あのころはフリードリヒがいた [戦争小説]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
ハンス・ペーター・リヒター著の「あのころはフリードリヒがいた」を読破しました。
いつもコメントしていただくドイツ在住の日本女性であるIZMさんが、先月、帰国され、
お目にかかる機会がありました。そのときのお話はコチラから・・。
そしてその際に、ナント本書をプレゼントしていただきました。
以前から本書のことは聞いていただけに、一度ページをめくると、2時間程度で一気読み!
もともとは1977年に、改定版である本書は2000年に出た255ページの
岩波少年文庫の読みやすい一冊です。

「生まれたころ(1925年)」で始まる本書。
ドイツのインフレがようやく終わろうとする時代で、主人公の「ぼく」の父親は失業者。
アパートの2階に住み、上の階には郵便局員のシュナイダーさん一家が住んでいます。
そして「ぼく」の一週間後に生まれたのがフリードリヒ・シュナイダーです。
そんなことから仲の良い付き合いが始まった両家。
もちろん「ボク」とフリードリヒも大の仲良しです。
しかし1930年になると、訪ねてきた国鉄職員の祖父がシュナイダー家のことを知り、
「この子がそのユダヤ人の子と付き合うのは承知せんぞ!」
1階に住む家主のレッシュ氏も「ユダヤ野郎め!」とフリードリヒには冷たい態度・・。

そんな反ユダヤの雰囲気は1933年にナチスが政権を取ると、激しさを増します。
アブラハム・ローゼンタール文具店の前には鉤十字の腕章を巻いた男が立ちはだかって
「ユダヤ人の店で買わないように」と立札でアピール。

一方、「ボク」は両親に内緒でヒトラー・ユーゲントの集まりに
親友のフリードリヒを新入団員として連れて行きますが、
「ユダヤ人はわれわれの災いの元だ!」と連呼する地方管区本部から来た小男の前に
彼がユダヤ人であることがバレてしまうのでした・・。

翌年にはクラスのノイドルフ先生が苦しそうにみんなに告げます。
「フリードリヒくんはもうこの学校に来られなくなった。
ユダヤ教徒だから、ユダヤ人学校に転校しなければならなくなったのだ」。
このようにユダヤ人迫害が進む中、「ボク」の父親はナチ党員となります。
そして家にシュナイダーさんを招き、自分がとても良い職につけたことを語ります。
「初めて家族揃って休暇旅行に行けるんです。<喜びを通じて力を>という、アレですよ。
私がナチ党員になったのは、家族のためになると思ったからなんですよ」。
やがて2人の話は本題へ。
「あなたたちの生活はますます酷くなるんです。家族のことを考えて、
シュナイダーさん。早くドイツから出ておいきなさい!」

1938年には「水晶の夜(クリスタルナハト)」が起こってしまいます。
アブラハム・ローゼンタール文具店のガラスは割られ、
ユダヤ人開業医の診察室が荒らされたばかりではなく、
好奇心から皆と一緒にユダヤ人寮に侵入し、ガラスを叩き割って楽しむのは「ボク」です。
しかし、帰ってくると3階に住むシュナイダー家も暴徒の標的に・・。
新聞配達のおばさんが「くたばれ、ユダヤの野郎ども!」と金切り声をあげ、
絵や本はズタズタに、ソファーも窓から放り投げられるのを見て、
母と一緒に、「ボク」も泣くのでした。

1940年には、国民全部がこの映画を観るように・・と言われていた
「ユダヤ人ジュース」をコッソリとフリードリヒと観に行きます。
髭を生やし、こめかみまで巻き毛で覆われたユダヤ人の顔が看板。
コレは先日の「映画大臣 -ゲッベルスとナチ時代の映画-」にも紹介されていた
ゲッベルスが脚本から参加した肝いり「反ユダヤ主義映画」ですね。
しかし、身分証明書でユダヤ人であることが年配の案内係にバレて大騒ぎに・・。
その背後では電灯が消え、「ドイツ週間ニュース」の
勝利のファンファーレが鳴り響くのでした。

翌年、ラビを匿っていたシュナイダーさんが逮捕されてしまいます。
たまたま家にいなかったフリードリヒは難を逃れますが、
すでに彼のお母さんも病死していてひとりぼっちに・・。
姿を消してしまったフリードリヒは、1年後にすっかり汚れた姿で戻ってきます。
そんなとき、空襲警報、続いて連合軍の爆撃機が街を襲いますが、
共同の地下防空壕へとユダヤ人を連れて行くことはできません。
爆撃は激しさを増し、ひとり屋外へと取り残されたフリードリヒが
「ぼくも入れてください!開けてくれーっ!」と絶望的に叫び、地下室のドアを叩く音が。。

本書はいわゆる児童文学というものなんでしょうが、
だからってハッピーエンドではありません。
それどころか大人のヴィトゲンシュタインが読んでも、暗い気持ちになるラストです。
う~ん。確かに反ユダヤ主義とナチスの社会を理解するのには
児童向けということではなく、日本人の大人も一度は読んでみるべきですね。
ユダヤ人から描いたものではないのが素直に入りやすい感じがしますし、
「ボク」も、両親も決して聖人ではなく、我が身可愛さに
友人にしてあげられることには限界があることがリアルに伝わってくる良書でした。
ヒトラーやナチスに興味があって、いま、コレを読んでいる少年少女諸君!
とりあえず図書館で本書を借りて、読んでみるべし!
アウシュヴィッツのガス室での何十万人と云われる大量殺戮が
実際にあったにせよ、無かったにせよ、ホロコーストに繋がる根本があります。
1925年生まれの著者リヒターによる自叙伝と思わせる本書でしたが、
本書に続いて、熱心なヒトラー・ユーゲントであった自分たち少年の姿を描いた
「ぼくたちもそこにいた」と、志願して従軍した時の実態を書いた
「若い兵士のとき」の2冊も書いており、彼の3部作となっているそうです。
コレは読むしかないなぁ。
ハンス・ペーター・リヒター著の「あのころはフリードリヒがいた」を読破しました。
いつもコメントしていただくドイツ在住の日本女性であるIZMさんが、先月、帰国され、
お目にかかる機会がありました。そのときのお話はコチラから・・。
そしてその際に、ナント本書をプレゼントしていただきました。
以前から本書のことは聞いていただけに、一度ページをめくると、2時間程度で一気読み!
もともとは1977年に、改定版である本書は2000年に出た255ページの
岩波少年文庫の読みやすい一冊です。

「生まれたころ(1925年)」で始まる本書。
ドイツのインフレがようやく終わろうとする時代で、主人公の「ぼく」の父親は失業者。
アパートの2階に住み、上の階には郵便局員のシュナイダーさん一家が住んでいます。
そして「ぼく」の一週間後に生まれたのがフリードリヒ・シュナイダーです。
そんなことから仲の良い付き合いが始まった両家。
もちろん「ボク」とフリードリヒも大の仲良しです。
しかし1930年になると、訪ねてきた国鉄職員の祖父がシュナイダー家のことを知り、
「この子がそのユダヤ人の子と付き合うのは承知せんぞ!」
1階に住む家主のレッシュ氏も「ユダヤ野郎め!」とフリードリヒには冷たい態度・・。

そんな反ユダヤの雰囲気は1933年にナチスが政権を取ると、激しさを増します。
アブラハム・ローゼンタール文具店の前には鉤十字の腕章を巻いた男が立ちはだかって
「ユダヤ人の店で買わないように」と立札でアピール。

一方、「ボク」は両親に内緒でヒトラー・ユーゲントの集まりに
親友のフリードリヒを新入団員として連れて行きますが、
「ユダヤ人はわれわれの災いの元だ!」と連呼する地方管区本部から来た小男の前に
彼がユダヤ人であることがバレてしまうのでした・・。

翌年にはクラスのノイドルフ先生が苦しそうにみんなに告げます。
「フリードリヒくんはもうこの学校に来られなくなった。
ユダヤ教徒だから、ユダヤ人学校に転校しなければならなくなったのだ」。
このようにユダヤ人迫害が進む中、「ボク」の父親はナチ党員となります。
そして家にシュナイダーさんを招き、自分がとても良い職につけたことを語ります。
「初めて家族揃って休暇旅行に行けるんです。<喜びを通じて力を>という、アレですよ。
私がナチ党員になったのは、家族のためになると思ったからなんですよ」。
やがて2人の話は本題へ。
「あなたたちの生活はますます酷くなるんです。家族のことを考えて、
シュナイダーさん。早くドイツから出ておいきなさい!」

1938年には「水晶の夜(クリスタルナハト)」が起こってしまいます。
アブラハム・ローゼンタール文具店のガラスは割られ、
ユダヤ人開業医の診察室が荒らされたばかりではなく、
好奇心から皆と一緒にユダヤ人寮に侵入し、ガラスを叩き割って楽しむのは「ボク」です。
しかし、帰ってくると3階に住むシュナイダー家も暴徒の標的に・・。
新聞配達のおばさんが「くたばれ、ユダヤの野郎ども!」と金切り声をあげ、
絵や本はズタズタに、ソファーも窓から放り投げられるのを見て、
母と一緒に、「ボク」も泣くのでした。

1940年には、国民全部がこの映画を観るように・・と言われていた
「ユダヤ人ジュース」をコッソリとフリードリヒと観に行きます。
髭を生やし、こめかみまで巻き毛で覆われたユダヤ人の顔が看板。
コレは先日の「映画大臣 -ゲッベルスとナチ時代の映画-」にも紹介されていた
ゲッベルスが脚本から参加した肝いり「反ユダヤ主義映画」ですね。
しかし、身分証明書でユダヤ人であることが年配の案内係にバレて大騒ぎに・・。
その背後では電灯が消え、「ドイツ週間ニュース」の
勝利のファンファーレが鳴り響くのでした。

翌年、ラビを匿っていたシュナイダーさんが逮捕されてしまいます。
たまたま家にいなかったフリードリヒは難を逃れますが、
すでに彼のお母さんも病死していてひとりぼっちに・・。
姿を消してしまったフリードリヒは、1年後にすっかり汚れた姿で戻ってきます。
そんなとき、空襲警報、続いて連合軍の爆撃機が街を襲いますが、
共同の地下防空壕へとユダヤ人を連れて行くことはできません。
爆撃は激しさを増し、ひとり屋外へと取り残されたフリードリヒが
「ぼくも入れてください!開けてくれーっ!」と絶望的に叫び、地下室のドアを叩く音が。。

本書はいわゆる児童文学というものなんでしょうが、
だからってハッピーエンドではありません。
それどころか大人のヴィトゲンシュタインが読んでも、暗い気持ちになるラストです。
う~ん。確かに反ユダヤ主義とナチスの社会を理解するのには
児童向けということではなく、日本人の大人も一度は読んでみるべきですね。
ユダヤ人から描いたものではないのが素直に入りやすい感じがしますし、
「ボク」も、両親も決して聖人ではなく、我が身可愛さに
友人にしてあげられることには限界があることがリアルに伝わってくる良書でした。
ヒトラーやナチスに興味があって、いま、コレを読んでいる少年少女諸君!
とりあえず図書館で本書を借りて、読んでみるべし!
アウシュヴィッツのガス室での何十万人と云われる大量殺戮が
実際にあったにせよ、無かったにせよ、ホロコーストに繋がる根本があります。
1925年生まれの著者リヒターによる自叙伝と思わせる本書でしたが、
本書に続いて、熱心なヒトラー・ユーゲントであった自分たち少年の姿を描いた
「ぼくたちもそこにいた」と、志願して従軍した時の実態を書いた
「若い兵士のとき」の2冊も書いており、彼の3部作となっているそうです。
コレは読むしかないなぁ。
ヴィト様どうも~~~。
この本お気に召して頂けた様で嬉しいです。
そうそう、ワタシもこれを買う際に最後の1行を読み返し「ウヘア。。。。。('A`)」となりましたよ。
他の2作はワタシも未読なので、いつか読みたいですね。
今「急降下爆撃」読んでいます!
by IZM (2013-04-27 20:28)
ど~も~。
面白かったですよ。完全ノンフィクションではないと思ったから、「戦争小説」のカテゴリーにしましたが、それでも生々しいですよねぇ。ボクは最後、2回読み直して、再々確認しました。。
相変わらずコメント少ないBlogですが、今回、Twitterでも何人かに取り上げられてたり、フェイスブックの「いいね!」があったりして、凄いアクセス数となっています。まぁ、ボクはどっちもやってないから何を言われているのか不明ですけど・・。続く2冊も行きますよ。
「急降下爆撃」、ゆっくり楽しんでくださいね。ボクは「桜花」読破しました。途中、2回泣きました。。
by ヴィトゲンシュタイン (2013-04-27 20:43)
ご無沙汰しております。
この本は中学生の時に友人が読んでいたのを覚えています。
今回のレビューでそのことを思い出しました。
とにかくユダヤ人が罵られて虐げられる内容だったということは覚えています。
三部作だったのですね。
当時は友人から内容を聞いただけだったので、今度読もうと思います。
IZM様
「急降下爆撃」を読んでおられますか。
最初に読んだ空戦物がこれでしたので、今でもその印象は非常に強く残っています。
冒険活劇的な面白さ以外にも多くの見どころがあり、色々な意味で貴重な作品だと思っています。
by でんこう (2013-04-28 02:10)
でんこうさん。ど~も。
そうですか、ご存知でしたか。
本書はある意味、400ページのホロコーストの研究書を1週間かけて読むより、1930年代のユダヤ人迫害の状況がとても良く理解できました。特に主人公の「ボク」も水晶の夜に加担してしまうあたりが印象的でした。
次のヒトラー・ユーゲントや新米兵士の話は、より好きなテーマなので楽しみです。
by ヴィトゲンシュタイン (2013-04-28 10:21)
ヴィト様、
この作者どんな人なのかと思って調べたら、従軍後、歴史小説家になって、一番有名なのがやはり本作にだそうですが、戦争で左腕を失くしているそうですよ。
この本、ドイツはもちろん日本でも学校で教材として使われる事も多いようなのでレビューをよんで懐かしいって思う方もいるのかも知れませんね。ワタシも言われて気づいたのでTwitterでつぶやいておきましたよwフォロワー少ないですけど。。。。www
でんこう様、ワタシにもコメントありがとうございます。ルーデルは噂には色々聞いていましたが読み始めた感じは「あ~~~、いるいるこういうちょっと偏屈なドイツ人。」という印象ですが戦争が長引く間にどうなっていくのかこれからの展開が楽しみです。ちなみにワタシの最初のドイツ空軍モノは「ドイツ夜間防空戦」だったかしら。。。?
by IZM (2013-04-29 05:17)
つぶやきのIZMさん。著者についての情報ど~も。
>戦争で左腕を失くしているそうですよ。
う~む。。そうですか。まるでドイツの水木しげるですね。。そう考えると、この後の2冊がなおさら興味深いですが、実はもう2冊ゲットしました。しかも 「ぼくたちもそこにいた」を現在、独破中です。ヒトラー・ユーゲントの生活が書かれた本は少ないので、非常に勉強になっています・・と、ボクもつぶやきたい。。
by ヴィトゲンシュタイン (2013-04-29 06:58)
ヴィトゲンシュタイン様、続編のレビューも楽しみにしております。
遅れ馳せながら私も今回の記事をツイートさせていただきました。
ドイツ軍マニアの中にはホロコーストを部分的・全面的に否定する人も少なからず見られ、驚かされることがあります。
ホロコースト以外にも、独ソ戦におけるドイツ軍の残虐行為はソ連軍がジュネーヴ条約を守らなかったからなどという一文を平気で載せている本を見つけたことがあり、大いに驚きました。
昨日行った某ミリタリーイベントではドイツ軍の軍装をした人も多くいましたが、こうした実態をどこまで理解した上で着用しているのか考えると、何やら複雑な気分になります。
IZM様、恐れ入ります。
ちょっと偏屈なドイツ人というのは確かにその通りですね。
ルーデル氏の人柄をどう捉えるかは、人によって考えが分かれるでしょうね。
「ドイツ夜間防空戦」は未読ですので、今の課題を片付けてから(苦笑)読むことにします。
by でんこう (2013-04-29 15:45)
つぶやきのでんこうさん。お気遣いど~も。
ドイツ軍とホロコーストの関係っていうのは、それがテーマの本もあるくらいですからね。。確かにドイツ参謀本部が最終的解決を策定したわけではないでしょうが、東部戦線で少なからず加担したことは事実だと思いますし、責任をナチ党とSSだけになすりつけるのには無理がありますね。
ボクはもともと「国防軍神話」を知らなかったですので、この辺りは客観的に理解できてるつもりです。またホロコースト物の時は、おチャラけたジョークは封印する・・という独自ルールも遵守しています。
とは言っても、SSの制服が格好良いとか思ったり、パルチザン掃討章の実物が欲しいなぁ・・と思うことがあるのも事実です。
敢えて言えばナチス・ドイツの魅力は、そのような2面性にあるような気もします。このBlogが続いているのもそれが理由のひとつなんでしょうね。
by ヴィトゲンシュタイン (2013-04-29 19:39)
またまた来ました。井無田です。
僕はホロコーストやジェノサイドにばかり的を絞って読み漁っているにっちな人間ですが、「悲しみの収穫」は絶対お勧めしますよ(^^)。すごい本です。
ところで
>400ページのホロコーストの研究書を1週間かけて読むより、1930年代のユダヤ人迫害の状況がとても良く理解できました。
このお言葉にはまさに膝をうった次第です。小説は侮れません。「慈しみの女神たち」や、「夜と霧」やソリー・ガノールの「命のロウソク」などの実体験ものなども小説風に読めますね。小難しい論文よりもはるかに”どういうことだったのか”理解できます!最近では「霧の中のラプンツェル」などの漫画も侮れません。
国防軍神話は私も長年追いかけている(笑)テーマでして、ドイツ国防軍のホロコーストへの関与や犯罪に関しては興味が尽きません。でもなかなかまとまったいい本がないような。。厚いヴェールに覆われているのか(笑)。
では。ながなが失礼いたしました。。
by 井無田博道 (2013-04-30 15:59)
ど~も。井無田さん。
「悲しみの収穫」、やっぱり、そうですか。これはジェノサイドと言えますからねぇ。そういえば去年に「スターリンのジェノサイド」という本も出てますが、今年のミッションのひとつですね。
小説の件も仰る通りです。フィクションだからって、史実がベースになって、著者の想いと力量があれば、多くの読者にインパクトを与えられるわけです。「霧の中のラプンツェル」というのも面白そうですね。
ドイツ国防軍に限った話ではありませんが、人間たるもの、1000人も集まれば、クソが付くほどの真面目な人間に、どうしようもない極悪人の一人もいるもんだとボクは思っています。
そのような集団を評価する場合に、誰の、どの、エピソードを紹介するかによって、イメージが変わるんですよね。。
その集団に対して最終的にどうやって総合評価を下すのかって、永遠のテーマのように思いますが、個々の事例を発掘するっていうのも確かに必要ですね。
今回「児童文学」でしたが、さすが有名だけあってか、いろいろコメントをいただき、個人的にもいろいろ考えるところが多くありました。
ぜひまた、遊びに来てください。
by ヴィトゲンシュタイン (2013-04-30 20:53)
息子に読み聞かせようと家内が買ってきた本をパラパラと見ているうちに引き込まれてそのまま一気に3度読み返してしまいました。
今になって気がついたのはアンネの日記とテーマが類似しているように見えて実は、一方は被害者から見た風景であるのに対しこれは加害者から見た風景である点で異なっています。加害者の立場からこんなにも率直に優しい眼差しで描きうるとは驚きです。日本の児童文学にもこんな作品があればいいなと思います。
by 手末才伎 (2014-09-15 08:37)
ど~も、手末才伎さん。
コメント、ありがとうございます。
加害者の立場から・・、というのがまさにポイントですね。
イジメ問題だとか、時代と国を越えていろいろ応用の利くのが本書です。
著者の分身である主人公が20歳までに経験する3部作ですから、
「ぼくたちもそこにいた」と、「若い兵士のとき」も是非ど~ぞ。
by ヴィトゲンシュタイン (2014-09-15 20:17)
お久しぶりです。
ブログ、すぐ再開するかなーと実は思っていたのですが、しませんね。
今はゆったりできていますか?
ホロコーストや迫害話は大変に苦手なのですが、ナチスブログでもこちらの読者さんはその「1000人に一人の極悪人」みたいなコメント書く方がいないので助かります。
ヴィトゲンシュタインさんがマトモだからですね。
2ちゃんねるとかの掲示板は、それっぽい奴がいたりしますが。
これが児童書ですかー。
……重い……。
児童書でも覚悟しないと読めませんね。
シュナイダーと仲よしの「ぼく」さえ、面白がって「水晶の夜」に加担してるのが衝撃です。
でも、きっとこれが「当時のリアル・ドイツ」なのでしょうね。
日本に生まれてぬくぬく育つと、こういう極限の時代が来た時にちゃんと生きていける気がしません。
被害者側でも加害者側でも。
平和でありますように!
by さくら (2014-09-17 00:34)
ど~も、さくらさん。
今回ボクも記事とコメントを読み返してみましたけど、実に良い本です。
amazonでも古書価格安いし、2時間で読めるし、
せひ、さくらさんにも読んで欲しいですね。
by ヴィトゲンシュタイン (2014-09-17 22:12)
良書のにおいを感じます。
覚悟ができたら読ませていただきますよ!
by さくら (2014-09-17 22:51)
そういえば、この記事を書いた時に、悩んだことがあったのを思い出しました。
なぜなら、今現在、酔っ払ってきたからです。。
この「あのころはフリードリヒがいた」をWebで検索したとき、中学の国語の教科書に『ベンチ』という話が載っていて、公園でデートする若い2人がユダヤ人専用のベンチに座ったり、座らなかったり・・という、本書のエピソードが抜粋されていたことを知りました。
要はユダヤ人のフリードリヒと、アーリア人の女の子が同じベンチに座ることは大変だということなんですが、中学生の頃はまともに勉強していなかったので、まったく覚えていません。
そしてこの日本で有名と思しきエピソードを敢えて記事に書かなかった理由は、なんで友達のデートのことを「ボク」が詳しく知ってんの??
という、創作っぽさが気になったからです。
もちろん、ユダヤ人専用ベンチやら、電車の専用車両やら、もろもろがあったのは知っていますが、このフリードリヒの恋愛話だけは、なぜか浮いているように感じました。
まぁ、すごく細かいことです。全体的に良い本です。なのでこの記事を書いた時には、この件には最終的に触れるのをやめました。
なんか久々に長文を書いたんで、日本語になっているかどうか心配です。。
by ヴィトゲンシュタイン (2014-09-17 23:38)
久々で酔っぱらいでも、日本語になっていますよ(笑)
あー。
自叙伝でも、多少、創作入ってるのかも知れないですね。
でも、そういう細かい部分、ふと気づくとかなり気になりますからね。
ドイツばかりじゃなく、日本もちょっとは勉強しようと思って東条英機を読んでいるのですが。
超初心者なので、知らない名前ばっかり出てきて、まったくページが進みません。
図書館に初心者向けがなくて、つい、本格派を借りてしまった。
理解できないので読み始めると必ず寝ます。
東条に申し訳ない……。
ヴィトゲンシュタインさんは今もガンガン、本、よまれているのですか?
by さくら (2014-09-18 01:51)
しらふのヴィトゲンシュタインです。
実はこの記事、独破戦線でBest10に入る人気記事なんですよね。
なので、ベンチに触れない件を疑問に思っていた人もいたんじゃないか?? と思って書いてみました。
全盛期ほどじゃないですけど、最近も読んでます。新しい本なら
「第三帝国の歴史―画像でたどるナチスの全貌」、
「アイラブユーゴ 1(大人編)」、
日本の本も結構、読んでますよ~。
「教科書には載っていない!戦前の日本」、
「ひと目でわかる「戦前日本」の真実 1936-1945」
「昭和史の謎を追う」、
「日本のいちばん長い日」、
特に最後の一冊は面白かったです。終戦の日の話で、ヒトラー最期の12日間とワルキューレ作戦をゴッチャにした感じで超オススメ。
これなら寝ないと思うなぁ・・。
by ヴィトゲンシュタイン (2014-09-18 19:41)
今日も昼寝になったさくらです。
今の本は玄人すぎて手に負えません。
こんど、そのおススメを読んでみますね。
ちなみに、ヒトラー本とか武将本とかピン、キリ、子供向きまでたくさんあるのに、毎夏、話題になる東条が少なすぎることに気付きました。
これ、ヘタすると菊批判に繋がるのが嫌で、なかなか出さないのでしょうか?
この記事、BEST10にはいるのですか!
児童書なのに。
「教科書で読んで知ってるから」もあるのかな?
ちなみにBEST10、全部知りたいのですが(^^;
by さくら (2014-09-18 21:51)
あ~~、東条=菊批判繋がる・・。
なるほど。。確かにそうかもしれません。
さくらさんも失礼ながら、なかなかエグいところ付きますねぇ。
ご要望のBest10。初めてちゃんと調べてみました。
5年間の累積アクセス数なので1年前にUPした本書は入っていませんでした。
①1945年・ベルリン解放の真実 戦争・強姦・子ども
②ナチズムと強制売春 強制収容所特別棟の女性たち
③ベルリン終戦日記
④誰がムッソリーニを処刑したか
⑤捕虜 -誰も書かなかった第二次大戦ドイツ人虜囚の末路
⑥戦時広告図鑑
⑦ドイツ軍装備大図鑑 制服・兵器から日用品まで
⑧虐殺!アウシュビッツ
⑨ティーガー戦車隊
⑩写真でみる女性と戦争
これでわかることは、やっぱり従軍慰安婦問題だとかがベースとなった、
「戦争」、「レイプ」、「強姦」、「強制売春」といったキーワードでのアクセスが多いということですね。
あとは「捕虜」とか、「アウシュヴィッツ」ですか。
20位くらいまで検索しましたが、カテゴリーでいうと、「女性と戦争」の記事が非常に多いです。
女性の独破戦線ファンが多いのは、そんなことが理由なのかも知れませんね。
こんな風に調べたのは初めてなので、我ながら面白かったですよ。
by ヴィトゲンシュタイン (2014-09-18 23:10)
女性物が多いですか。
「ナチス」「兵器」「ミリタリ」「戦争」とかって、もう、男性だらけのイメージですが、ここのブログは変わり種なのですねえ。
10位までだと「図鑑」「写真」とかの眺める系もたくさんありますね。
面白いです。
by さくら (2014-09-19 01:27)
おっと、1冊漏らしてました。
第5位に入るのは「ナチスがUFOを造っていた」でした。以降ずれます。
しかし・・、コレが人気あるというのも複雑ですね。。
結局のところ、「兵器」だとかを紹介するサイトはたくさんある反面、エヴァ・ブラウンだか、ゲリだとか、ベルリンの強姦だとかをコレだけ紹介しているところは少ないということなんでしょうね。
by ヴィトゲンシュタイン (2014-09-19 07:00)
ついでのお話。
いま「独破戦線」で検索したら、2chの軍事スレがいくつかヒットしました。
お前らもお世話になっているであろうブログ独破戦線が終わるらしい
かなり残念
独破戦線が近々更新停止するらしいですね...結構参考にしてたから悲しいなぁ…
それは本当か!?
根暗のキチガイ多そう(偏見)なナチオタ系の中でも反して紳士的で温厚なブログ主の事が好きだったんだよ!!
健全なコンテンツは力尽き、大衆にウケる(意味深)コンテンツが跋扈するんだよなあ(しんみり)
だそうです。2chのみなさん。ありがとう。
by ヴィトゲンシュタイン (2014-09-19 07:19)
2ちゃんの皆さん、有難う。
「根暗のキチガイ多そう(偏見)なナチオタ系の中でも反して紳士的で温厚なブログ主の事が好きだったんだよ!!」
これ、爆笑するほど大賛成です。
2ちゃんはまあ、キチガイ多いですが、たいがいはまともな人ですしね。
by さくら (2014-09-19 13:39)
ヴィト様 お久しぶりです。 お変わりありませんか?
久々にワタシも本の感想記事をかきまして(日本軍の話ですが)、「まだ読んでない本」のネタでこちらにリンクさせて頂いたのでご報告がてら書き込みです。 「フリードリヒ」はどうせ読み返すなら原著に挑戦してみるかと、独語で買ってみたものの、開いてさえいない自分にどうか喝を入れてください。。。
季節の変わり目ですが、ご自愛ください。
by IZM (2015-03-07 21:46)
ど~も、IZMさん。
この1週間ほど生活が乱れてて、ボクも2日ほど本を読んでいません。
いま「私は、スターリンの秘書だった」を独破中なんですが、もう10日もかかってるし・・。なので「喝」なんか入れられる立場にありません。。
記事、拝見しましたが、そういえば「永遠の0」、最近、向井理くん主演のドラマがTVでやっていたようですが、なぜかスルー。映画も観てないし、本も未読。
なのにずっと観たかった「ネレトバの戦い」が1時間前からCSで放映されていて大ショック! 再放送待ちにします。
今、NHKでそちらのメルケル首相がこちらに来日して、「日独」関係強化・・っていうニュースやってます。相変わらず絶妙なタイミングで笑っちゃいますね。
by ヴィトゲンシュタイン (2015-03-09 19:15)
メルケル来日に合わせて書き込んだつもりは無いんですがwww 中国とあれだけ蜜月だった後にしれ~っと「日独」関係強化とか、本当にナンナンダヨと。
政治ってそういうものなのかもしれませんが。。。
現ドイツ防衛大臣のライエンが地元の駐屯地に来るっていうので地元紙の1面に記事になってます。防衛大臣がわざわざ来ることなんてめったに無いのに。オランダ国境と近いのでオランダの大隊とも打ち合わせ~とすでに発表してるので欧州軍構想実現~の方向に向かってるようで、なんか物騒というか、ようやくユーロをまとめる敵が出来たってことかと。。。。
by IZM (2015-03-09 21:31)
そのメルケルさんが今日、日韓両国懸案の「慰安婦問題はきちんと解決した方がいい」などと言って帰って行ったそうな・・。
その結果、IZMさんにもコメントしてもらったことのある「ナチズムと強制売春」という記事が現在、爆発的に読まれることになってます。。
お前が言うな! って感じなのかな??
by ヴィトゲンシュタイン (2015-03-10 19:51)
なんでお父さんはフリドリヒがヘルがに会いに行く時少しためらったのでしょうか?
by 黒毛和牛 (2015-06-22 00:59)
ど~も、黒毛和牛さん。
2年前なので読み返さないとわかりません。何ページですか?
by ヴィトゲンシュタイン (2015-06-22 06:50)
初めてこのブログを読ませていただきました。大変な読書家であるうえ、簡潔かつ見やすい内容要約でたいへん感じ入りました。個人的に「太平洋戦争、第2次世界大戦で庶民に何か起こったか」とのテーマで、いくつか調べ物をしているもので、今後資料探しの上で参考にさせていただきたいと思います。ところで、このブログに初めて接した今日、1年半以上「本棚の飾り」と化していた『あのころはフリードリヒがいた』を読了しました。正直いって読んで辛くなる内容でしたが、「一般人が戦争に巻き込まれる過程」をリアルに表現していると感じました。何より、ユダヤ人に対する人種差別が、単なる「虫の好かない奴らへのいじわる」から、「社会の敵はひとからげに抹殺」のレベルまで競り上がっていく恐ろしさが分かります。「整然たる美しさを持つナチスドイツ」が持つ暗部を垣間見た気がしました。
by maurunamu1 (2015-12-06 22:43)
maurunamu1さん。はじめまして。
>「太平洋戦争、第2次世界大戦で庶民に何か起こったか」とのテーマ
そうですか。ボクも同じように興味があって、そのような本、ナチス政権下の市民の暮らし的な本も好んで読んでいます。
本書は仰る通り、児童文学とは思えない恐ろしさを感じますね。
by ヴィトゲンシュタイン (2015-12-09 11:58)