大崩壊 -ゲッベルス最後の日記- [ヒトラーの側近たち]
ど~も。ヴィトゲンシュタインです。
ヨーゼフ・ゲッベルスの「大崩壊」を読破しました。
インパクト充分のすごい表紙です。
一見、ホラー小説かと思ってしまいます。
この日記はゲッベルスが早口で口述したものを負けじと速記者が書き取り、
更にタイプされた後、マイクロフィルムとして保管されていたものだということですが
オリジナルは発見されていない(出版時点で)ようです。
なお、ドイツ敗戦間際の1945年2月27日から4月7日までの日記で構成されています。

この本の前書きにおいてはゲッベルスという人間を以下のように説明してます。
「いずれ劣らぬ凡庸なナチ高官の中で、彼はシュペーアとともに、ヒトラーが自分の
最側近に我慢した唯一の知識人だった。ものごとの把握に迅速で、
情勢の利用に機敏であるという意味で知的であり、多彩な才能の持ち主だが、
とくに国民の指導者および誘惑者として優れ、弁舌が立ち、スタイルを心得、
情緒的でかつコンプレックスが強く、病的に虚栄心が強く、限りなく自己中心的で、
権力欲が強く、冷笑的で、その魅力は計算されたもので、その批判は刺すようなものである彼は、
ヒトラー以外のほとんどすべてのものから最も好まれなかった、不気味な独善主義者であった。」

さて、このような人物の日記の内容はというと、まずは前日の軍事情勢からはじまります。
そして、連合軍各国および東欧諸国、或いは同盟国である日本の政治情勢までを
自らの見解や今後の展望として語ります。
ゲーリングについてはよっぽど嫌いなのか、ヒトラーに対し何度も更迭を迫ります。
その挙句、海軍司令官であるデーニッツを空軍司令官にしてルフトヴァッフェを建て直すという
意見まで出しますが、さすがにヒトラーにはあっさり却下されてしまいます。
最終的になぜデーニッツがヒトラーの後継者に指名されたのか、今だにはっきりしていませんが、
ゲッベルス、ヒトラーともにデーニッツの能力を高く評価していたことがここでは伺えます。

ルフトヴァッフェについていえば連合軍爆撃機に対する「特攻作戦」、ジェット戦闘機問題にも触れ、
東部戦線ではグデーリアン解任、ゼップ・ディートリッヒへの袖章剥奪命令の様子、
その一方「最も冷酷な・・」として知られるシェルナーを
「最も優れた軍司令官」だとして、元帥にすべしとしています。

「東京大空襲があった」という部分は非常に興味深く、
連日ベルリンで空爆に悩まれているゲッベルスも他人事ではなかったのでしょう。
また、謎の多い「人狼」作戦もその進行状況が日々語られます。
他にも、連合軍の各首脳、ヒムラー、ボルマン、リッベントロップ、シュペーア等の党の高官。
優れた司令官を誰一人として輩出できなったとする武装SSがゲッベルスの餌食になっています。
一読の価値ありと思いますが、とんでもないプレミア価格になっています(定価の10倍!)。
ヴィトゲンシュタインはなんとか、ほぼ定価で購入できました。
ヨーゼフ・ゲッベルスの「大崩壊」を読破しました。
インパクト充分のすごい表紙です。
一見、ホラー小説かと思ってしまいます。
この日記はゲッベルスが早口で口述したものを負けじと速記者が書き取り、
更にタイプされた後、マイクロフィルムとして保管されていたものだということですが
オリジナルは発見されていない(出版時点で)ようです。
なお、ドイツ敗戦間際の1945年2月27日から4月7日までの日記で構成されています。
この本の前書きにおいてはゲッベルスという人間を以下のように説明してます。
「いずれ劣らぬ凡庸なナチ高官の中で、彼はシュペーアとともに、ヒトラーが自分の
最側近に我慢した唯一の知識人だった。ものごとの把握に迅速で、
情勢の利用に機敏であるという意味で知的であり、多彩な才能の持ち主だが、
とくに国民の指導者および誘惑者として優れ、弁舌が立ち、スタイルを心得、
情緒的でかつコンプレックスが強く、病的に虚栄心が強く、限りなく自己中心的で、
権力欲が強く、冷笑的で、その魅力は計算されたもので、その批判は刺すようなものである彼は、
ヒトラー以外のほとんどすべてのものから最も好まれなかった、不気味な独善主義者であった。」

さて、このような人物の日記の内容はというと、まずは前日の軍事情勢からはじまります。
そして、連合軍各国および東欧諸国、或いは同盟国である日本の政治情勢までを
自らの見解や今後の展望として語ります。
ゲーリングについてはよっぽど嫌いなのか、ヒトラーに対し何度も更迭を迫ります。
その挙句、海軍司令官であるデーニッツを空軍司令官にしてルフトヴァッフェを建て直すという
意見まで出しますが、さすがにヒトラーにはあっさり却下されてしまいます。
最終的になぜデーニッツがヒトラーの後継者に指名されたのか、今だにはっきりしていませんが、
ゲッベルス、ヒトラーともにデーニッツの能力を高く評価していたことがここでは伺えます。

ルフトヴァッフェについていえば連合軍爆撃機に対する「特攻作戦」、ジェット戦闘機問題にも触れ、
東部戦線ではグデーリアン解任、ゼップ・ディートリッヒへの袖章剥奪命令の様子、
その一方「最も冷酷な・・」として知られるシェルナーを
「最も優れた軍司令官」だとして、元帥にすべしとしています。

「東京大空襲があった」という部分は非常に興味深く、
連日ベルリンで空爆に悩まれているゲッベルスも他人事ではなかったのでしょう。
また、謎の多い「人狼」作戦もその進行状況が日々語られます。
他にも、連合軍の各首脳、ヒムラー、ボルマン、リッベントロップ、シュペーア等の党の高官。
優れた司令官を誰一人として輩出できなったとする武装SSがゲッベルスの餌食になっています。
一読の価値ありと思いますが、とんでもないプレミア価格になっています(定価の10倍!)。
ヴィトゲンシュタインはなんとか、ほぼ定価で購入できました。
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