SSブログ

最強の狙撃手 [ドイツ陸軍]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

アルブレヒト・ヴァッカー著の「最強の狙撃手」を読破しました。

新兵として東部戦線へ送られ、敵の砲弾が雨あられと降り注ぐ中、
こんなトコでは直ぐにおっ死んじまうとばかりに、たまたま手にした狙撃銃を持って、
歩兵から狙撃兵に転向した若者の体験談です。
いわゆるスナイパー物が好きな方はジュード・ロウ主演の映画「スターリングラード」の
原作でもある「鼠たちの戦争」を思い浮かべるかも知れませんが、
あちらはあくまで小説なのに対し、こちらはロシアの最前線に於けるドイツ軍の最悪な
状況がリアルに描かれているのが特徴です。

最強の狙撃手.JPG

それはもう、出だしから強烈で、たこ壺で砲弾から身を守っていると
隣のたこ壺から名作反戦映画「ジョニーは戦場へ行った」の「ジョニー」の
喋れる系のヤツが飛んできて「なんだ!ナニが起こったんだ!目か見えない!うぉあ~!!」
と喚き散らしながら、のた打ち回ったり、(「ジョニー」の喋れる系のヤツでわからない人は、
この本を読むか、或いは映画もぜひ観てください)、
カミさんをソ連兵10数人に強姦された挙げ句、○○されて殺される様を目の前で見ていたダンナが
その直後、一転、ドイツ兵の捕虜となったソ連兵に斧を持って狂気の逆襲を行うシーンなど・・。
また、こういった類の写真(主に死体です)が若干載っているのも、一層リアルに感じます。
このような主人公の戦いはドイツ軍が後退しながらの状況のもので、まもなく終戦を迎え、
徒歩で故郷を目指して行きます。

スナイパー章.jpg

しかし狙撃兵というのは相手から見れば卑劣なヤツというのが万国共通のようで、
一度敵の手に落ちればとんでもない拷問というか、処刑が待っています。
よって主人公もいざ敗走となると、狙撃銃はとっとと棄てて一般歩兵のフリして逃走します
(スナイパー章などは捕虜になったことを考えると恐ろしくてとても付けられなかったそうな・・)。
ただ、結構新しい本なので、本当に一人の狙撃兵の体験談なのかというのは微妙なとこですね。

何はともあれ、B級の戦争映画を観るより、戦場の強烈なインパクトを与えてくれる一冊です。
ヴィトゲンシュタインは繊細なので、夢にも出てきます。
ですが、独ソ戦に興味のある方は、女性を除き、必ず読むべきだと思います!





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ハッポの父

ヴィトゲンシュタイン様こんにちは!
夜はしらふな時がないおやぢです^^;

さてさて、この本、なかなかおもしろかったです。今まで抱いていた狙撃兵のイメージが完全にぶちこわされました。狙撃兵って、ゴルゴ13のようにかっこいいもんだと勝手に思い込んでました。
それに、東部戦線の恐ろしさも…

恐れていた写真は、ヴィトゲンシュタイン様のおっしゃるとおり、“白黒だし、グロ過ぎで、なんだかよくわかりません”状態で平気でした。考えたら昔からこの手の写真を何度も目にして馴れてきている自分が恐ろしいです~


この本を読んでいて違和感があったのが軍装についての記述が妙にマニア的な表現だったことでした。
“迷彩ポンチョ”なんてよく出てきましたが、原書にこんな表現、絶対ないよな~なんて思いながら読んでました。(原書ではツェルトバーンかな)
極めつけは“制服のうえからフード付きのSSパターンの迷彩アノラックを身につけ、ヘルメットにも迷彩カバーがあり、雑嚢のなかには、ヘルメットの周囲に結ぶことができるスダレ状の顔面偽装ベールを入れていた。ベルトはオリーブグリーンのコットンウェブでつくられ…” 多分、「専門用具のチェック」を担当したという石井元章氏が張り切っったんでしょうね^^;
by ハッポの父 (2013-12-22 11:05) 

ヴィトゲンシュタイン

ハッポの父さん。こんばんわ。
陽が高い時間のレビュー、ありがとうございます。

>軍装についての記述が妙にマニア的な表現
おお、そうでしたか。
確かに「ヴィーキング」写真集の著者の軍事用語チェックということを知って読んだら、感じるところがあるかもしれませんねぇ。

>制服のうえからフード付きのSSパターンの迷彩アノラックを
メチャクチャ細かいですね。笑っちゃうなぁ。。
たぶん読んだ当時は意味不明でスルーしてたんじゃないかと・・。
いやいや、コレはぜひとも再読しなくちゃなりませんね。
ただ、このショボいレビューを書き直したくなるんだろうなぁ。
マンシュタインの「失われた勝利」なども、無かったことにしたいんです。。

by ヴィトゲンシュタイン (2013-12-22 18:04) 

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