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脱出記 -シベリアからインドまで歩いた男たち- [収容所/捕虜]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

スラヴォミール・ラウイッツ著の「脱出記」を読破しました。

1939年のドイツ侵攻、そして東からはソヴィエトが・・という状況のもと、
スパイ容疑でNKVDに捕らえられ、25年の刑でシベリア送りとなった
ポーランド騎兵が主人公の壮大な脱出劇です。
その過程でヒマラヤの雪男に遭遇したという話から、有名かつ真偽も不明といわれているようですが、
そんなことを除いても、個人の体験記として素晴らしいものであることは間違いありません。

脱出記.JPG

前半の拷問シーン、シベリアの強制収容所までの死の行軍という絶望的な状況を経て、
仲間との脱走、同じように別の収容所から一人逃げてきた少女クリスティーナとの出会い、
さらにモンゴルからゴビ砂漠の縦断、ヒマラヤ山脈を踏破してインドへ・・・。
ユーラシア大陸を1年かけて徒歩で縦断するという逃走劇です
(草刈正雄主演の「復活の日」を思い出しました)。

常に追われているという恐怖、そして飢えと渇き、
さらに怪我に悩まされながらという展開ですが、
彼らにとってのオアシスとなった(読者にとっても)クリスティーナが花を添えてくれます。
しかし、それも束の間、灼熱のゴビ砂漠では非情な現実が待ち受けています。
それはとてもここで書けるものではありません。ぜひ読んでください。

いわゆる戦記ものではありませんが、第2次大戦初期のソヴィエトを含む東欧が舞台であり、
当時のバルト3国やフィンランド、ユーゴスラヴィアの情勢を
理解している人ならば、更に楽しめるでしょう。
とは言ってみるものの、正直、今のところ2度と読みたくありません。
「ゴビ砂漠」があまりにも辛い・・・。



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