反逆部隊〈下〉 [戦争小説]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
ガイ・ウォルターズ著の「反逆部隊〈下〉」を読破しました。
予想していたよりも遥かに面白かった上巻。。
ヒトラーの希望する30名の英国人部隊を編成するため、ドイツ国内の捕虜収容所を巡って
祖国を裏切る兵士を徴集することとなった主人公の「イギリス自由軍」指揮官ロックハートSS大尉。
仲間集めっていうのは子供の頃、映画「荒野の七人」を観て以来、好きな展開ですし、
祖国を裏切ってドイツ軍にっていうのも「幻影」でのロシア人義勇兵の話を彷彿とさせます。

そのロックハートの収容所巡りでは、数人の裏切り者が確保できたものの、
野次と罵声と混乱のなか、出口へと向かう途中に襲撃され、入院する羽目に・・。
SS本部長のベルガーは、効率の悪い「説得工作」を中止して、現在の隊員たちの訓練を命じ、
1944年の4月には、精鋭SS師団「ダス・ライヒ」のシュトラッサーも満足するまでのレベルに
鍛え上げられるのでした。

そんな裏で上巻に出てきた「サリン」を阻止すべく、情報収集するロックハートは、
偶然見つけた書類に「A4計画」と「ハンス・カムラーSS少将」と書かれていたことから
この2つが繋がって、サリンを弾頭に乗せたV2ロケットをロンドンに向けて発射する・・
と推測するわけですが、まぁ、このあたりはひょっとすると
著者がこの2つの秘密兵器について書かれている「V1号V2号 -恐怖の秘密兵器-」を
読んで思いついたのかも・・。

ベルリンではシュトラッサーが足繁く通う「サロン・キティ」の娼婦、レニとも知り合いますが、
SD(SS保安部)のスパイでありながらも、ソ連の軍情報部GRUのスパイも兼務する2重スパイで
ユダヤ人の父を救うべく、あらゆる手段を使っている彼女は、ロックハートに協力を・・。
レニにうっかり秘密を漏らしていたシュトラッサーも、「SDに報告するわよ」と脅されて、
しぶしぶロックハートに従うことを約束させられます。
そういえば「サロン・キティ」は昔、映画になっていたなぁ・・と調べてみると
1976年のイタリア映画でした。しかもあの「カリギュラ」の監督です。。
当時は結構流行ったこのカリギュラですが、「カリギュラ」って口に出すことがイヤラシイ・・というか、
子供にとっての「エロの代名詞」だったことを思い出します。。。

で、この映画「サロン・キティ」は日本でも公開されていて、DVDも出てるんですねぇ。
DVDは「サロン・キティ」ですが、公開当時は洋ピン扱いですから、タイトルがスゴイ・・。
「ナチ女秘密警察 SEX親衛隊」。そして、<若い隊員の"エキス"を集めよ!>
果たして、ホントにそんな映画なのか・・??

ノルマンディに連合軍が上陸し、このままでは「裏切り者」のまま終戦を迎えることになると、
隊員たちに彼の立てた無謀な「計画」を打ち明け、参加を要請するロックハート。
「SSルーンの入った袖なしTシャツ」を着た彼らは、「俺たちを皆殺しにする気ですか?」
このTシャツは結構知られたものですが、実は池袋のミリタリー・ショップで手に入るんです。
何枚かドイツ軍関連のTシャツ持っているヴィトゲンシュタインですが、コレはちょっと・・。
今年の夏はコレを着て街を闊歩したいと思われる方は、
「ビンテージ・タンクトップシリーズ”SSルーンマーク”」でググってみてください。

また「イギリス自由軍」が出てくる小説としては「鷲は舞い降りた」のプレストン少尉が
真っ先に思い浮かびますが、本書のろくでもない隊員たちを鍛え上げ、
ナチスの基地を襲おうとする展開になると、1967年の映画「特攻大作戦」を思い出しました。
「服役中の12人の兵士たちによる特殊部隊を組織し、ドイツ軍司令部を壊滅させる」・・
という内容ですが、指揮官にリー・マーヴィン、その他にアーネスト・ボーグナイン、
ジョージ・ケネディ、チャールズ・ブロンソン、テリー・サヴァラス、ドナルド・サザーランドといった
一癖も二癖もある超個性派俳優揃い踏み・・という大好きな映画です。
本書はこの映画にもインスパイアされているのかも知れません。

厳しい訓練を課してきたとはいえ、部下13人の「イギリス自由軍」に心もとないロックハートは、
生粋のドイツ人SS将校である、シュトラッサーにすべてを話し、
彼の理性に訴えかけて、作戦への協力を求めます。
最終的にはV2ロケット組立工場でもあるミッテルバウ=ドーラ強制収容所に
武装して乗り込み、地下の奥深くにあるサリン保管施設を強襲しようとするものの、
収容所警備兵である髑髏部隊との激しい銃撃戦に・・。
一目散にサリン保管所を目指すロックハート・チームと
彼らの背後を守るシュトラッサー・チーム。

己の信じてきたナチスに対して心揺らぎ、ロックハートを信じることにしたシュトラッサーは、
イギリス自由軍を指揮し、続々と応援に駆けつけてくる髑髏部隊を相手に、
ロシア戦線で戦い抜いてきた百戦錬磨の「ダス・ライヒ」将校の実力を見せ付けるのでした。
原題が「裏切り者」であるように、英国人ロックハートらの「裏切り者」としての苦悩が
充分に書かれた本書ですが、それまで冒して来た罪を悔い改め、
ドイツや英国といった国のためではなく、多くの一般市民の命を救うために
自らの命を捨てることにしたシュトラッサーもまた、「裏切り者」でもあるわけです。

ラスト・シーンはさすが英国の作家だけあって、超人的な能力で首尾よくミッションを完了し、
愛する妻と抱き合うようなハッピーエンドにならないのが良いですね。
ロックハートが流全次郎、シュトラッサーが高柳秀次郎という、
「男組」の彼ら2人の最期をも髣髴とさせ、もちろん第三帝国ネタと
ヴィトゲンシュタインの好きな要素がたくさん詰まった、とても面白い冒険小説でした。
ガイ・ウォルターズ著の「反逆部隊〈下〉」を読破しました。
予想していたよりも遥かに面白かった上巻。。
ヒトラーの希望する30名の英国人部隊を編成するため、ドイツ国内の捕虜収容所を巡って
祖国を裏切る兵士を徴集することとなった主人公の「イギリス自由軍」指揮官ロックハートSS大尉。
仲間集めっていうのは子供の頃、映画「荒野の七人」を観て以来、好きな展開ですし、
祖国を裏切ってドイツ軍にっていうのも「幻影」でのロシア人義勇兵の話を彷彿とさせます。

そのロックハートの収容所巡りでは、数人の裏切り者が確保できたものの、
野次と罵声と混乱のなか、出口へと向かう途中に襲撃され、入院する羽目に・・。
SS本部長のベルガーは、効率の悪い「説得工作」を中止して、現在の隊員たちの訓練を命じ、
1944年の4月には、精鋭SS師団「ダス・ライヒ」のシュトラッサーも満足するまでのレベルに
鍛え上げられるのでした。

そんな裏で上巻に出てきた「サリン」を阻止すべく、情報収集するロックハートは、
偶然見つけた書類に「A4計画」と「ハンス・カムラーSS少将」と書かれていたことから
この2つが繋がって、サリンを弾頭に乗せたV2ロケットをロンドンに向けて発射する・・
と推測するわけですが、まぁ、このあたりはひょっとすると
著者がこの2つの秘密兵器について書かれている「V1号V2号 -恐怖の秘密兵器-」を
読んで思いついたのかも・・。

ベルリンではシュトラッサーが足繁く通う「サロン・キティ」の娼婦、レニとも知り合いますが、
SD(SS保安部)のスパイでありながらも、ソ連の軍情報部GRUのスパイも兼務する2重スパイで
ユダヤ人の父を救うべく、あらゆる手段を使っている彼女は、ロックハートに協力を・・。
レニにうっかり秘密を漏らしていたシュトラッサーも、「SDに報告するわよ」と脅されて、
しぶしぶロックハートに従うことを約束させられます。
そういえば「サロン・キティ」は昔、映画になっていたなぁ・・と調べてみると
1976年のイタリア映画でした。しかもあの「カリギュラ」の監督です。。
当時は結構流行ったこのカリギュラですが、「カリギュラ」って口に出すことがイヤラシイ・・というか、
子供にとっての「エロの代名詞」だったことを思い出します。。。

で、この映画「サロン・キティ」は日本でも公開されていて、DVDも出てるんですねぇ。
DVDは「サロン・キティ」ですが、公開当時は洋ピン扱いですから、タイトルがスゴイ・・。
「ナチ女秘密警察 SEX親衛隊」。そして、<若い隊員の"エキス"を集めよ!>
果たして、ホントにそんな映画なのか・・??

ノルマンディに連合軍が上陸し、このままでは「裏切り者」のまま終戦を迎えることになると、
隊員たちに彼の立てた無謀な「計画」を打ち明け、参加を要請するロックハート。
「SSルーンの入った袖なしTシャツ」を着た彼らは、「俺たちを皆殺しにする気ですか?」
このTシャツは結構知られたものですが、実は池袋のミリタリー・ショップで手に入るんです。
何枚かドイツ軍関連のTシャツ持っているヴィトゲンシュタインですが、コレはちょっと・・。
今年の夏はコレを着て街を闊歩したいと思われる方は、
「ビンテージ・タンクトップシリーズ”SSルーンマーク”」でググってみてください。

また「イギリス自由軍」が出てくる小説としては「鷲は舞い降りた」のプレストン少尉が
真っ先に思い浮かびますが、本書のろくでもない隊員たちを鍛え上げ、
ナチスの基地を襲おうとする展開になると、1967年の映画「特攻大作戦」を思い出しました。
「服役中の12人の兵士たちによる特殊部隊を組織し、ドイツ軍司令部を壊滅させる」・・
という内容ですが、指揮官にリー・マーヴィン、その他にアーネスト・ボーグナイン、
ジョージ・ケネディ、チャールズ・ブロンソン、テリー・サヴァラス、ドナルド・サザーランドといった
一癖も二癖もある超個性派俳優揃い踏み・・という大好きな映画です。
本書はこの映画にもインスパイアされているのかも知れません。

厳しい訓練を課してきたとはいえ、部下13人の「イギリス自由軍」に心もとないロックハートは、
生粋のドイツ人SS将校である、シュトラッサーにすべてを話し、
彼の理性に訴えかけて、作戦への協力を求めます。
最終的にはV2ロケット組立工場でもあるミッテルバウ=ドーラ強制収容所に
武装して乗り込み、地下の奥深くにあるサリン保管施設を強襲しようとするものの、
収容所警備兵である髑髏部隊との激しい銃撃戦に・・。
一目散にサリン保管所を目指すロックハート・チームと
彼らの背後を守るシュトラッサー・チーム。

己の信じてきたナチスに対して心揺らぎ、ロックハートを信じることにしたシュトラッサーは、
イギリス自由軍を指揮し、続々と応援に駆けつけてくる髑髏部隊を相手に、
ロシア戦線で戦い抜いてきた百戦錬磨の「ダス・ライヒ」将校の実力を見せ付けるのでした。
原題が「裏切り者」であるように、英国人ロックハートらの「裏切り者」としての苦悩が
充分に書かれた本書ですが、それまで冒して来た罪を悔い改め、
ドイツや英国といった国のためではなく、多くの一般市民の命を救うために
自らの命を捨てることにしたシュトラッサーもまた、「裏切り者」でもあるわけです。

ラスト・シーンはさすが英国の作家だけあって、超人的な能力で首尾よくミッションを完了し、
愛する妻と抱き合うようなハッピーエンドにならないのが良いですね。
ロックハートが流全次郎、シュトラッサーが高柳秀次郎という、
「男組」の彼ら2人の最期をも髣髴とさせ、もちろん第三帝国ネタと
ヴィトゲンシュタインの好きな要素がたくさん詰まった、とても面白い冒険小説でした。
ヴィトゲンシュタインさん、こんにちは。
≪サロン・キティ≫に反応してしまいました。
このDVD、純粋に(ここを思わず強調・笑!)学術的見地で興味があって一度借りて観ねば・・・と最近思っていました。
しかし、ナチス物って最近じゃ見かけませんが、一昔前はエロDVDの題材に凄くなっていましたよね(と、同意を求められても困るかもしれませんが)。
何故にナチス=エロ?みたいな感じに思ってしまいますケド。。。。
そういえば、相当話が脱線し格調高いヴィトゲンシュタインさんのブログをケガしかない話なのですが、以前、男友達の家へアダルトDVDのダイレクトメールが来たとかでチロと見せてもらったのですが、ドイツの本当のブンカー内でのめくるめくアダリティーなDVDが紹介されてあって、別の意味で観たいなと興味をそそられた私です(笑)。
by しゅり (2012-05-30 06:06)
ど~も。格調高いブログの管理人、ヴィトゲンシュタインです。
「サロン・キティ」の話は、ボクと同世代のオッサン方が喜ぶかな・・と思っていましたが、まさかしゅりさんから「純粋な学術的見地」でもって喰いつかれるとは・・。
>一昔前はエロDVDの題材に凄くなっていましたよね
しっかり同意します!
DVDが出ているのでは「ナチ女親衛隊 全裸大作戦」というのがありますし、洋ピンで公開されたりビデオで出たものでは、「ナチ(秘)女体飼育館・ゲシュタポ慰安部隊」、「ナチ(秘)女収容所/ゲシュタポ・ハーレム」、「ゲシュタポ卍(ナチ)第5収容所/女体セックス実験」など、いくらでもありますね。。
>何故にナチス=エロ?
ボクが思うに、SSの黒服のイメージじゃないでしょうか?
以前「ヒトラー最期の日」http://ona.blog.so-net.ne.jp/2011-10-20にもふざけてUPした「セクシーSSねぇちゃん」の写真のように、黒服をレザーにすると、かなりSMチックですし、女SS隊員たるもの、金髪でグラマー、そして悪女でなければ世の中の男は納得しませんから、そこにゲシュタポや拷問(鞭打ちとか)、人体実験、女性収容所に女看守・・と、SSに関わる実際のキーワードが変態行為を想像させて、エスカレートするような感じですね。。
>ドイツの本当のブンカー内でのめくるめくアダリティーなDVDが
ほ~、、コレは興味がありますね。ベルリン最終戦で、身体を求め合う男女・・というヤツでしょうか・・?
何年か前までアダルトDVDのダイレクトメール来てましたが、思い当たらない・・というか、基本、JAPANモノ専門なんで、洋モノはちゃんと見てなかったですねぇ。
と、なぜか自分の嗜好までついつい書いてしまいました。。。
by ヴィトゲンシュタイン (2012-05-30 20:01)