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ティーガー -無敵戦車の伝説 1942~45- [パンツァー]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

エゴン・クライネ著の「ティーガー」を読破しました。

ティーガー戦車の開発の経緯から、重戦車大隊ごとの戦闘を詳細に記録したもので
余り知られていない戦車長の戦記から、有名な将軍や大隊長まで登場する
バラエティに富んだ内容です。

ティーガー.JPG

ティーガー戦車の初陣となる、1942年9月のレニングラード方面の湿地帯での
4両の戦闘記録も貴重ですが、第501/502重戦車大隊、SS第101重戦車大隊などの
有名な独立大隊が目白押しです。
写真もなかなか豊富に掲載されているので、取っつきやすく、
この上巻ではツィタデレ作戦における第656駆逐戦車連隊の
「フェルディナンド」の戦闘記録が突然出てきて、ビックリしたりもします。

Ferdinand in KursK3.JPG

下巻は再編成によるケーニッヒスティーガー登場から
最後のティーガーを失い、連合軍に投降するまでの記録となります。
各戦線が崩壊寸前となってくると、所属する師団、軍団からは貴重な火消し役として
小隊、中隊ごとに出動命令が下されるため、
大隊での運用に固執する重戦車大隊長は、あっさり解任されてしまいます。

Königstiger.jpg

特に整備中隊の活躍を大きく取り上げているのが本書の特徴で、
頓挫したティーガーは敵の手に渡らぬように爆破させると言うのは良く知られていますが、
それはあくまで最後の手段であり、基本はとにかく「牽引」です。
場合によっては2日かかっても諦めません。
故障が多く、半端じゃなく重く、かつ貴重なこれらの戦車を扱う苦労が良くわかります。

pzkpfw_vi.jpg

また、グロースドイッチュランドのティーガー大隊や
終戦間際のヤークトティーガー、シュトルムティーガー中隊の記録も
ページ数は少ないながら、非常に興味深いものとなっています。

Jagdtiger_4.jpg

他にもSS第101重戦車大隊ではヴィットマンのヴィレル・ボカージュの戦い、
第502重戦車大隊ではオットー・カリウスのエピソード、
SSダス・ライヒなどの師団も網羅しています。

こうしてティーガー戦車の歴史を見ると、
それは決して電撃戦というような華々しい勝利ではなく
ドイツ軍敗走の歴史と重なるわけですね。





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