第三帝国の中枢にて -総統付き陸軍副官の日記- [ドイツ陸軍]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
ゲルハルト・エンゲル著の「第三帝国の中枢にて」を読破しました。
内容はまさしく「副題」のとおりですが、日記というよりは「覚え書き」や「メモ」に近いものを
ある程度整理したものと考えたほうが良いでしょう。

総統付き副官というものは陸海空の三軍各々から選ばれており、
陸軍からはエンゲル、海軍ではプットカマー、空軍ではフォン・ベローが主に勤め、
首席副官としてルドルフ・シュムントが存在していました。
エンゲル自身は佐官としてオーストリア併合直前の1938年から1943年まで副官を務めており
その後、歩兵師団長として柏葉騎士十字章を受章、中将まで昇進した人物です。

ハッキリ言って読みやすい本ではありません。1ページ中に何個も注釈が出てきて
それらが巻末にまとめてあるので、行ったり来たりと大変です。
かなり知識のある人なら、注釈を無視して読み進められるでしょうが・・・。
それでも、この副官職というのはなかなか面白いもので(当人にとっては堪らないものでしょうが・・)
エンゲル自身、ヒトラーとそのヒトラーから最も信用されていない陸軍司令部の
板ばさみとなって苦しみます。
身内である筈の陸軍参謀総長のハルダー将軍からも、なぜか信用されておらず、
逆に陸軍総司令官のブラウヒッチュに対しては「まったく、なさけない」を連発するという環境です。

最もよく登場するのが首席副官のシュムントですが、
ヒトラー信奉者となっていったシュムントとは度々激論を交わします。
エンゲル曰く「恐ろしいほどに騙されやすく、なんでも簡単に信じてしまう」らしく
逆に言えばヒトラーにとっては扱いやすかったのでしょう。
しかし、彼がその後のシュタウフェンベルクの仕掛けた爆弾の犠牲者となるのは何とも皮肉です。

国防軍最高司令部長官のカイテルと統帥局長のヨードルも対照的です。
カイテルに対しては他の軍人の回想録などに負けず劣らず、罵詈雑言を浴びせており、
一方、ヨードルはなんとかロシア軍とヒトラー双方と戦っている様子が伺えます。

スターリングラードでの第6軍が包囲された状況では、情報が錯綜し、
司令部も混乱を極めていたことが伝わってきます。
パウルスやマンシュタイン、そして新たな参謀総長ツァイツラーからの脱出要請が
度々出され、大きな議論となりますが、
ヒトラーの優柔不断な態度も混乱に輪をかけている印象を受けました。
フォン・ベローの「ヒトラーの副官として」やハルダーの日記など翻訳されれば
ぜひ読みたくなりました。
ゲルハルト・エンゲル著の「第三帝国の中枢にて」を読破しました。
内容はまさしく「副題」のとおりですが、日記というよりは「覚え書き」や「メモ」に近いものを
ある程度整理したものと考えたほうが良いでしょう。
総統付き副官というものは陸海空の三軍各々から選ばれており、
陸軍からはエンゲル、海軍ではプットカマー、空軍ではフォン・ベローが主に勤め、
首席副官としてルドルフ・シュムントが存在していました。
エンゲル自身は佐官としてオーストリア併合直前の1938年から1943年まで副官を務めており
その後、歩兵師団長として柏葉騎士十字章を受章、中将まで昇進した人物です。
ハッキリ言って読みやすい本ではありません。1ページ中に何個も注釈が出てきて
それらが巻末にまとめてあるので、行ったり来たりと大変です。
かなり知識のある人なら、注釈を無視して読み進められるでしょうが・・・。
それでも、この副官職というのはなかなか面白いもので(当人にとっては堪らないものでしょうが・・)
エンゲル自身、ヒトラーとそのヒトラーから最も信用されていない陸軍司令部の
板ばさみとなって苦しみます。
身内である筈の陸軍参謀総長のハルダー将軍からも、なぜか信用されておらず、
逆に陸軍総司令官のブラウヒッチュに対しては「まったく、なさけない」を連発するという環境です。

最もよく登場するのが首席副官のシュムントですが、
ヒトラー信奉者となっていったシュムントとは度々激論を交わします。
エンゲル曰く「恐ろしいほどに騙されやすく、なんでも簡単に信じてしまう」らしく
逆に言えばヒトラーにとっては扱いやすかったのでしょう。
しかし、彼がその後のシュタウフェンベルクの仕掛けた爆弾の犠牲者となるのは何とも皮肉です。

国防軍最高司令部長官のカイテルと統帥局長のヨードルも対照的です。
カイテルに対しては他の軍人の回想録などに負けず劣らず、罵詈雑言を浴びせており、
一方、ヨードルはなんとかロシア軍とヒトラー双方と戦っている様子が伺えます。

スターリングラードでの第6軍が包囲された状況では、情報が錯綜し、
司令部も混乱を極めていたことが伝わってきます。
パウルスやマンシュタイン、そして新たな参謀総長ツァイツラーからの脱出要請が
度々出され、大きな議論となりますが、
ヒトラーの優柔不断な態度も混乱に輪をかけている印象を受けました。
フォン・ベローの「ヒトラーの副官として」やハルダーの日記など翻訳されれば
ぜひ読みたくなりました。
wikiによると、海軍副官のプットカーマーも著書を出してるようです。
by NO NAME (2010-04-06 19:25)