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ドラムビート -Uボート米本土強襲作戦- [Uボート]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

マイケル・ギャノン著の「ドラムビート」を読破しました。

「オペレーション・ドラムビート」、ドイツ語で「オペラツィオン・パウケンシュラーク」、
翻訳してしまうと「太鼓連打作戦」とちょっとイマイチですが、
有名なアメリカ沿岸でのUボート作戦の記録です。

ドラムビート.JPG

ドイツ海軍の英国に対する通商破壊作戦においては、アメリカがまだ中立国であったとき
洋上では様々な報告がもたらされ、その行動はとても中立国とは言えないものでした。
しかし、アメリカ船籍に攻撃することは許されず、Uボート指令デーニッツ以下、
アメリカに対して憤懣やるかたないという状況のもと、
日本軍による「真珠湾攻撃」が起こり、ここに至って、ついにヒトラーも
アメリカに対して宣戦布告をし、Uボートによる作戦が発動されます。

Reinhard Hardegen.jpg

5隻からなるUボートグループがニューヨーク沖を含むアメリカ東海岸において、
一斉に攻撃を仕掛けるというこの作戦は、ドイツ版「トラ・トラ・トラ!」とでも言えるでしょうか。
U-123の艦長ラインハルト・ハルデゲン少佐を中心に、この作戦の模様が詳細に語られ、
それはドイツ側だけではなく、連合軍側、特に対Uボート戦のベテランとなっていた
英国からの情報を軽くあしらった結果、恐るべき損害を蒙った
アメリカ側の無能さについてもその経緯について詳しく検証しています。

Reinhard Hardegen2.jpg

U-123のハルデゲン艦長は変わった経歴の持ち主で、
戦前の海軍航空部隊のパイロットからその軍歴が始まり、
ユンカースW-34の事故により、片足が短く、慢性的な腹部の出血という後遺症を残します。
やがてゲーリングの「空を飛ぶあらゆるものは本官に所属する」という発言によって
パイロットからUボート乗りへと転身することになります。

Heinrich Bleichrodt.JPG

そして騎士十字章のU-109艦長ブライヒロートなどと
パウケンシュラーク作戦の一員として出撃し、見事、最大の戦果を収め、
1回目の哨戒で騎士十字章、2回目の哨戒でも活躍したことで
エーリッヒ・トップと共にヒトラーから直々に柏葉章を授与されました。
それにしても、アメリカ東海岸の詳細な海図が手に入らなかったためか、
ガイドブックに付いている地図で作戦させたデーニッツも豪傑です。。。

topp_Hardegen.jpg

その後、地上勤務となったハルデゲンは終戦間近に「第6海軍擲弾兵連隊第1大隊長
となり、病院で終戦を迎えます。
パイロットからUボート・エースそして歩兵隊長という、すごい軍歴を送ったものですね。

また、このパウケンシュラーク作戦を扱ったドキュメンタリーDVDも発売されていて
ハルデゲン自らも語ります。
このシリーズ、クレッチマーやエーリッヒ・トップも出ていたりして、なかなか楽しめます。





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