮装巡洋艦戦功章」もあってうれしいですね。
海軍の高射砲兵戦功章である「沿岸砲兵戦功章」も良いなぁ。
カフタイトルは武装SSの「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」、「ヴェストラント」に
「ラインハルト・ハイドリヒ」といった、ややマイナーな部隊のものが前半に出ていましたが、
アフリカ軍団のカフタイトルと同じページに出てくるのは第199擲弾兵連隊です。
これは第1次大戦時にヒトラーが所属していた「リスト連隊」なんですね。
ベルトのバックルも前半に政治指導者の金色のバックルが印象的でしたが、
ヒトラー・ユーゲント、陸軍、空軍、SSのバックルが勢揃いします。
疑問に思っていた空軍のバックルですが、唯一、言葉はなし・・が正解でした。
さらにRADにSAのバックルまで。ベルト・マニアの方なら買いですね。
空軍の戦功章、3等級の戦傷章と続き、前半と同じカラーの現物制服です。
空軍少尉の制服に陸軍歩兵大尉礼服、なかでも国民突撃隊指揮官(少佐)は凄いですね。
この制服のベースはワイマール共和国時代の陸軍将校服で、
第1次大戦の2級鉄十字章の略綬をつけていますが、
やっぱりコレを着たのは、おじいちゃんだったんだと思うと、泣けてきます・・。
陸軍の勲章は突撃戦功章に空軍にもあった「高射砲兵戦功章」などの他に
「砲手勲功懸章」なる砲手に贈られるものが・・。
装甲部隊砲手のものだけデザインが違い、戦車突撃章に似たデザインですが、
戦車の向きが逆だったり、全く別物です。う~ん。なんだこりゃ??
最後には「騎士十字章」に「白兵戦章」とメジャーな勲章に、野戦憲兵の「ゴルゲット」では
「夜間勤務のため、中央の鷲と左右の円形には蛍光塗料が塗ってある」
との解説には驚きました。蛍光塗料って昔からあるんですね。。
でも軍用腕時計にも確か、塗ってありましたか・・?
中盤の政治指導者などの制服こそ、カラーイラストでしたが、
NSKKやNSFKといった超マイナーな制服は大変良かったですし、
全体的には当時の現物のカラー写真集と言って間違いありません。
勲章、徽章類も結構マニアックで、初めて見るものもいくつかありましたし、
実際、本書に掲載されている品々を全部知っているという人は
ほとんどいないんじゃないでしょうか?
こういうのを眺めるとやっぱりコレクター魂に火がついてしまいますねぇ。
和書では何故かカラーの勲章、徽章本が出てませんので、
そのような意味でもお好きな方にとっては価値ある良書だと思います。
第二次世界大戦ブックス〈別巻 1〉の「ナチ独逸ミリタリー・ルック」を読破しました。
勲章・徽章好きで第二次世界大戦ブックス好きのヴィトゲンシュタインですが、
本書は以前から古書店で見かけていたものの、なぜかビニールカバーに入っていて
中身の確認ができないことから、手を出していなかったものです。
しかし、写真タップリのオールカラーということが判明し、しかも綺麗な古書が300円・・、
ということで慌てて購入。早速、読んでみました。
最初に登場するのは、目玉焼き勲章こと、「ドイツ十字章」が1ページのカラー写真で。。
「1級鉄十字章と騎士十字章との中間の勲章で、金と銀の2等級に分かれていた」と
キャプションもちゃんとしています。
その左のページには「国家労働奉仕団(RAD)の短剣とスポーツ服のワッペン」と
いきなりマニアックな現物写真・・。全く展開が読めませんから、
ページをめくるのも緊張します。。
すると「第1次大戦参戦者連合会の腕章」に「陸軍予備役軍人バッジ」、
「鉄兜団名誉章」といった見たことも聞いたこともない品々が・・。
次の「腕章」というのは今まで細かく気にしたことがありませんでしたが、
本書では1ページにまとめて、種類別に掲載しています。
金の紋様が入っている一目見て豪華なものがガウライターなどの政治指導者用。
上下に黒線が入っているのがSS隊員用。線なしのただの赤が一般党員用。
一番下がヒトラー・ユーゲント用です。
戦争に貢献した発明に与えられたという「フリッツ・トート博士記念名誉徽章」も
1944年1月8日のトート博士の2周忌に制定され、金、銀、黒鉄の3等級あると書かれ、
う~ん。コレは結構、勉強になるなぁ。
ゲシュタポの恐怖の「認識票」の次にはコイン各種です。
コインは以前に「ヒトラー・コイン」を紹介しましたが、
本書にはそれにプラス、「ゲーリング・コイン」も出てきました。
これは空軍で技術的功績のあった者に送られたそうですが、知りませんでしたね。
他にも「1940年のフランス占領記念コイン」なるものも・・。これは、どレアです。。
続いて短剣シリーズ。SA(突撃隊)にヒトラー・ユーゲント、3年間勤務したSS隊員が貰えた短剣。
国家政治教育機関、ナチ赤十字社の短剣もありますが、彼らは何のために??
勲章付きの当時の制服もカラー写真で紹介します。
先任地区指導官の茶色の制服に、SAの先任中隊指揮官、武装SSダス・ライヒ分隊指揮官。
それからSD大尉まで。
警察関係の記章各種も地方保安警察官の袖章に、防火警察・消防隊員の袖章、
国家保安警察都市警察官の袖章などをまとめて掲載。
バリエーションの多さも理解できます。
選挙と党大会記念バッジは、1933年の「リッペの選挙バッジ」というコレまたレアなものも・・。
選挙の度にバッジ作っていたなんて、ナチ党はマメですねぇ。。
記念バッジは「労働記念日バッジ」、「国家体育記念日バッジ」と、
ちょっと知られたものもありますが、ズバリ、「不明」となっているバッジも・・。
メッサーシュミットにハインケル、ポルシェ博士といった経済と社会に貢献した人物に与えられた
「労働功労賞」というのも初めて見ました。
オリンピックにも1936年のベルリン大会の組織者に与えられた
「1級ドイツ・オリンピック功労賞」というがあったんですね。
冷凍肉勲章と揶揄された「東部戦線従軍徽章」と一緒に写っているのは
太西洋防壁建設に従事した者に与えられた「ドイツ西部防衛線従軍徽章」です。
その他、「1級ドイツ鷲勲章」に、「ドイツ労働戦線」のバッジ、「母親名誉十字勲章」も3等級揃いで。
まだまだ、スペイン内戦に参加した「スペイン十字章」に、各種年功章。
これは「SS隊員の12年勤続年功章」や「8年勤続年功章」、警察官の「25年勤続年功章」です。
制帽も出てきました。
茶色の政治指導官の制帽も実物で、4階級は縁取りで区別されていたそうです。
地方警察官の帽子にSA、空軍将校、陸軍将校の制帽、略帽に
ヘルメットでは陸軍の1916型と1935型の前に、
空軍と民間防衛隊のヘルメットが出てくるところが本書の気の抜けないところです。
もちろん、アフリカ軍団の防暑帽も。
中盤20数ページは政治指導者などの制服姿がカラーイラストで紹介されます。
コートを着たバージョンから夏季の白服、パレード用など細かいバリエーションで
ここまで細かくする必要があるのかと、ちょっと思いました。
ただ、SA水上部隊勤務服などは、聞いたこともありませんので、
その紺色(ネイビーブルー?)の制服に茶色の襟章の組み合わせは斬新です。
同じようにナチ自動車協会(NSKK)の中隊指揮官の制服も、
黒に金の襟章・・と、SSとはまったく違うカッコ良い色合いで新鮮ですし、
空軍の前身である「ナチ航空協会(NSFK)」の制服は、空軍のブルーグレーなのに
襟章はSAやSSの階級章というありそうでない、不思議な組み合わせです。
ヒトラー総統旗やナチ党旗などもイラストで進みますが、
「SSアドルフ・ヒトラー連隊旗」の下には、「SSユリウス・シュレック連隊旗」が・・。
はぁ~ん。。こんな連隊があったんですか。。シュレックは元ヒトラーの運転手ですが、
一応、SSの初代指導者だったからなんでしょうね。
外国人義勇兵の部隊マーク(袖章)から現物カラー写真に戻りました。
これらは武装SSではなく、国防軍所属の部隊で、
ウラソフのロシア解放軍「POA」やスペインの「青師団」、コサックにアルメニア人部隊。
ここまで海軍は無視されていましたが、「海軍の徽章各種」でやっと紹介されます。
「Uボート章」は当然ながら、「駆逐艦乗組員戦功章」に「特務士官の肩章」などなど・・。
ヴィトゲンシュタインの好きな「大海艦隊戦功章」と「仮装巡洋艦戦功章」もあってうれしいですね。
海軍の高射砲兵戦功章である「沿岸砲兵戦功章」も良いなぁ。
カフタイトルは武装SSの「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」、「ヴェストラント」に
「ラインハルト・ハイドリヒ」といった、ややマイナーな部隊のものが前半に出ていましたが、
アフリカ軍団のカフタイトルと同じページに出てくるのは第199擲弾兵連隊です。
これは第1次大戦時にヒトラーが所属していた「リスト連隊」なんですね。
ベルトのバックルも前半に政治指導者の金色のバックルが印象的でしたが、
ヒトラー・ユーゲント、陸軍、空軍、SSのバックルが勢揃いします。
疑問に思っていた空軍のバックルですが、唯一、言葉はなし・・が正解でした。
さらにRADにSAのバックルまで。ベルト・マニアの方なら買いですね。
空軍の戦功章、3等級の戦傷章と続き、前半と同じカラーの現物制服です。
空軍少尉の制服に陸軍歩兵大尉礼服、なかでも国民突撃隊指揮官(少佐)は凄いですね。
この制服のベースはワイマール共和国時代の陸軍将校服で、
第1次大戦の2級鉄十字章の略綬をつけていますが、
やっぱりコレを着たのは、おじいちゃんだったんだと思うと、泣けてきます・・。
陸軍の勲章は突撃戦功章に空軍にもあった「高射砲兵戦功章」などの他に
「砲手勲功懸章」なる砲手に贈られるものが・・。
装甲部隊砲手のものだけデザインが違い、戦車突撃章に似たデザインですが、
戦車の向きが逆だったり、全く別物です。う~ん。なんだこりゃ??
最後には「騎士十字章」に「白兵戦章」とメジャーな勲章に、野戦憲兵の「ゴルゲット」では
「夜間勤務のため、中央の鷲と左右の円形には蛍光塗料が塗ってある」
との解説には驚きました。蛍光塗料って昔からあるんですね。。
でも軍用腕時計にも確か、塗ってありましたか・・?
中盤の政治指導者などの制服こそ、カラーイラストでしたが、
NSKKやNSFKといった超マイナーな制服は大変良かったですし、
全体的には当時の現物のカラー写真集と言って間違いありません。
勲章、徽章類も結構マニアックで、初めて見るものもいくつかありましたし、
実際、本書に掲載されている品々を全部知っているという人は
ほとんどいないんじゃないでしょうか?
こういうのを眺めるとやっぱりコレクター魂に火がついてしまいますねぇ。
和書では何故かカラーの勲章、徽章本が出てませんので、
そのような意味でもお好きな方にとっては価値ある良書だと思います。