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砂漠のキツネ [ドイツ陸軍]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

パウル・カレル著の「砂漠のキツネ」を読破しました。

砂漠のキツネと言えば、勿論ロンメルです。
有名な著者が描く、有名な将軍です。これで面白くない訳が有りません。
ただし、この本はロンメルの生涯ではなく、あくまで「砂漠のキツネ」の戦い、
即ちドイツ・アフリカ軍団モノということであり、
同じ著者の「バルバロッサ作戦」や「焦土作戦」と同系列という印象です。

砂漠のキツネ.JPG

あくまでロンメルを中心に展開していきますが、個人的には小さなエピソードが印象に残ります。
例えば、ある拠点を一日二日の間に英軍とドイツ軍が取って取られてを繰り返し、
都度、野戦包帯所も設置と撤収していたのが、
最後には両軍とも並んで負傷兵の手術に当たった・・とか、
英軍の物資強奪を企むドイツ軍の一行が出会ったのが、負傷兵を治療中の英軍車両で、
思わず救急箱持参で駆け寄り、治療を手伝った・・とか。
アフリカ戦線はまったく騎士道的であったと云われる逸話が盛り沢山です。

Erwin Rommel.jpg

他にもドイツ本国にいる花嫁と一上等兵の「遠隔結婚式」の微笑ましいエピソードなどもあり
結構なボリュームのある本書ですが、時間の許す限り、一気読みしてしまいます。
さらに若き天才パイロットとして、北アフリカの空に散ったヨッヘン・マルセイユの章まであります。

Jochen Marseille.jpg

特に英軍司令官オーキンレック将軍が英軍士官に配布した文書は傑作なので抜粋します。

「中東方面軍司令部および部隊指揮者諸子にに告ぐ。
わが友ロンメルがわが軍の話題をにぎわすことによっていつの日か一種の、
わが軍の人気者的存在となる危険がある。
勢力に富み能力に恵まれてはいるが、彼は超人ではない。
たとえ超人であっても、わが軍の兵士が彼に超自然的な力を付与することは望ましくない。
ゆえに、ロンメルをふつうのドイツ軍の将軍以外のものであるとする考え方に、
手段を尽くして抵抗してもらいたい。
まずリビアの敵のことをロンメルと呼ぶのを止めねばならない。
ドイツ軍、枢軸軍もしくは敵軍と呼ぶべきであって、
特別な意味を込めてロンメルと呼んではならない。

PS.本官はロンメルをねたむものではない。」



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