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SS-WIKING -第5SS師団の歴史1941-45- [武装SS]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

ルパート・バトラー著の「SS-WIKING -第5SS師団の歴史1941-45-」を読破しました。

すっかりお馴染みとなった「リイド社」の武装SSシリーズもおそらく今回が最終回です。
その最後を飾るのは「ヴィーキング」です。
この「リイド社」のシリーズはボリュームはないものの
一冊読むとしばらく読む気が失せるというシリーズで、
以前にまとめ買いしており、本書はいつ読むのか・・と思っていましたが、
近頃、ミューレンカンプメンゲレなど「ヴィーキング」出身者が続いたこともあって
その流れに乗って読破しました。。

SS Wiking.JPG

まずはその「創設」からです。
オランダ、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、ベルギー、そしてフィンランドという
北方系の国々にターゲットを絞り、義勇兵を勧誘していく過程を解説しています。
ここでは、いきなり名著「武装SS興亡史」を引き合いに出して、
「こう書かれている」とそのまま内容を掲載しています。。。
この著者ルパート・バトラーのいつもの「やる気のなさ」が最初から伝わってきます。。

Norske.jpg

それに追随する出版社お得意の誤字、「1943年夏の「長いナイフの夜」・・」と来ると、
さすがにこの最初の5ページから進むのに若干の勇気が必要になります。

次の「教練」では、前半の主役、フェリックス・シュタイナー初代師団長が登場し、
SS-VTを独自の教練プログラムで精鋭部隊に仕上げていく様子が語られます。
ここでは同じく陸軍からの移籍組であるパウル・ハウサーとの軋轢が語られますが、
たいした根拠はありません。。

Felix Steiner9.jpg

武装SS師団となったヴィーキングは1941年のバルバロッサ作戦で初陣を飾り、
その後はロストフやカフカス戦線で
戦い続けます。このあたりも特別興味深い話はなく、時折、
ノルウェー人義勇兵の回想が入ってくる程度です。
その回想もコレと言って面白くありません。。

wikingisjum1943.jpg

スターリングラードがマズイ状況になってくると、ハルダーに代わって新参謀総長に
ツァイツラーが任命されますが、ここでも突然、ウィリアム・シャイラーを引用し、
「たかだか総統事務室のボーイ」であるとツァイツラーを紹介しています。
全然、武装SSやヴィーキングと関係ないところで、しょうもない説明してますね。。

この頃にはシュタイナーに代わってオットー・ギレが師団長となってヴィーキングを引っ張ります。
とはいうものの、クルスクからの敗走が始まったこの時期、ギレの活躍も「チェルカッシィ」や
続く「コヴェリ」と実に苦しい戦いで、師団も大きな損害も受けてしまいます。

OttoGille.jpg

その後も、ハンガリーからウィーンと東部戦線で最後まで戦い続け、ヴィーキングは降伏します。
戦記としては、新たな発見の無い本書ですが、最後に「ゲルマニア連隊の顔役」で
チェルカッシィ包囲突破戦」でも妙に気になったハンス・ドーアSS少佐が登場して来たのは
唯一、嬉しい驚きでした。

Hans Dorr.jpg

最後はお馴染み「主要人物」紹介です。
シュタイナーは当初の「ドイチュラント連隊」から最後の「シュタイナー軍集団」として
ヒトラー最後の希望であったところまで、キッチリ書かれています。
2代目師団長ギレも同様ですが、「一級、および二級の"騎士"十字章を受章」したそうです。

Karl Ullrich SS-Standartenführer.jpg

ミューレンカンプと最後の師団長、カール・ウルリッヒもそれなりに紹介され、
SSヴァローン(ワロニエン)旅団のレオン・デグレールSS大尉は、ベルギーに帰ることが出来ず、
スペインに逃亡して、1994年に87歳の生涯を終えるまでが書かれていました。
デグレールは本文中にもしょっちゅう登場する、本書の助演男優級の扱いです。
確かに義勇兵で構成された師団の、義勇兵としてのエース格でもありますからね。
メンゲレも「最後のナチ」では不明だった、ヴィーキングでの戦いざまが紹介されています。

Leon Degrelle, Otto Gille, Hermann Fegelein and Hitler.jpg

全体的には著者バトラーがダメなようです。
第1SS師団」、「第12SS師団」もヒドイ内容でしたし、「ヒトラーの秘密警察」も同様です。
この「独破戦線」ではあまり悪いことは書かないようにしていますが、
4冊全部ダメというのは間違い無く、この「第三帝国の専門家」は○▲◇×■!(自主規制)ですね。

掲載されている写真も大した物はなく、リイド社のほとんど「お約束」とも言える
ヴァッヘンSS」も2、3回出てきました。
こんなに間違えるなら、普通に「武装SS」と書けば良いのに・・と思いますね。
著者と出版社、どちらかがマトモなら、そのダメージも軽減されるんでしょうが、
これだとプロレスでいうところの「ツー・プラトン攻撃」を喰らった感じです・・。

panther_snow_camo.jpg

そして、たった今、本棚を見て気が付きましたが「リイド社」はもう一冊
「東部戦線―SS未公開写真集」が残っていました。
以前に「西部戦線」を読みましたが、これもちょっとな~・・という一冊です。
気持ちが落ち着いた頃に、恐る恐る読んでみます。。


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