ナチスの女たち -秘められた愛- [女性と戦争]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
アンナ・マリア ジークムント著の「ナチスの女たち -秘められた愛-」を読破しました。
2009年発刊で2巻組みの、この「ナチスの女たち」は、2年前にボルマンの奥さんや
ユニティ・ミトフォード、ハンナ・ライチュらが紹介された「-第三帝国への飛翔-」を
独破済みですが、なんといってもリナ・ハイドリヒが出ていたのがアッチを購入した理由でした。
本書はゲーリングの2人の奥さんにゲッベルスの奥さん、レニ・リーフェンシュタールと
ゲリとエヴァ、「ヒトラーをめぐる女性たち」を書いたヘンリエッテ・フォン・シーラッハ・・
というかなりメジャーな人選です。
彼女たちについてはソコソコ読んでいるのもあってパスしていましたが、
実は最近興味のあった「全国婦人指導者」のゲルトルート・ショルツ=クリンクが出ている・・
ということに気がついたので、早速、購入して読んでみました。
最初はカリン・ゲーリングからです。
新婚早々、「ミュンヘン一揆」でゲーリングが銃弾を受け、イタリアなど国外を転々としながら
モルヒネ中毒になってしまった旦那を介護するカリン。
そして彼女自身も心臓を患い、余命幾許もない・・といういつもながらの悲しい展開。。
主に「ゲーリング」など過去に読んだものと特に変わりはありませんが、
このゲーリングが最も辛かった時期に彼を支えたカリンを死後も愛した・・ということを
改めて理解できました。
ゲーリングの2番目の妻、エミーの章では、亡妻をいまだ愛する夫が
カリンハルと名付けた別荘に、ヨットにもカリンⅠ号、Ⅱ号などと付けたのは有名ですが、
実はエミーの名を付けたものもあったそうです。
それは「エミーハル」と呼ばれるようになった、つつましい「狩猟小屋」。。
コレは女性にとってどうなんでしょうかね。。エミーは喜んだんでしょうか?
1930年にゲッベルスの個人資料係となり、その一年後に11歳のヒトラー・ユーゲントの息子、
ハーラルトを連れて上司と結婚したマグダ(本書ではマクダ)・ゲッベルス。
その後3回の流産を含め、19年間に10回妊娠して7回出産と、ナチ信奉の女性らしく大忙しです。
「総統にささげた子供たち」による母親十字章の初叙勲者であるというのは初めて知りました。
開戦後は律儀に戦時徴用に服し、招待客に対しても食料配給券を出すよう強要した・・そうですが、
「健康帝国ナチス」でも、ニシンと茹でたジャガイモを食べ続け、客にも平気でソレを・・
と書かれていたのは、こういう理由からなのかも知れませんね。
レニ・リーフェンシュタールは、「意志の勝利」と「オリンピア」という2つの映画の撮影秘話と
ヒトラーと宣伝大臣ゲッベルスとの関係。そして彼女自身がナチ崇拝者だったのか・・?
という内容で進みます。
個人的に本書のメインであるゲルトルート・ショルツ=クリンクの章はジックリ読みました。
1902年生まれの彼女は19歳の時にナチ党共鳴者のオイゲン・クリンクと結婚し、
党の社会福祉活動・・すなわち、SA隊員の炊事を引き受け、同志の子供たちを保育し、
針仕事にも精を出します。
しかし、旦那はデモ中に心臓発作で死亡。その後、バーデン地方の大管区女性部長として、
党の行事にも演説者として登場するほどに・・。
1932年にはギュンター・ショルツと再婚し、内務省に招かれて、「女性労働奉仕指導者」となります。
2年後には「全国婦人指導者」としてナチの女性機関すべての最高責任者に任命。
張り切る彼女は、全ドイツ人女性を管轄することを要求しますが、そうは問屋が卸しません。。。
女性に優しいナチ党は、本来女性蔑視であり、女性の社会進出は望んでおらず、
党の幹部という地位にも女性の入り込む余地はないのです。
結局のところ、労働戦線のロベルト・ライは働く女性も統括することを要求し、
ヴァルター・ダレは「全国栄養部会」に農民女性の返還を請求し、
シーラッハも「ドイツ青年女性同盟(BdM)」を自分の勢力圏から離脱させる考えもありません。
「我が闘争」を福音書と思い込み、ローゼンベルクと文通して「20世紀の神話」も学ぶゲルトルート。
火の如き熱意をもってナチのイデオロギーを実践に移すため、会議から会議、
数限りない講演をこなし、「ドイツ民族の勤めと奉仕による女性の民族水準の高揚」を訴えます。
しかし、ナチ党に情熱を傾け過ぎるあまり、旦那に非難されて離婚・・。
さらに党の要人の妻たちは演説に来ないばかりか、出版物も読まず、距離を取ることに傷つく彼女。
1940年に6人の子沢山のSS大将、「キング・オブ・アルゲマイネSS」ことハイスマイヤーと再婚。
戦局の悪化した1944年でも「母親たちよ、祖国を支えよ!」と訴えますが、
1945年になると旦那と共に地下へ潜伏。
米軍占領地で3年間発見されずに生活するものの、1948年に逮捕・・。という経歴です。
本人は信念を持ってやっていたのでしょうが、良いように利用されていたという
ちょっと可哀そうなひとにも感じました。
ちなみにハイスマイヤーSS大将(Obergruppenführer=上級集団指導者)ですが、
本書ではなぜか親衛隊分隊長・・と訳されています。。。コレじゃSS軍曹級ですね。。
SS曹長のOberscharführerと間違えてるのかも知れません。
ゲリの章では、ヒトラーの運転手のエミール・モーリスと恋に落ちて、コッソリ婚約・・という
有名な話以外にも、1993年にオークションにかけられたという彼女がモーリスに宛てた
ラブレターも掲載されています。
ヒトラーが友人たちに結婚を勧めていたにも関わらず、
激怒したヒトラーによってクビになったモーリスも確かに可哀想ですが、
ゲリより10歳以上も年上のモーリスは軽そうな風貌ですし、
この一件から「誰にもゲリは渡さん・・」とヒトラーが考えていたと解釈するよりは、
「こんなチャラ男に大事な姪はやれん・・」と考えたほうが自然のような気もしますね。
叔父と姪のエロティックな関係の証拠とされる、ゲリの裸体の水彩デッサンですが、
1929年という日付とサインを入れていることから、権力の座を狙う政治家がやることか??
敵の手に渡っちゃったらどうすんの・・? という感じで、
あのクーヤウの描いた贋作ではないか・・と推測しています。
また、ゲリの自殺後のヒトラーの態度については、自身の政治生命ばかりを気にし、
直後は友人の家で過ごして、ウィーンに埋葬されるゲリの葬儀にも参列しなかった・・と
その無関心ぶりを強調していますが、以前に読んだトーランドの「アドルフ・ヒトラー」では
憔悴しきったヒトラーが自殺しないよう友人が家に匿ったり、
ヒトラーはオーストリアへの入国が禁止されていた・・
という話だったと思いますが、まぁ、ゲリにはいろいろな説と解釈があるものですね。
エヴァ・ブラウンは以前に紹介した「エヴァ・ブラウン」とほとんど同じと言って良いでしょう。
右腕を長時間挙げることが仕事のヒトラーが、毎朝、窓を開け放って
エキスパンダーで鍛える姿をエヴァが目撃した・・とか、
基本的にヒトラーと一緒に写ったものは公式にはない・・とされているエヴァの写真も
唯一、1936年の冬季オリンピックで写ってしまったものが存在する・・という
写真の紹介 ↓ は面白かったですけどね。
最後はヘンリエッテ・フォン・シーラッハです。
ヒトラー専属写真家ホフマンの娘として、ヒトラーに可愛がられ、12歳にしてバイロイト音楽祭で
ヒトラーの隣りに座ってワーグナーのオペラに耳を傾けた・・という彼女の生い立ちから、
ヒトラー・ユーゲント指導者のフォン・シーラッハとの結婚、ウィーン大管区指導者の妻としての生活、
そして戦後までが詳しく書かれています。
しかしなんといってもヘンリエッテが旦那と共にヒムラー邸に食事に招かれた話が最高でした。
嫁さんマルガレーテの尻に完全に敷かれ、厳しい口調で「ハインリヒ」と呼びつけられる
冷遇されたSS全国指導者の哀れな姿・・。
確かこの嫁さんはヒムラーより8歳年上だったと思いますが・・。
そして後に、このSS全国指導者が勇気を奮い起こして愛人を作った・・という噂を聞くのです。
本書ではこれ以上触れられていませんが、この愛人はヒムラーの秘書だった
ヘトヴィヒ・ポトハストという女性で、
このような ↓ 写真はまさに典型的な「鬼嫁から解放された男」の図ですね。。
本書の特徴は取り上げられた女性たちの生い立ちから死までを綴っているところです。
第三帝国の歴史の中で死んでしまったカリンやマグタ、ゲリにエヴァ以外の
エミーとレニ、ショルツ=クリンク、ヘンリエッテの晩年も知ることが出来ます。
「第三帝国とヒトラーの女」といった本は、まだまだ出版されています。
ヴィトゲンシュタインが知っているだけでも、
マグダなら「炎と闇の帝国―ゲッベルスとその妻マクダ」も気になりますし、
レニは本書でも引用されている、そのものズバリ「回想」という回想録の上下巻が出ているほか、
「レニ・リーフェンシュタールの嘘と真実」という500ページ越えの大作も・・。
エヴァも「エヴァの愛・ヒトラーの愛―独裁者を恋した女の生涯」のほかに
今年の1月にも「ヒトラーに愛された女 (真実のエヴァ・ブラウン) 」が出ましたが、
コレはパスかな・・。
他にも、13人の女たちが取り上げられている「ヒトラーをめぐる女たち」は、
本書の女性たちとカブっているものの、ヒトラーの母クララに始まり、
1920年代にヒトラーの面倒を見たハンフシュテングル婦人、
そしてユンゲ嬢よりヒトラーの秘書を長く勤めたクリスタ・シュレーダーというのに惹かれますね。
それからヒトラーだけではありませんが、「女と独裁者―愛欲と権力の世界史」という
今年の4月に出たばっかりの本も・・。
登場する独裁者はムッソリーニにレーニン、ヒトラー、スターリン、毛沢東とその女たち。
そして何故かエレナ・チャウシェスク・・。最後だけ、「女の独裁者」ということ??
アンナ・マリア ジークムント著の「ナチスの女たち -秘められた愛-」を読破しました。
2009年発刊で2巻組みの、この「ナチスの女たち」は、2年前にボルマンの奥さんや
ユニティ・ミトフォード、ハンナ・ライチュらが紹介された「-第三帝国への飛翔-」を
独破済みですが、なんといってもリナ・ハイドリヒが出ていたのがアッチを購入した理由でした。
本書はゲーリングの2人の奥さんにゲッベルスの奥さん、レニ・リーフェンシュタールと
ゲリとエヴァ、「ヒトラーをめぐる女性たち」を書いたヘンリエッテ・フォン・シーラッハ・・
というかなりメジャーな人選です。
彼女たちについてはソコソコ読んでいるのもあってパスしていましたが、
実は最近興味のあった「全国婦人指導者」のゲルトルート・ショルツ=クリンクが出ている・・
ということに気がついたので、早速、購入して読んでみました。
最初はカリン・ゲーリングからです。
新婚早々、「ミュンヘン一揆」でゲーリングが銃弾を受け、イタリアなど国外を転々としながら
モルヒネ中毒になってしまった旦那を介護するカリン。
そして彼女自身も心臓を患い、余命幾許もない・・といういつもながらの悲しい展開。。
主に「ゲーリング」など過去に読んだものと特に変わりはありませんが、
このゲーリングが最も辛かった時期に彼を支えたカリンを死後も愛した・・ということを
改めて理解できました。
ゲーリングの2番目の妻、エミーの章では、亡妻をいまだ愛する夫が
カリンハルと名付けた別荘に、ヨットにもカリンⅠ号、Ⅱ号などと付けたのは有名ですが、
実はエミーの名を付けたものもあったそうです。
それは「エミーハル」と呼ばれるようになった、つつましい「狩猟小屋」。。
コレは女性にとってどうなんでしょうかね。。エミーは喜んだんでしょうか?
1930年にゲッベルスの個人資料係となり、その一年後に11歳のヒトラー・ユーゲントの息子、
ハーラルトを連れて上司と結婚したマグダ(本書ではマクダ)・ゲッベルス。
その後3回の流産を含め、19年間に10回妊娠して7回出産と、ナチ信奉の女性らしく大忙しです。
「総統にささげた子供たち」による母親十字章の初叙勲者であるというのは初めて知りました。
開戦後は律儀に戦時徴用に服し、招待客に対しても食料配給券を出すよう強要した・・そうですが、
「健康帝国ナチス」でも、ニシンと茹でたジャガイモを食べ続け、客にも平気でソレを・・
と書かれていたのは、こういう理由からなのかも知れませんね。
レニ・リーフェンシュタールは、「意志の勝利」と「オリンピア」という2つの映画の撮影秘話と
ヒトラーと宣伝大臣ゲッベルスとの関係。そして彼女自身がナチ崇拝者だったのか・・?
という内容で進みます。
個人的に本書のメインであるゲルトルート・ショルツ=クリンクの章はジックリ読みました。
1902年生まれの彼女は19歳の時にナチ党共鳴者のオイゲン・クリンクと結婚し、
党の社会福祉活動・・すなわち、SA隊員の炊事を引き受け、同志の子供たちを保育し、
針仕事にも精を出します。
しかし、旦那はデモ中に心臓発作で死亡。その後、バーデン地方の大管区女性部長として、
党の行事にも演説者として登場するほどに・・。
1932年にはギュンター・ショルツと再婚し、内務省に招かれて、「女性労働奉仕指導者」となります。
2年後には「全国婦人指導者」としてナチの女性機関すべての最高責任者に任命。
張り切る彼女は、全ドイツ人女性を管轄することを要求しますが、そうは問屋が卸しません。。。
女性に優しいナチ党は、本来女性蔑視であり、女性の社会進出は望んでおらず、
党の幹部という地位にも女性の入り込む余地はないのです。
結局のところ、労働戦線のロベルト・ライは働く女性も統括することを要求し、
ヴァルター・ダレは「全国栄養部会」に農民女性の返還を請求し、
シーラッハも「ドイツ青年女性同盟(BdM)」を自分の勢力圏から離脱させる考えもありません。
「我が闘争」を福音書と思い込み、ローゼンベルクと文通して「20世紀の神話」も学ぶゲルトルート。
火の如き熱意をもってナチのイデオロギーを実践に移すため、会議から会議、
数限りない講演をこなし、「ドイツ民族の勤めと奉仕による女性の民族水準の高揚」を訴えます。
しかし、ナチ党に情熱を傾け過ぎるあまり、旦那に非難されて離婚・・。
さらに党の要人の妻たちは演説に来ないばかりか、出版物も読まず、距離を取ることに傷つく彼女。
1940年に6人の子沢山のSS大将、「キング・オブ・アルゲマイネSS」ことハイスマイヤーと再婚。
戦局の悪化した1944年でも「母親たちよ、祖国を支えよ!」と訴えますが、
1945年になると旦那と共に地下へ潜伏。
米軍占領地で3年間発見されずに生活するものの、1948年に逮捕・・。という経歴です。
本人は信念を持ってやっていたのでしょうが、良いように利用されていたという
ちょっと可哀そうなひとにも感じました。
ちなみにハイスマイヤーSS大将(Obergruppenführer=上級集団指導者)ですが、
本書ではなぜか親衛隊分隊長・・と訳されています。。。コレじゃSS軍曹級ですね。。
SS曹長のOberscharführerと間違えてるのかも知れません。
ゲリの章では、ヒトラーの運転手のエミール・モーリスと恋に落ちて、コッソリ婚約・・という
有名な話以外にも、1993年にオークションにかけられたという彼女がモーリスに宛てた
ラブレターも掲載されています。
ヒトラーが友人たちに結婚を勧めていたにも関わらず、
激怒したヒトラーによってクビになったモーリスも確かに可哀想ですが、
ゲリより10歳以上も年上のモーリスは軽そうな風貌ですし、
この一件から「誰にもゲリは渡さん・・」とヒトラーが考えていたと解釈するよりは、
「こんなチャラ男に大事な姪はやれん・・」と考えたほうが自然のような気もしますね。
叔父と姪のエロティックな関係の証拠とされる、ゲリの裸体の水彩デッサンですが、
1929年という日付とサインを入れていることから、権力の座を狙う政治家がやることか??
敵の手に渡っちゃったらどうすんの・・? という感じで、
あのクーヤウの描いた贋作ではないか・・と推測しています。
また、ゲリの自殺後のヒトラーの態度については、自身の政治生命ばかりを気にし、
直後は友人の家で過ごして、ウィーンに埋葬されるゲリの葬儀にも参列しなかった・・と
その無関心ぶりを強調していますが、以前に読んだトーランドの「アドルフ・ヒトラー」では
憔悴しきったヒトラーが自殺しないよう友人が家に匿ったり、
ヒトラーはオーストリアへの入国が禁止されていた・・
という話だったと思いますが、まぁ、ゲリにはいろいろな説と解釈があるものですね。
エヴァ・ブラウンは以前に紹介した「エヴァ・ブラウン」とほとんど同じと言って良いでしょう。
右腕を長時間挙げることが仕事のヒトラーが、毎朝、窓を開け放って
エキスパンダーで鍛える姿をエヴァが目撃した・・とか、
基本的にヒトラーと一緒に写ったものは公式にはない・・とされているエヴァの写真も
唯一、1936年の冬季オリンピックで写ってしまったものが存在する・・という
写真の紹介 ↓ は面白かったですけどね。
最後はヘンリエッテ・フォン・シーラッハです。
ヒトラー専属写真家ホフマンの娘として、ヒトラーに可愛がられ、12歳にしてバイロイト音楽祭で
ヒトラーの隣りに座ってワーグナーのオペラに耳を傾けた・・という彼女の生い立ちから、
ヒトラー・ユーゲント指導者のフォン・シーラッハとの結婚、ウィーン大管区指導者の妻としての生活、
そして戦後までが詳しく書かれています。
しかしなんといってもヘンリエッテが旦那と共にヒムラー邸に食事に招かれた話が最高でした。
嫁さんマルガレーテの尻に完全に敷かれ、厳しい口調で「ハインリヒ」と呼びつけられる
冷遇されたSS全国指導者の哀れな姿・・。
確かこの嫁さんはヒムラーより8歳年上だったと思いますが・・。
そして後に、このSS全国指導者が勇気を奮い起こして愛人を作った・・という噂を聞くのです。
本書ではこれ以上触れられていませんが、この愛人はヒムラーの秘書だった
ヘトヴィヒ・ポトハストという女性で、
このような ↓ 写真はまさに典型的な「鬼嫁から解放された男」の図ですね。。
本書の特徴は取り上げられた女性たちの生い立ちから死までを綴っているところです。
第三帝国の歴史の中で死んでしまったカリンやマグタ、ゲリにエヴァ以外の
エミーとレニ、ショルツ=クリンク、ヘンリエッテの晩年も知ることが出来ます。
「第三帝国とヒトラーの女」といった本は、まだまだ出版されています。
ヴィトゲンシュタインが知っているだけでも、
マグダなら「炎と闇の帝国―ゲッベルスとその妻マクダ」も気になりますし、
レニは本書でも引用されている、そのものズバリ「回想」という回想録の上下巻が出ているほか、
「レニ・リーフェンシュタールの嘘と真実」という500ページ越えの大作も・・。
エヴァも「エヴァの愛・ヒトラーの愛―独裁者を恋した女の生涯」のほかに
今年の1月にも「ヒトラーに愛された女 (真実のエヴァ・ブラウン) 」が出ましたが、
コレはパスかな・・。
他にも、13人の女たちが取り上げられている「ヒトラーをめぐる女たち」は、
本書の女性たちとカブっているものの、ヒトラーの母クララに始まり、
1920年代にヒトラーの面倒を見たハンフシュテングル婦人、
そしてユンゲ嬢よりヒトラーの秘書を長く勤めたクリスタ・シュレーダーというのに惹かれますね。
それからヒトラーだけではありませんが、「女と独裁者―愛欲と権力の世界史」という
今年の4月に出たばっかりの本も・・。
登場する独裁者はムッソリーニにレーニン、ヒトラー、スターリン、毛沢東とその女たち。
そして何故かエレナ・チャウシェスク・・。最後だけ、「女の独裁者」ということ??
こんばんは~
>コレは女性にとってどうなんでしょうかね。。
Aurichのブンカーを一緒に探検に行った友人とも一度そんな話題になった時、「死んじゃった人には絶対に敵わないよねえ~!だって、思い出の中の人が一番だもの。」と話していたんですが、時代も今とちょっと違うから、エミーさんの感情というと、どうだったんでしょうね。
レ二さんの話は気になるので、いつかちゃんと彼女について書かれた本読みたいですね。
「鬼嫁から解放された男」の図が笑えましたwww
by IZM (2012-06-24 05:36)
ど~も。
以前何冊か読んだ感じでは、エミーはそんな旦那の想いをやっぱり受け入れていた(亡妻とは勝負せず)ようですが、それにしても豪華なカリンハルに比べてつつましい「狩猟小屋」っていうのは、ちょっと可哀そうな気がしました。
ボクもそのうち、レニの本をちゃんと読もうと思っているので、今回は端折った次第です。「意志の勝利」と「オリンピア」の映画監督が男だったら、こんなに言われてないんじゃないかと思っているんですよねぇ。
by ヴィトゲンシュタイン (2012-06-24 19:22)
ゲリを調べたいと思ってここへ来たのに、一番ウケたのはヒムラーでした。
尻に敷かれていたのか……。
ヒムラーって行動のギャップがありすぎて、どんな人間なのかさっぱり分かりません。
会社の仕事を全力でこなすサラリーマンなのでしょうか?
by さくら (2015-02-12 17:14)
まぁ、年上の奥さんと結婚した当時はまだSSは数百人規模で給料も安く、奥さんの資産で養鶏を営んだものの、あえなく倒産・・と、頭が上がらない、うだつも上がらない旦那だったんでしょう。
また、総統に言われたことを忠実に守る性格など、親の言いつけに従う感じで、No.1になる野心もなく、家でも亭主関白よりも、年上奥さんの言いなりになることが性格的に楽なのかも知れませんね。ファザコン、マザコンって気もします。
この人の性格分析が出来たら、本が出版できますよ。
by ヴィトゲンシュタイン (2015-02-13 09:22)
ヴィトゲンシュタインさんのコメントはいつも雑談だけじゃなく(それも楽しいのですが)情報がみちっと詰まってて読み応えが凄いです。
本、書いて下さい。
ブログ読者が待ってます。
by さくら (2015-02-14 00:29)
コメントに情報・・ですか。
なるほど、考えてみると、独破戦線で書いているのは本の内容と、その感想がほとんどで、ナチス有名人や各々の組織について、独自の見解を述べることがあまりなかったんですね。
ですから、そんな欲求不満がコメントに表れちゃうのかも知れません。
by ヴィトゲンシュタイン (2015-02-14 21:26)
じゃあ、本出すか、ブログ再開してください!
レビューだけでなく、別コーナーつくればいいじゃないですか。
お忙しいなら月数回で。
by さくら (2015-02-14 23:52)
本を書くにしてもネタ(テーマ)が無いんですよねぇ。
単にナチスがどうのこうの・・てのも、どうかと思いますし。。
あえて言えば時事ネタとして、例のイスラム国と絡めたテーマでしょうか。
TVニュースで外国人戦闘員の多いイスラム国のフランス人を取り上げてて、彼らが「イスラム国にはガッカリしたから帰国しました」って帰ってきたら、フランス政府と国民は受け入れるのか?? ってやってました。
国内でテロ起こすかもしれないし、無罪放免にはできないですよね。
コレと同じようなことが1945年にも起こっています。
ベルリン最終戦で最後まで戦っていたのがフランス人や北欧などの義勇武装SS兵です。
彼らはナチス・ドイツがすでに負けたと知っていても、だからといって「や~めた」と帰国することはできなかったんですね。
反逆者、売国奴扱いされてしまうわけですから、もう最後まで戦うしかなかったわけです。
バグダーディーをヒムラーに置き換えても良いし、2人とも中世のような思想があったり、イスラム国と武装SSの共通点って結構、多いように思うんです。
まぁ、でもイスラム教についての知識がないんで、そんな本は書けません。
by ヴィトゲンシュタイン (2015-02-15 19:43)
それ!
実にタイムリーでいいテーマじゃないですか!
イスラム国について知識あるのはイスラム国メンバーだけだと思うので、今から調べても間に合うと思いますよ。
ナチスはバッチリ!ですし。
このブログ実績を持って「イスラム国絡みで書きます」と言えば、ミリタリー系出版社に限らず乗ってくるんじゃないでしょうか?
たまにそろそろ書きましょうよ。
by さくら (2015-02-15 22:09)