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巨大戦艦ビスマルク -独・英艦隊、最後の大海戦- [ドイツ海軍]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

ブルカルト・フォン ミュレンハイム=レッヒベルク著の「巨大戦艦ビスマルク」を読破しました。

説明不要の独・英双方の戦艦撃沈の海洋戦記です。
この著者はビスマルクの後部射撃指揮所の砲術士官の任にあった少佐で
ビスマルク就役当時は艦長リンデマン大佐の副官も兼務していた人物です。

巨大戦艦ビスマルク.JPG

重巡洋艦プリンツ・オイゲンと共に大西洋における通商破壊「ライン演習」作戦へと
出撃したビスマルクは、英海軍の誇る巨艦「フッド」をわずか数分で葬り去り、
その後、復讐に燃える英艦隊の執念の追撃により、壮絶な最後を迎えるというストーリーは
あまりに有名なため割愛したほうが良さそうですね。。

bismarck_Prinz Eugen.JPG

それでもなかなか読み応えのある一冊で、それはやはり著者の実体験からくる迫力ある描写と
士官または艦長の副官も勤めた経緯から、刻々と変化する状況をある程度知る
立場にもあったことが大きいでしょう。
2000名余りのうち、僅か100名程度という生存者の1人(最高階級)の貴重な証言であることも
忘れてはなりません。

Lindemann_Lütjens_on_bismarck.jpg

一般的に、ほとんどビスマルク撃沈の戦犯扱いされている
艦隊指令リュッチェンス提督については彼が何を考え、
どのような行動をとったのかを調査資料などを用いて、著者なりに分析しています。
しかし、リンデマン艦長とリュッチェンス提督の間の意見の激突・・・例えば
フッド撃沈後、傷つき逃走する「プリンス・オブ・ウェールズ」を見逃したことなど
その本来の通商破壊任務という意味では戦略的には間違っていないものの
心情的には追撃/撃沈すべきという、尊敬するリンデマン艦長寄りであるのは否めません。
そして、そのリンデマン艦長のビスマルクと運命を共にする最後の姿は、
まさに艦長の鏡と言え、感動的です。

Ernst Lindemann.jpg

また、個人的には同じ造船所生まれということも手伝って、養子縁組となったUボート
「U-556」との数奇な運命が印象に残りました。
親代わりなのが、ヴォールファルト艦長のちっぽけなUボートの方、というのも楽しく、
そのヴォールファルト艦長の描く証明書にはビスマルクを敵の戦闘機と魚雷から守り、
さらに巨大なビスマルクを曳航するU-556の絵が描かれています。

養子縁組証明書 U-556_Herbert Wohlfarth.JPG

そして、それは現実のシチュエーションとなりますが、ビスマルクを救うべく駆けつけた
U-556には、すでに1発の魚雷もなく・・・。



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