空対空爆撃戦隊 -メッサーシュミット 対 米四発重爆- [ドイツ空軍]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
ハインツ・クノーケ著の「空対空爆撃戦隊」を読破しました。
連合軍爆撃機との戦闘を描いた回想録は独破戦線では
夜間戦闘機乗りヨーネン少尉の「ドイツ夜間防空戦」がありますが
こちらは昼間、すなわちアメリカの爆撃機との戦いを日記形式で綴ったもので
1952年に「ドイツ空軍パイロットの日記」というタイトルで発刊されたそうです。
1921年生まれのクノーケは、なかなかの悪ガキだったようで、
ヒトラー・ユーゲントと喧嘩したりの少年時代です。
先日「ヒトラー・ユーゲント」を読破して興味深かった、1933年のヒトラー政権と共に
強引な青少年団の吸収と解散というシーンがこの本で語られるとは、嬉しい驚きです。
1940年、士官候補生としての訓練を終え、全軍の候補生たちがベルリンのスポーツパレスに結集。
1人の長身で痩せ、青ざめ神経質そうな飛行士官候補生がゲーリングに紹介されますが、
それは、かのハンス・ヨアヒム・マルセイユだったそうです。
同期の思いからかその後、マルセイユ戦死のニュースも複雑に聞くことになります。
そして第52戦闘航空団に配属されると、この大エースを多数輩出した飛行隊らしく
バルクホルン少尉、ラル少尉、予備中隊でも一緒だったクルピンスキー少尉といった
そうそうたる若きパイロットたちも登場。
その後は西部、主に北方のノルウェーなどでの任務に就き、
戦艦ティルピッツなどの護衛やブレスト艦隊のドーバー海峡突破作戦にも参加します。
初の「撃墜」という戦果の相手はスピットファイアで、無事に脱出/救助した英国将校と
ブランディを酌み交わして大笑いするという清々しいシーンも
後半になるにしたがって、徐々に変化していくことになります。
ドイツ本土への連合軍爆撃が昼間はアメリカ、夜は英国と始まると
グスタフの愛称の愛機、Bf-109GでB-24リベリーター、B-17フライングフォートレスといった
米四発重爆の大編隊に真っ向勝負を挑みます。
敵重爆編隊の上空から爆弾を落とすという戦術も戦友と共に発案し、
それを聞いたゲーリングから電話で起されたエピソードも・・。
さらには21センチのロケット弾発射装置、「ストーブの煙突」ことオーフェンロールも装備し、
クノーケ自身も重爆撃墜数が十数機にも及ぶと、
戦闘機隊総監のガーランドやリュッツォウ大佐とも戦術的な会話を交わすほどの
重爆撃墜のエキスパートという地位を確立します。
しかし戦局は悪化の一途を辿り、ほとんどの戦友は戦死し、
クノーケもパラシュート脱出からの必死の生還を何度となく繰り返します。
敵重爆編隊に護衛としてサンダーボルトやマスタングが登場してくると
その壮絶な空戦による損害も甚だしく、彼も寡黙になり、
初めて戦果を挙げた当初の、敵パイロットの命を心配するといったようなことも
「殺してやる」という気持ちにまで変化してしまいます。
最後のパラシュート脱出による降下中にも、機銃による攻撃を受け
「戦争とは言えルールがあるじゃないか!」と憤慨しています。
このクノーケ大尉という人は知りませんでしたが、とても面白い戦記です。
特に個人的には、対する米四発重爆が興味深く、
ドイツ側、または日本人の心情からは無差別爆撃のテロ行為と映りますが、
その乗組員たちの気持ちはどのようなものだったのでしょうか。
以前にグレゴリー・ペック主演の「頭上の敵機」や
マシュー・モディーンの「メンフィス・ベル」を観ているだけに、
今度あちら側の本もなにか読んでみようと思います。
ハインツ・クノーケ著の「空対空爆撃戦隊」を読破しました。
連合軍爆撃機との戦闘を描いた回想録は独破戦線では
夜間戦闘機乗りヨーネン少尉の「ドイツ夜間防空戦」がありますが
こちらは昼間、すなわちアメリカの爆撃機との戦いを日記形式で綴ったもので
1952年に「ドイツ空軍パイロットの日記」というタイトルで発刊されたそうです。
1921年生まれのクノーケは、なかなかの悪ガキだったようで、
ヒトラー・ユーゲントと喧嘩したりの少年時代です。
先日「ヒトラー・ユーゲント」を読破して興味深かった、1933年のヒトラー政権と共に
強引な青少年団の吸収と解散というシーンがこの本で語られるとは、嬉しい驚きです。
1940年、士官候補生としての訓練を終え、全軍の候補生たちがベルリンのスポーツパレスに結集。
1人の長身で痩せ、青ざめ神経質そうな飛行士官候補生がゲーリングに紹介されますが、
それは、かのハンス・ヨアヒム・マルセイユだったそうです。
同期の思いからかその後、マルセイユ戦死のニュースも複雑に聞くことになります。
そして第52戦闘航空団に配属されると、この大エースを多数輩出した飛行隊らしく
バルクホルン少尉、ラル少尉、予備中隊でも一緒だったクルピンスキー少尉といった
そうそうたる若きパイロットたちも登場。
その後は西部、主に北方のノルウェーなどでの任務に就き、
戦艦ティルピッツなどの護衛やブレスト艦隊のドーバー海峡突破作戦にも参加します。
初の「撃墜」という戦果の相手はスピットファイアで、無事に脱出/救助した英国将校と
ブランディを酌み交わして大笑いするという清々しいシーンも
後半になるにしたがって、徐々に変化していくことになります。
ドイツ本土への連合軍爆撃が昼間はアメリカ、夜は英国と始まると
グスタフの愛称の愛機、Bf-109GでB-24リベリーター、B-17フライングフォートレスといった
米四発重爆の大編隊に真っ向勝負を挑みます。
敵重爆編隊の上空から爆弾を落とすという戦術も戦友と共に発案し、
それを聞いたゲーリングから電話で起されたエピソードも・・。
さらには21センチのロケット弾発射装置、「ストーブの煙突」ことオーフェンロールも装備し、
クノーケ自身も重爆撃墜数が十数機にも及ぶと、
戦闘機隊総監のガーランドやリュッツォウ大佐とも戦術的な会話を交わすほどの
重爆撃墜のエキスパートという地位を確立します。
しかし戦局は悪化の一途を辿り、ほとんどの戦友は戦死し、
クノーケもパラシュート脱出からの必死の生還を何度となく繰り返します。
敵重爆編隊に護衛としてサンダーボルトやマスタングが登場してくると
その壮絶な空戦による損害も甚だしく、彼も寡黙になり、
初めて戦果を挙げた当初の、敵パイロットの命を心配するといったようなことも
「殺してやる」という気持ちにまで変化してしまいます。
最後のパラシュート脱出による降下中にも、機銃による攻撃を受け
「戦争とは言えルールがあるじゃないか!」と憤慨しています。
このクノーケ大尉という人は知りませんでしたが、とても面白い戦記です。
特に個人的には、対する米四発重爆が興味深く、
ドイツ側、または日本人の心情からは無差別爆撃のテロ行為と映りますが、
その乗組員たちの気持ちはどのようなものだったのでしょうか。
以前にグレゴリー・ペック主演の「頭上の敵機」や
マシュー・モディーンの「メンフィス・ベル」を観ているだけに、
今度あちら側の本もなにか読んでみようと思います。
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