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ドイツ海軍 Uボート(2) ファイティングシップ・シリーズNo.4 [Uボート]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

グランドパワー別冊の「ドイツ海軍 Uボート(2) 」を読破しました。

5月に「Uボート(1)」と併せて800円で入手したデルタ出版のグランドパワー別冊です。
鮮明な写真たっぷりで人物や艦橋も詳細にわかるのも良いですが、
なんといっても艦橋に描かれたマークが楽しめます。
表紙の写真はU-204で、艦橋には「我々はそれを手に入れる」と
フランス語で書かれた珍しいマークですね。

ドイツ海軍 Uボート(2).jpg

巻頭は「Uボート(1)」のようなカラー写真ではない代わりに、
カラーイラストで7隻が描かれています。
大日本絵画の大判写真集で戦車のカラーイラストが出てくるのと同じ感じ。
そして57ページまでフォトコレクションとして白黒の写真集が続きます。
まずはギュンター・プリーンの先任だったエンドラス艦長のU-46の帰港シーン。
猛牛マークも引き継ぎ、「11008」は戦果(㌧数)を示しています。

u46.jpg

クレッチマーのU-99はパーソナルマークの代わりに
お守りの「馬蹄」が艦橋側面に取り付けられています。
まぁ、コレも「下向き」なのがダメだった・・とか、有名な逸話もあります。
海戦 連合軍対ヒトラー」にも書かれていたかな・・? 

herradura-u99.jpg

U-94は「ユニオンジャックを着たライオンを海に引きずり込もうとする魚」。
ほとんど、マンガの1シーンのようなコミカルなものも多いですが、
このようなセンスは、その艦の絵心ある水兵による気もします。

U-85.jpg

パーソナルマークという意味だと、米爆撃機の「ノーズ・アート」も良く知られていますが、
アッチは「エロい女の子」の図柄が基本・・。
伝統あるドイツ海軍ではとても許されそうがありませんね。
そしてU-97は品の良い「タツノオトシゴ」。

u-97.jpg

U-552のエーリッヒ・トップは有名な「躍る悪魔」ですが、
本書によるとこのマークは、U-57(コルス艦長)が初めて用いたものを
トップがパクッたものと伝えられているそうです。

U-552, Red Devil boat of Erich Topp.jpg

U-124は、「蛙」と「エーデルヴァイス」の2種類が描かれていて、
蛙がパーソナルマーク、エーデルヴァイスが戦隊マークのようですね。

emblema-u124.jpg

こうして58ページから、第1章「Uボートの搭載兵器」。
多数の写真と図版を用いながら、魚雷や艦橋の火砲について解説。
特にⅦC型の8.8㎝砲や、10.5㎝砲が魚雷節約のために使われたのは
Uボート戦記で良く読みますが、空からの攻撃に苦しみ出すと、
使い道が無くなって、徐々に撤去され、
3.7㎝対空砲などに取って代わられた話は印象的でした。

U106.jpg

第2章は「大西洋の戦い」。
1939年9月の開戦早々にU-30のレンプが客船アセニア号を誤って撃沈した件から、
1945年の敗戦までをコンパクトに振り返ります。

Fritz-Julius Lemp.jpg

しかし何故にUボート戦記っていうのは面白いのか・・? と振り返ってみると、
50人程度の乗組員。艦長も少尉から大尉とリアルな階級です。
基本的には大海原で商船を見つけては身ぐるみ剥がして撃沈するという、
「追い剥ぎ」のごときUボート部隊ですが、陸軍でいえば1個小隊程度であり、
たまに戦艦や空母なんかを撃沈するということは、わずか1個小隊が奇襲によって、
敵の1個連隊に勝つという考えられないような痛快さにあるんじゃないでしょうか?

U-boat emblem 2.jpg

続いて第3章は「Uボートと掩蔽壕」。いわゆるUボート・ブンカーです。
占領したフランスのビスケー湾。
北からブレスト、ロリアン、サン・ナゼール、ラ・パリス、そしてボルドー。
膨大な量の鋼材とコンクリートを用いて創られた頑丈なブンカーは、
英空軍が10㌧爆弾「グランドスラム」で5~6mの天井を貫こうと計画しますが、
爆弾の加速をつけるのに必要な高度までランカスターが上昇できないため、
6㌧爆弾「トールボーイ」26発を叩き込んでみたものの、1発も貫通せず・・。

uboot_bunker+Saint_Nazaire+Rommel.jpg

第4章は「Uボートエース」です。
普通は撃沈㌧数順で紹介される彼らですが、本書では高位の勲章順です。
ダイヤモンド剣柏葉付き騎士十字章受章者のUボート乗りはたった2人。
ヴォルフガンク・リュートアルブレヒト・ブランディです。

海軍で最初に剣柏葉付き騎士十字章を受章したのが30万㌧を撃沈したクレッチマー。
続いて「躍る悪魔」のトップ、半年後にズーレンと、似顔絵と写真で紹介。
ズーレンのマークも「黒猫の3倍」って意味不明ですね。。

u564kiosqueetemblme Reinhard Suhren.jpg

グッゲンベルガーシュネーハルデゲンなど、「独破戦線」で紹介した
エースたちがたっぷりで、クレーマーのU-333の「3尾の魚」の写真も出てきました。

u333.jpg

U-156のハルテンシュタインを出迎えるデーニッツや、騎士十字章を授けたり、
女性補助員から花束贈呈など、このような一連の写真も大好きです。

Lorient U-66.jpg

このファイティングシップ・シリーズでは、「Uボート」が(4)まで、
また、「ドイツ海軍 水上艦艇」や、「ドイツ海軍 1914~1945」もシリーズ化されており、
内容もドイツ海軍ユニフォーム写真集、ドイツ海軍主要将官、ドイツ海軍の勲章と記章、
ドイツ海軍の個人装備品、という実に美味しそうな特集もあるようなので、
安く見つけられたら、ぜひ買ってみたいと思います。
ただ、amazonで売っているのは「Uボート(3)」のみ・・しかも3000円と高額です。
地道に神保町巡りするしかなさそうですね。。



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コメント 4

IZM

はわわ。今家事やりながら、「早くヘルゴランド島のブンカー記事やらないと。。。Uボートブンカーはどう紹介しようか。。。」とモヤモヤしていたところに。。。この記事ですよ!wwwww
いつも絶妙なチャネリングありがとうございます。w 
>基本的には大海原で商船を見つけては身ぐるみ剥がして撃沈する
うわあああ~。。。 そんななんだ。
ちなみに、ヘルゴランド島の当時のUボートブンカーは、壊滅して、今は普通の港になってました。急いで着手します。
by IZM (2013-08-13 21:18) 

ヴィトゲンシュタイン

フッフッ・・。まぁ、ちょっとしたプレッシャーです。
先日も映画の「Uボート」観たばかりですし、まさに旬ですね。

>うわあああ~。。。 そんななんだ。
そうですよ。「灰色狼」ってあだ名ついてるくらいですから、英国を飢え死にさせるのが目的です。
でも食料を積んだ船なら、山ほどバナナを頂戴して、船員もちゃんと避難させたうえで撃沈し、一番近い港の方角も教えてあげるという人道的な連中です。
ヘルゴランド島、楽しみにしてます。お盆だし、ゆっくりやってください。

by ヴィトゲンシュタイン (2013-08-13 21:56) 

IZM

先ほどブンカーガイドツアーレポートUPしました。お時間あったら覗いてみてくださいませ。記事内で紹介したBigbang動画内に、少しですが、ヘルゴランド島にあったUボートブンカーの当時の様子が見られます。
by IZM (2013-08-15 17:27) 

ヴィトゲンシュタイン

おお、来た来た!
これからお伺いします。
ヤフブロとソネブロの派閥を超えたリンクっぷりですな。
by ヴィトゲンシュタイン (2013-08-15 19:25) 

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