戦争の世界史 大図鑑 [世界の・・]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
R・G・グラント著の「戦争の世界史 大図鑑 」を読破しました。
2年ほど前に「ヴィジュアル版 「決戦」の世界史 -歴史を動かした50の戦い-」
という本を紹介しましたが、今回は、世界史シリーズの第2回目です。
2008年に出た360ページの大型本で、しかもオールカラー。
お値段、14940円のデカくて、重い、セレブ的な一冊です。
5000円まで古書価格が下がったら買おうと思っていましたが、
amazonでも9000円までしか下がらないので、諦めて図書館で借りてみました。
まずは「古代世界の戦争」です。
紀元前2450年ごろのシュメール文明の都市国家ラガシュと隣国ウンマの戦い。
続いてエジプト新王国の「カデシュの戦い」、ギリシャの「トロイ戦争」と続きます。
日付、兵力、死傷者等、場所と地図が最初に掲載され、
各々の戦いの推移が書かれていますが、単なる戦記ではなく、
重要な人物、例えば「カデシュの戦い」ならラムセス2世が別枠で紹介されたり、
エジプトの武器も、解説付きの現物写真と、カラーならではです。
ギリシャ・ペルシャ戦争なら歴史家ヘロドトス、
「テルモピュライの戦い」なら、映画「300」のレオニダスの像も写真で登場。
アレクサンドロス大王から、ローマ帝国の時代へ・・。
「典型的なローマ軍司令官であり、大胆で素早く主導権を握り・・」と紹介されるのは
ユリウス・カエサルです。
しかし、まぁ、興味はあってもそれほど詳しくない古代史ですから、
悲しいかな、半分も理解できないですね・・。
次の章は「中世の戦争」です。
6~7世紀のビサンチン帝国(東ローマ帝国)の戦いでは、「ギリシャの火」という武器が。
石油化合物を使った爆発物ナパームの原型だそうで、
海上戦において、敵艦目掛けて噴霧するそうです。絵が良い感じ・・。
まだまだフランク族のカール大帝(シャルルマーニュ)に、ヴァイキングの登場と、
ナチスドイツ・ファンであっても、武装SSの勉強になりますね。
さらにこの頃にはイスラム国家が成立し、ペルシャやエジプトを征服。
「コンスタティノープル包囲戦」などが紹介された後、
11世紀にはエルサレム奪還を目指す「十字軍」の戦いへと進みます。
第1回十字軍の「ドリュラエウムの戦い」では、士気をくじくために包囲された街中に
オスマン軍兵士の生首を投石器で打ち込んだ・・というのが、なんとも言えません。。
絵の生首がちょっとカワイイのが良くない。
そして13世紀にはチンギス・ハーンとその子孫たちによるモンゴルが大活躍。
西はロシアからポーランドまで遠征し、中東のバグダッドも陥落。
ドイツ人・ポーランド人らと対峙した「ワールシュタットの戦い」では、
モンゴル軍は戦勝記念品として倒れた敵の耳をそぎ落として集め、
首を槍に刺して掲げた・・と、その様子を描いた版画が掲載。
耳がザル一杯に溜まってますね・・。コレをどうするかは不明です。
フカヒレみたいな調理をイメージしてしまいますが・・。
東アジアの戦争では、チンギス・ハーンの孫、フビライが登場します。
中国へと攻め込み征服。いわゆる「元」ですか・・。
その後は「明」が台頭・・、あ~、子供の頃、もっとシッカリ勉強しとけば良かったなぁ。。
この時代に「万里の長城の西の果てに建設された要塞」の写真が出てきました。
コレは恐らく「山海関」だと思います。
ナゼ知っているかというと、ココに行ったことがあるからです・・。
ヴィトゲンシュタイン初の海外旅行は北京で、万里の長城見学がメインだったのでした。
その他、アジアの戦いでは1177年、「アンコール・ワットの破壊」。
いよいよ日本も登場し、「源平合戦」と、源義経、武士の鎧が3ページで紹介。
武士の刀も2ページぶち抜きで迫力ありますねぇ。
12世紀からのヨーロッパは、教皇、フランス、神聖ローマ帝国による三つ巴権力争い。
「ホーエンシュタウフェン家のフリードリヒⅠ世は赤い顎鬚を持つことから
バルバロッサ(赤髭王)として知られ、1152年に神聖ローマ皇帝に即位した」。
出ました。バルバロッサ。金箔貼りの頭部像でのご登場です。
ブリテン島ではイングランドvsウェールズ、イングランドvsスコットランドが定番です。
もちろん「ブレイブハート」のウィリアム・ウォレスも・・・、あ~、また観たくなってきた。
イングランドvsフランスの百年戦争ではエドワード黒太子とジャンヌ・ダルク。
日本の武士の鎧に対して、「中世の甲冑」が詳しく解説されていました。
実際、チャンチャンバラバラ戦ったら、どっちが強いんでしょうね。
そんなSFアクション映画があってもよさそうなモンですけど。。
「近代の戦争」は1492年~1750年が対象となっています。
最初はオスマン帝国の栄光と衰退。
16世紀のオスマン帝国の歩兵はマスケット銃を使って正確に射撃していたそうで、
銀メッキに彫刻も美しい銃と、剣・・。いやいや、近くで実物を見てみたくなりますね。
そして戦争は遂に「アメリカ大陸」でも繰り広げられることになります。
それはスペインによるメキシコとペルーの征服。
わかりやすく言うと「アステカ帝国とインカ帝国の征服」です。
さらに北アメリカでは英国などが入植者として、先住民と戦います。
まだこの17世紀の時点では、今の米国人は存在しません。
米国人と言えるのはアメリカ・インディアンですね。
日本では「戦国時代」の真っ只中。
織田信長に徳川家康も紹介されつつ、1600年の「関ヶ原の戦い」、1615年の「大阪夏の陣」も。
序文にも書かれていますが、「アングロサクソンの視線」で書かれた本書ですから、
少し気にしつつ読みましたが、実は日本史もまったくダメなヴィトゲンシュタインですから、
まったく違和感ありませんでした。
ちなみに織田信長の紹介はこんな感じです。
「最初に天下統一の歩を進めた偉大な覇者」。
ちょうど真ん中、180ページから「帝国と革命」。1750年~1914年まで。
フランス、オーストリア、ロシアvsプロイセンの対決、「七年戦争」です。
主役はプロイセン王、フリードリヒ2世、またの名はフリードリヒ大王です。
音楽の才能に恵まれ、絵画を愛好した教養人ですが、戦術の天才としての評判は
今尚、賛否両論があるそうですが、いずれにしてもヒトラーのアイドルであり、
ベルリン総統ブンカーの小さく質素な執務室に肖像画が掛けられていたほどです。
アメリカ独立戦争も始まって、ヨーロッパではナポレオンが台頭します。
1812年6月4日にロシアへ侵攻。
しかし10月、ロシアは敗北を認めず、やむなくモスクワから撤退することに・・。
こうして1941年にロシアに侵攻したドイツ軍の将官たちも本を読んで恐れていた、
冬の悪夢のような撤退で多くの兵が飢えと寒さで野垂れ死にするのでした。
う~む。。コレはなにか本を読んでみたいですね~。
1860年のアメリカ南北戦争。
リンカーン大統領も紹介されていますが、今回、気になった人物は、
南部連合の軍司令官、ロバート・E・リーと、北軍最高司令官ユリシーズ・S・グラント、
そしてウィリアム・T・シャーマンです。もちろん、3人とも戦車の名前。。
スピルバーグの映画「リンカーン」見逃したんですよねぇ。
「帝国主義支配下の紛争」も興味深かったですね。
西欧列強は原料と資源を求めて、米国、オーストラリア、アフリカ、インドへ。
当然、先住民の抵抗を招きます。
1857年にはインドで大反乱が起こり、デリーを奪還した英国軍は、
反逆者を絞首刑に・・。こういう写真を見ると、ナチス・ドイツの先例にしか思えません。
日本も明治維新から「西南戦争」、「戊辰戦争」、「日露戦争」と紹介。
最近、ここら辺にも興味あるんですね。靖国神社の「遊就館」で思いましたが、
第2次大戦の日本軍を理解するには、ここからやっていかないとダメな気がするんです。
まだまだ、以前から知りたいと思っていた「イタリアの統一」に、
「ドイツ帝国の誕生」、これは"鉄血宰相"ビスマルクに、普墺戦争と普仏戦争ですね。
いよいよ最後の章、「世界大戦の時代」1914年~現在。
第一次大戦の「タンネンベルクの戦い」など、数々の戦役も勉強になりますが、
各国の手榴弾やガス砲弾、迫撃砲(ミーネンヴェルファー)といった、
はじめて見る兵器のカラー写真に思わず目が行ってしまいます。
ちなみに来年は2014年、第一次大戦勃発から100周年です。勉強しないとなぁ。。
トルコではパシャが登場し、「ガリポリの戦い」。
ガリポリ・スターっていう勲章も凄いですね。
フジ出版社の「ガリポリ―第一次大戦における最大の勇気と最大の愚行」読むか・・。
おっと、著者はアラン・ムーアヘッドでしたか。。
大戦が終わると、「ロシア内戦」、「日本軍の中国侵攻」、「スペイン内戦」と続き、
ヒトラーの戦争が始まります。
「電撃戦」ではグデーリアンが紹介され、北アフリカではロンメルとモントゴメリー。
海戦も「ラプラタ沖海戦」に、「戦艦ビスマルクの撃沈」、
「バルバロッサ作戦」から、モスクワ、レニングラード、スターリングラード、クルスクと
コンパクトに重要な会戦が書かれていました。
「ドイツ爆撃」ではハンブルクとドレスデンの空襲。
英空軍爆撃機軍団を指揮したアーサー・ハリスのコメントも紹介します。
そして西部戦線はノルマンディ侵攻、アルンヘムの戦い、バルジの戦い、ラインラントの戦いと
「史上最大の作戦」、「遠すぎた橋」、「バルジ大作戦」、「レマゲン鉄橋」といった
映画の題材が目白押し。。
太平洋戦争は「ベルリンの戦い」の後に、詳しく書かれます。
真珠湾攻撃から、シンガポールとフィリピンの戦いと日本の絶頂期。
次のミッドウェー海戦を読んでみると、この戦いの結果は、
東部戦線のクルスク戦より、スターリングラードと似ているような気がしました。
第2次大戦後は「中国の内戦」です。
若い毛沢東の共産党・人民解放軍に大量の兵器が渡るのを恐れた国民党の蒋介石は
空軍に対し、自軍の部隊を爆撃するよう命じ、多数の自軍兵士を犠牲にした・・
とありますが、これはとんでもない話ですね。
ヨーロッパ戦線ではこんなムチャクチャな命令は聞いたことがありません。
次の「朝鮮戦争」も最近、気になっているヤツです。
南の国連軍は解任されたマッカーサーに代わってリッジウェイが・・。
ははぁ、あの「空挺」のリッジウェイがこんな役目を担っていたとは・・。
去年、ヒッソリと公開された「高地戦」という映画がとても評判が良いので、
ぜひ観ようと思っていたところです。
ヴェトナム戦争、中東戦争、米国同時多発テロ事件。
フォークランド紛争に湾岸戦争、チェチェン紛争、ボスニア内戦、
アフガニスタン侵攻にイラク戦争で終了します。
ふ~・・、「大図鑑」の名に恥じぬ、ボリューム満点の巨大本でした。
オールカラーなのも良い理由のひとつですが、
大きな戦争は「有名なひとつの戦役」だけを紹介するのではなく、
戦争となった経緯と、前後の戦役、そしてその終焉にまでしっかりと言及しています。
通して読むと「戦争の世界史」ではなく、「世界は戦争の歴史によって成り立っている」
ということを改めて認識できました。
そして当然ですが、その戦争の勝者によって正当化され、世界史は語られるのであり、
敗者は野蛮人として這いつくばって生きるか、或いは、絶滅する運命のようです。。
アレクサンドロス大王にしろ、ナポレオンにしろ、チンギス・ハーンにしろ、
「英雄」として描かれることが多くとも、見方を変えれば
世界史に名を残す「侵略者」であるわけですね。
R・G・グラント著の「戦争の世界史 大図鑑 」を読破しました。
2年ほど前に「ヴィジュアル版 「決戦」の世界史 -歴史を動かした50の戦い-」
という本を紹介しましたが、今回は、世界史シリーズの第2回目です。
2008年に出た360ページの大型本で、しかもオールカラー。
お値段、14940円のデカくて、重い、セレブ的な一冊です。
5000円まで古書価格が下がったら買おうと思っていましたが、
amazonでも9000円までしか下がらないので、諦めて図書館で借りてみました。
まずは「古代世界の戦争」です。
紀元前2450年ごろのシュメール文明の都市国家ラガシュと隣国ウンマの戦い。
続いてエジプト新王国の「カデシュの戦い」、ギリシャの「トロイ戦争」と続きます。
日付、兵力、死傷者等、場所と地図が最初に掲載され、
各々の戦いの推移が書かれていますが、単なる戦記ではなく、
重要な人物、例えば「カデシュの戦い」ならラムセス2世が別枠で紹介されたり、
エジプトの武器も、解説付きの現物写真と、カラーならではです。
ギリシャ・ペルシャ戦争なら歴史家ヘロドトス、
「テルモピュライの戦い」なら、映画「300」のレオニダスの像も写真で登場。
アレクサンドロス大王から、ローマ帝国の時代へ・・。
「典型的なローマ軍司令官であり、大胆で素早く主導権を握り・・」と紹介されるのは
ユリウス・カエサルです。
しかし、まぁ、興味はあってもそれほど詳しくない古代史ですから、
悲しいかな、半分も理解できないですね・・。
次の章は「中世の戦争」です。
6~7世紀のビサンチン帝国(東ローマ帝国)の戦いでは、「ギリシャの火」という武器が。
石油化合物を使った爆発物ナパームの原型だそうで、
海上戦において、敵艦目掛けて噴霧するそうです。絵が良い感じ・・。
まだまだフランク族のカール大帝(シャルルマーニュ)に、ヴァイキングの登場と、
ナチスドイツ・ファンであっても、武装SSの勉強になりますね。
さらにこの頃にはイスラム国家が成立し、ペルシャやエジプトを征服。
「コンスタティノープル包囲戦」などが紹介された後、
11世紀にはエルサレム奪還を目指す「十字軍」の戦いへと進みます。
第1回十字軍の「ドリュラエウムの戦い」では、士気をくじくために包囲された街中に
オスマン軍兵士の生首を投石器で打ち込んだ・・というのが、なんとも言えません。。
絵の生首がちょっとカワイイのが良くない。
そして13世紀にはチンギス・ハーンとその子孫たちによるモンゴルが大活躍。
西はロシアからポーランドまで遠征し、中東のバグダッドも陥落。
ドイツ人・ポーランド人らと対峙した「ワールシュタットの戦い」では、
モンゴル軍は戦勝記念品として倒れた敵の耳をそぎ落として集め、
首を槍に刺して掲げた・・と、その様子を描いた版画が掲載。
耳がザル一杯に溜まってますね・・。コレをどうするかは不明です。
フカヒレみたいな調理をイメージしてしまいますが・・。
東アジアの戦争では、チンギス・ハーンの孫、フビライが登場します。
中国へと攻め込み征服。いわゆる「元」ですか・・。
その後は「明」が台頭・・、あ~、子供の頃、もっとシッカリ勉強しとけば良かったなぁ。。
この時代に「万里の長城の西の果てに建設された要塞」の写真が出てきました。
コレは恐らく「山海関」だと思います。
ナゼ知っているかというと、ココに行ったことがあるからです・・。
ヴィトゲンシュタイン初の海外旅行は北京で、万里の長城見学がメインだったのでした。
その他、アジアの戦いでは1177年、「アンコール・ワットの破壊」。
いよいよ日本も登場し、「源平合戦」と、源義経、武士の鎧が3ページで紹介。
武士の刀も2ページぶち抜きで迫力ありますねぇ。
12世紀からのヨーロッパは、教皇、フランス、神聖ローマ帝国による三つ巴権力争い。
「ホーエンシュタウフェン家のフリードリヒⅠ世は赤い顎鬚を持つことから
バルバロッサ(赤髭王)として知られ、1152年に神聖ローマ皇帝に即位した」。
出ました。バルバロッサ。金箔貼りの頭部像でのご登場です。
ブリテン島ではイングランドvsウェールズ、イングランドvsスコットランドが定番です。
もちろん「ブレイブハート」のウィリアム・ウォレスも・・・、あ~、また観たくなってきた。
イングランドvsフランスの百年戦争ではエドワード黒太子とジャンヌ・ダルク。
日本の武士の鎧に対して、「中世の甲冑」が詳しく解説されていました。
実際、チャンチャンバラバラ戦ったら、どっちが強いんでしょうね。
そんなSFアクション映画があってもよさそうなモンですけど。。
「近代の戦争」は1492年~1750年が対象となっています。
最初はオスマン帝国の栄光と衰退。
16世紀のオスマン帝国の歩兵はマスケット銃を使って正確に射撃していたそうで、
銀メッキに彫刻も美しい銃と、剣・・。いやいや、近くで実物を見てみたくなりますね。
そして戦争は遂に「アメリカ大陸」でも繰り広げられることになります。
それはスペインによるメキシコとペルーの征服。
わかりやすく言うと「アステカ帝国とインカ帝国の征服」です。
さらに北アメリカでは英国などが入植者として、先住民と戦います。
まだこの17世紀の時点では、今の米国人は存在しません。
米国人と言えるのはアメリカ・インディアンですね。
日本では「戦国時代」の真っ只中。
織田信長に徳川家康も紹介されつつ、1600年の「関ヶ原の戦い」、1615年の「大阪夏の陣」も。
序文にも書かれていますが、「アングロサクソンの視線」で書かれた本書ですから、
少し気にしつつ読みましたが、実は日本史もまったくダメなヴィトゲンシュタインですから、
まったく違和感ありませんでした。
ちなみに織田信長の紹介はこんな感じです。
「最初に天下統一の歩を進めた偉大な覇者」。
ちょうど真ん中、180ページから「帝国と革命」。1750年~1914年まで。
フランス、オーストリア、ロシアvsプロイセンの対決、「七年戦争」です。
主役はプロイセン王、フリードリヒ2世、またの名はフリードリヒ大王です。
音楽の才能に恵まれ、絵画を愛好した教養人ですが、戦術の天才としての評判は
今尚、賛否両論があるそうですが、いずれにしてもヒトラーのアイドルであり、
ベルリン総統ブンカーの小さく質素な執務室に肖像画が掛けられていたほどです。
アメリカ独立戦争も始まって、ヨーロッパではナポレオンが台頭します。
1812年6月4日にロシアへ侵攻。
しかし10月、ロシアは敗北を認めず、やむなくモスクワから撤退することに・・。
こうして1941年にロシアに侵攻したドイツ軍の将官たちも本を読んで恐れていた、
冬の悪夢のような撤退で多くの兵が飢えと寒さで野垂れ死にするのでした。
う~む。。コレはなにか本を読んでみたいですね~。
1860年のアメリカ南北戦争。
リンカーン大統領も紹介されていますが、今回、気になった人物は、
南部連合の軍司令官、ロバート・E・リーと、北軍最高司令官ユリシーズ・S・グラント、
そしてウィリアム・T・シャーマンです。もちろん、3人とも戦車の名前。。
スピルバーグの映画「リンカーン」見逃したんですよねぇ。
「帝国主義支配下の紛争」も興味深かったですね。
西欧列強は原料と資源を求めて、米国、オーストラリア、アフリカ、インドへ。
当然、先住民の抵抗を招きます。
1857年にはインドで大反乱が起こり、デリーを奪還した英国軍は、
反逆者を絞首刑に・・。こういう写真を見ると、ナチス・ドイツの先例にしか思えません。
日本も明治維新から「西南戦争」、「戊辰戦争」、「日露戦争」と紹介。
最近、ここら辺にも興味あるんですね。靖国神社の「遊就館」で思いましたが、
第2次大戦の日本軍を理解するには、ここからやっていかないとダメな気がするんです。
まだまだ、以前から知りたいと思っていた「イタリアの統一」に、
「ドイツ帝国の誕生」、これは"鉄血宰相"ビスマルクに、普墺戦争と普仏戦争ですね。
いよいよ最後の章、「世界大戦の時代」1914年~現在。
第一次大戦の「タンネンベルクの戦い」など、数々の戦役も勉強になりますが、
各国の手榴弾やガス砲弾、迫撃砲(ミーネンヴェルファー)といった、
はじめて見る兵器のカラー写真に思わず目が行ってしまいます。
ちなみに来年は2014年、第一次大戦勃発から100周年です。勉強しないとなぁ。。
トルコではパシャが登場し、「ガリポリの戦い」。
ガリポリ・スターっていう勲章も凄いですね。
フジ出版社の「ガリポリ―第一次大戦における最大の勇気と最大の愚行」読むか・・。
おっと、著者はアラン・ムーアヘッドでしたか。。
大戦が終わると、「ロシア内戦」、「日本軍の中国侵攻」、「スペイン内戦」と続き、
ヒトラーの戦争が始まります。
「電撃戦」ではグデーリアンが紹介され、北アフリカではロンメルとモントゴメリー。
海戦も「ラプラタ沖海戦」に、「戦艦ビスマルクの撃沈」、
「バルバロッサ作戦」から、モスクワ、レニングラード、スターリングラード、クルスクと
コンパクトに重要な会戦が書かれていました。
「ドイツ爆撃」ではハンブルクとドレスデンの空襲。
英空軍爆撃機軍団を指揮したアーサー・ハリスのコメントも紹介します。
そして西部戦線はノルマンディ侵攻、アルンヘムの戦い、バルジの戦い、ラインラントの戦いと
「史上最大の作戦」、「遠すぎた橋」、「バルジ大作戦」、「レマゲン鉄橋」といった
映画の題材が目白押し。。
太平洋戦争は「ベルリンの戦い」の後に、詳しく書かれます。
真珠湾攻撃から、シンガポールとフィリピンの戦いと日本の絶頂期。
次のミッドウェー海戦を読んでみると、この戦いの結果は、
東部戦線のクルスク戦より、スターリングラードと似ているような気がしました。
第2次大戦後は「中国の内戦」です。
若い毛沢東の共産党・人民解放軍に大量の兵器が渡るのを恐れた国民党の蒋介石は
空軍に対し、自軍の部隊を爆撃するよう命じ、多数の自軍兵士を犠牲にした・・
とありますが、これはとんでもない話ですね。
ヨーロッパ戦線ではこんなムチャクチャな命令は聞いたことがありません。
次の「朝鮮戦争」も最近、気になっているヤツです。
南の国連軍は解任されたマッカーサーに代わってリッジウェイが・・。
ははぁ、あの「空挺」のリッジウェイがこんな役目を担っていたとは・・。
去年、ヒッソリと公開された「高地戦」という映画がとても評判が良いので、
ぜひ観ようと思っていたところです。
ヴェトナム戦争、中東戦争、米国同時多発テロ事件。
フォークランド紛争に湾岸戦争、チェチェン紛争、ボスニア内戦、
アフガニスタン侵攻にイラク戦争で終了します。
ふ~・・、「大図鑑」の名に恥じぬ、ボリューム満点の巨大本でした。
オールカラーなのも良い理由のひとつですが、
大きな戦争は「有名なひとつの戦役」だけを紹介するのではなく、
戦争となった経緯と、前後の戦役、そしてその終焉にまでしっかりと言及しています。
通して読むと「戦争の世界史」ではなく、「世界は戦争の歴史によって成り立っている」
ということを改めて認識できました。
そして当然ですが、その戦争の勝者によって正当化され、世界史は語られるのであり、
敗者は野蛮人として這いつくばって生きるか、或いは、絶滅する運命のようです。。
アレクサンドロス大王にしろ、ナポレオンにしろ、チンギス・ハーンにしろ、
「英雄」として描かれることが多くとも、見方を変えれば
世界史に名を残す「侵略者」であるわけですね。
いつも楽しみに拝見させていただいております。
この本はぜひ読みたいものです。
戦史を世界史のレベルで把握するのは意味がありますよね。
その意味で偉大な?将帥は国を越えて尊敬されるらしいです。
東郷平八郎はネルソンをリスペクトし、その東郷をニミッツがリスペクトするなんていうこともあったようです。
ミッドウェーはおっしゃるようにスターリングラードに近く、クルスク戦はマリアナ海戦のような感じでしょうか。
戦局を逆転すべく満を持して戦力を投入し、結局は以降の敗北の道を決定づけたという点でですが。
by ジャルトミクソン (2013-08-28 22:10)
こちらにもコメント、ありがとうございます。
本書は良かったです。たぶん3割程度しか理解できていないですから、5年後、10年後に買って読み直しても、より楽しめるんでしょう。
>東郷平八郎はネルソンをリスペクトし、その東郷をニミッツがリスペクト
ははぁ、面白いですねぇ。
「パットン対ロンメル―軍神の戦場」という本では、勇猛なパットンをルントシュテットらのドイツの元帥がリスペクトし、ロンメルは米陸軍士官学校で大人気・・、なんて話がありましたが、同じ感じですかね。同じ時代ですけど・・。
「軍艦武蔵」という本を買いましたが、まだ、マリアナ海戦とレイテ沖海戦の区別すらつかないので、その本で勉強してみます。。
by ヴィトゲンシュタイン (2013-08-29 19:15)